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平成22年度以降リーマンショック等の影響による景気低迷から、法人関係税をはじめとした県税収入の減により財政力指数が低下したが、平成24年度以降は、復興需要に伴う企業業績の回復により若干の上昇傾向にある。平成29年度は、法人事業税等の増加により、基準財政収入額が増加したため、単年度の財政力指数は前年度を上回り、3ヵ年平均も0.1ポイント改善した。
平成29年度は、前年度より比率が0.4ポイント改善し、グループ内平均値を0.2ポイント下回った。これは、職員数の減等に伴う職員給の減少や公債費の減少により、経常経費充当一般財源等が減少したほか、建設業・製造業等の業績が堅調に推移したことに伴う法人事業税の増など、地方税の増加によって、経常一般財源等が増加したことによるものである。引き続き、事務事業の見直し・改善や行政経費の節減・効率化等徹底した歳出の見直し及び歳入の確保により自由度の高い財政への転換に努め、経常収支比率の改善を目指す。
平成25年度は震災関連事業費の減少に伴い減少、平成26~27年度は給与改定や退職者の増加に伴い増加、平成28年度は職員数の減等に伴う給料の減少等に伴い減少したが、平成29年度は人口の減少割合が人件費及び物件費の減少割合を上回ったことに伴い増加している。人口1人当たりの決算額は、継続的にグループ内平均値を上回っている。この要因としては、人件費がグループ平均を上回っていることや、県立高等学校管理運営費等が多額なこと等がある。今後も知事部局一般会計職員の定員管理について、これまでの取組みを後退させず、効率化に努めるなど、たゆむことなく行財政改革に取り組み、財政の健全化に努めていく。
平成26は、国家公務員が平成27年1月1日に実施した昇給号俸数の1号俸抑制を、本県が実施していないこと等により、ラスパイレス指数が上昇した。また、給与制度の総合的見直し及び給与構造の見直しに伴う相違等により、平成27はラスパイレス指数が上昇したが、平成28は、平成28年度の本県の給料表の改定率が国家公務員の俸給表の改定率を下回ったこと等により、ラスパイレス指数は前年同値となっている。持続可能な財政基盤を確立するため、引き続き、適正な給与管理に努めていくこととしている。※当該資料作成時点において平成30年4月1日現在のラスパイレス指数が未公表であるため、平成29の数値については、前年度の数値を引用している。
持続可能な財政基盤の確立のため、これまでの行財政改革の取組みを後退させることなく、引き続き簡素で効率的な組織機構の実現に向けて不断の見直しを行う。このため、県が業務を行っている各分野において、民間活力の活用を検討しながら、行政サービス提供主体の多様化等による組織機構の構造的な見直しを推進していく。一方、人口減少対策や災害対応、やまがた創生の実現等、本県を取り巻く新たな行政課題についても的確に対応していく必要がある。以上のことを踏まえ、定員管理については、スクラップ・アンド・ビルドを基本に、新たな行政課題に対しては見直しにより生み出した人員を必要性を厳選のうえ配置して対応することとし、限られた人材資源を「選択と集中」により有効に活用する。なお、教育委員会、警察本部の特に配慮を要する教育、治安などの分野の現場機能に係るものについては、別途、適正な定員管理に取り組むものとする。
平成24年度以降は実質的な元利償還金の減少等により、改善傾向にある。平成29年度については、類似団体平均を上回ったものの、昨年度と比較して、実質公債費比率は0.4ポイント改善した。今後も県債発行の抑制に努めるとともに、公債費平準化等の取組みを通じて、実質公債費比率の上昇を抑える。
分子については平成22年度より減少傾向が続いていたが、平成27年度以降増加している。主なる要因としては、交付税算入率の大きい地方債残高が減少したことによる基準財政需要額算入見込額の減少や、充当可能基金額の減少による。分母については、減少傾向が続いており、平成29年度においても減少した。主なる要因としては、標準税収入額は増加したものの、それを上回って普通交付税額が減少したことによる。将来負担比率全体としては、県債発行の抑制に努めること等により、今後も改善を図っていく。
平成25年度は、行財政改革の推進により経常経費充当一般財源等が減少したが、平成26年度は、給与改定等による人件費増加のため悪化した。平成27年度は、地方交付税の減少等による経常一般財源等の減少に加え、退職者数の増加に伴う退職金の増加等により、前年度から1.0ポイント悪化した。平成28年度は職員数の減等に伴う給料の減少等により人件費総額は減少したが、地方譲与税の減少等により経常一般財源等が減少したため、前年度から悪化した。平成29年度は職員数の減等に伴う給料の減少等による人件費総額の減少に加え、法人事業税の増加等による経常一般財源等の増加により、前年度から改善している。また、本県は、グループ内他団体に比べ、比率が依然として高い数値となっている。これは、ラスパイレス指数が高いことが要因である。知事部局一般会計職員の定員管理について、これまでの取組みを後退させず、効率化に努めるなど、たゆむことなく行財政改革に取り組むことにより、比率の改善を目指す。
地方交付税等の経常一般財源等の増減により、若干の上下動はあるものの、平成26年度まではグループ内平均値と同様の傾向で推移している。平成27年度は、地方交付税の減少等により経常一般財源等が減少したものの、経常収支比率は前年度と同水準となった。平成28年度は、地方譲与税の減少等により経常一般財源等が減少したが、県立施設の移譲に伴う指定管理経費の減少等により、前年度から改善している。平成29年度は、法人事業税の増加等により経常一般財源等が増加したが、情報ネットワーク事業費の増加等により、経常収支比率は前年度と同水準となった。今後とも、継続して歳出の見直しに努め、一層の改善を図っていく。
平成25年度以降、グループ内平均値を下回り、比較的良好な水準で推移している。要因としては、生活保護費に係る保護率がグループ内他団体と比較して低いこと等により、経常経費充当一般財源等が少額であることが挙げられる。なお、平成29年度は、経常経費充当一般財源等が増加したが、法人事業税の増加等により経常収支比率は前年度と同水準となった。今後も社会保障関係経費の増加に伴う扶助費の増加が見込まれるが、引き続き効率的かつ適切な予算執行に努めていく。
例年、除雪に係る維持補修費がグループ内他団体と比較して多額であること等から、グループ内平均値を上回る傾向で推移している。平成29年度は、1月下旬から2月下旬までの集中的な降雪に伴って、道路除雪費が前年度から約21億円増加した。その結果、経常収支比率は0.7ポイント悪化し、直近5年の中では最も悪い比率となった。今後とも、所要経費は確保するとともに、計画的、効率的かつ効果的な予算の執行に努め、比率の改善を目指す。
平成25年度以降はグループ内平均値と同水準もしくはそれ以下で推移しているものの、年々増加傾向にある。平成29年度も、教育・保育給付費負担金や介護給付費などの社会保障関係経費の増加等により、前年度比で0.3ポイント増加した。今後も、社会保障関係経費の自然増などによる比率の増加が見込まれるが、補助費等に係る事務事業の見直し・改善や歳出の適正化等を推進し、比率の改善を図っていく。
平成29年度はグループ内平均値を上回ったものの、過去の高利率時の県債の償還が完了したこと等により経常経費充当一般財源等が減少したため、平成28年度と比較して0.4ポイント低下した。今後も持続可能な県政運営実現のため、「臨時財政対策債と補正予算債を除いた県債残高」の縮減に努め、公債費負担の軽減を図り、自由度の高い県政運営の実現を目指していく。
平成26年度以降、グループ内平均値と同水準で推移している。平成29年度は職員数の減等に伴い人件費が減少したものの、道路除雪費の増等に伴う維持補修費の増加、及び税等交付金の増加に伴う補助費等の増加により、公債費以外の経常経費充当一般財源等は前年度と同水準となった。また、法人事業税の増等に伴い地方税が増加したものの、基準財政収入額の増に伴う地方交付税の減少により、経常一般財源等も前年度と同水準となった。よって、経常収支比率は、前年度の比率から変更なく、グループ内平均値を0.8ポイント下回った。今後、一層の事務事業の見直し・改善や行政経費の節減・効率化など、徹底した歳出の見直し及び歳入の確保に努め、自由度の高い県政運営の実現を目指していく。
(増減理由)・「財政調整基金」に決算剰余金を平成28年度に23.7億円、平成29年度に18.9億円積み立てたほか、「国民健康保険財政安定化基金」に国からの補助金の交付を受けて、平成28年度に3.2億円、平成29年度に15.5億円の積立等を行った。一方で、財源不足に対応するため、平成28年度に「財政調整基金」から71.1億円、平成29年度に「財政調整基金」から20.2億円、「減債基金」から6.9億円取り崩したこと等により、基金全体としては、平成27年度末から平成29年度末において、33.3億円の減となった。(今後の方針)・平成30年度における「県有施設整備基金」への積立等により微増の予定だが、中長期的には減少傾向にある。
(増減理由)・景気の動向による法人関係税等の変動・地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税の減・社会保障関係経費等への対応のための歳出の増(今後の方針)・今後も多額の財源不足が見込まれており、何も対策を講じなければ、「財政調整基金」は枯渇する状況となっていることから、歳入・歳出の両面から、財源不足の解消に向けた対応策を講じることにより、「財政調整基金」取崩の抑制に努める。
(増減理由)・償還への財源に充当するため、平成29年度に6.9億円取り崩したことによる減(今後の方針)・「財政調整基金」と同様に、歳入・歳出の両面から、財源不足の解消に向けた対応策を講じることにより、「減債基金」取崩の抑制に努める。
(基金の使途)・地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保の推進・県有施設整備基金:県庁舎、総合支庁その他大規模な施設の建設及び改修の資金への充当・国民健康保険財政安定化基金:国民健康保険の財政の安定化(増減理由)・地域医療介護総合確保基金:平成28年度に国の補助金を24億円、一般財源を12億円積み立て、平成29年度に国の補助金を10.8億円、一般財源を5.4億円積み立てたことによる増・国民健康保険財政安定化基金:国の補助金を平成28年度に3.2億円、平成29年度に15.5億円積み立てたことによる増(今後の方針)・県有施設整備基金:県有施設の建設及び改修の資金として、平成30年度に18.5億円積み立てる予定・国民健康保険財政安定化基金:市町村に対する貸付等に活用するため、平成30年度に20億円程度を取り崩す予定としており、平成32年度に市町村からの納付金をもとに同額を積み立てる予定
本県の有形固定資産減価償却率は、都道府県平均より高く、老朽化の進行により今後も上昇する見込みであるが、「山形県県有財産総合管理(ファシリティマネジメント)基本方針」に基づき、県有施設の長寿命化と維持管理コストの低減、県有財産の有効活用、及び県有財産の総量縮小に取り組んでいる。引き続き、上記基本方針に基づく県有施設の適正な管理を推進していく。
将来負担比率と有形固定資産減価償却率がいずれもグループ内平均値より高い水準にあり、また、庁舎や学校等の一般財産のうち、一般的に大規模な改修工事が必要とされる建築後30年を経過した建物が平成28年度末時点で延床面積割合で全体の52%に達している状況である。引き続き、「山形県県有財産総合管理(ファシリティマネジメント)基本方針」に基づき、施設の売却や集約化・転用を含めた県有施設の老朽化対策を実施していくことで、今後見込まれる施設更新による将来負担比率の上昇の抑制を図っていく。
実質公債費比率は、低金利に伴う地方債の元利償還金の減少等により、着実に低下している一方、将来負担比率は平成24年度以降着実に低下していたが、平成28年度以降は充当可能財源が減少したこと等を受けて増加傾向にある。また、本県の将来負担比率はグループ内平均値と比較して高い水準にあるが、主な要因としては、地方公社・第三セクター等の負債等に係る一般会計等の負担見込額のうち、(公財)山形県林業公社の負担額が大きいまま推移していることが挙げられる(H28:9,018百万円→H29:8,722百万円)。各指標の改善に向けて、今後も経営改善のための見直しや公債費の適正化に取り組んでいく。