経営の健全性・効率性について
■収益的収支比率については、100%を上回っています。これは平成31年4月からの地方公営企業法の適用に向けて、開始時の資金を一般会計から繰入金として収入とした一方で、打切決算により、流域下水道管理費負担金4半期分等の費用が未執行となったことによる総費用の減少が主な要因です。■企業債残高対事業規模比率については、全国平均及び類似団体平均を上回っています。これは、他の自治体等に比べ、企業債残高に対し使用料収入が過少であることが理由と考えられます。■経費回収率については、平成28年、平成30年に2段階で下水道使用料を改定したことにより、平成28年度から向上しています。しかし、使用料改定が平成30年7月からであるため通年での収入となっていないことから、依然として使用料収入が汚水処理費を大きく下回っています。■汚水処理原価については、打切決算による汚水処理維持管理費の減少により減額となっています。今後は老朽化した管渠の更新費用の増加が見込まれることから、ストックマネジメント手法を活用し、投資の効率化や維持管理費等の削減に努めていきます。■水洗化率については、下水道未普及地区の解消を進めている段階であることから、全国平均及び類似団体平均を下回っています。水洗化率の向上は、資産の有効活用や収入確保に繋がることから、戸別訪問などによる接続促進に努めていきます。
老朽化の状況について
前年度と比較して管渠改善率は向上したものの、平成30年度末時点、管渠総延長約1,246㎞のうち、布設後50年を超える管渠は約210㎞あり、老朽化する管渠の計画的な更新が必要です。
全体総括
下水道使用料収入の不足分を一般会計からの繰入金で補填している状況であるが、平成28年7月に続き、平成30年7月においても下水道使用料の改定を行ったことから、各経営指標の改善が図られました。今後においても、経費回収率などを指標として適正な下水道使用料について適宜検討し、併せて水洗化率の向上への取組等により、財政基盤の強化を図る必要があります。また、施設の更新等にあたっては、ストックマネジメント手法の導入・活用により、施設のライフサイクルコストの縮減と費用の平準化を図っていきます。以上のことをふまえ、今後も安定的かつ継続的に下水道サービスを提供できるよう事業を運営していく必要があります。