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愛媛県西予市:市立野村病院の経営状況(2016年度)

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経営比較分析表(2016年度)

地域において担っている役割

当市は、海岸部から四国カルストの高地までの広大な面積を有し、市内全域に集落が点在していることから、西予市民病院・野村病院の2病院を運営することにより、24時間365日の二次救急医療(輪番制)を行っている。市内に他の二次救急病院が存在しないため、救急医療において、当院及び西予市民病院の担う役割は大きい。また、県のへき地医療拠点病院の指定を受け、近隣市町の診療所に医師の派遣を行うほか、大規模災害時には医療拠点としての役割も期待される。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者1人1日当たり収益

外来患者1人1日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

【①経常収支比率・②医業収支比率】経常収支比率は0.5%、医業収支比率は7.9%、それぞれ平均値を上回っているが、大規模改修(26年度)による減価償却費の影響も小さくないことから、圏域内人口の減少の中、更なる収益確保対策が必要である。【③累積欠損金比率】該当数値なし【④病床利用率】28年7月に地域包括ケア病床導入による病床再編を行っており、平均値を6.3%上回っている。今後も利用率向上に努める。【⑤入院収益単価・⑥外来収益単価】両数値ともに平均値より低い水準で推移しているものの、経年比較では上昇傾向にある。診療加算の取得等により、引き続き上昇に努める。【⑦職員給与費対医業収益比率】27年度は平均水準であったが、28年度は対前年度4.1%の減少となり、平均値を下回った。職員給与費の減少と地域包括ケア病床導入による入院収益の増加が主な要因である。【⑧材料費対医業収益比率】平均値より低い同水準で推移している。材料費はほぼ同額であるが、28年度は対前年度0.6%の減少となった。地域包括ケア病床導入による入院収益の増加が主な要因である。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

【①有形固定資産減価償却率】平均値を若干超える水準で推移している。数値が高く、施設の老朽化傾向を示しているため、適切な更新計画が必要となる。【②器械備品減価償却率】平均値に近い水準で推移しているものの、器械備品についても数値が高く、老朽化傾向を示しているため、適切な更新計画により数値の上昇を抑制していく必要がある。なお、28年度には、磁気共鳴画像診断装置(MRI)を更新した。【③1床当たり有形固定資産】平均値よりも低い水準にあるが、現状でも減価償却費が医業収支比率・経常収支比率に及ぼす影響は小さくないことから、老朽化対策を含めて慎重な投資計画が必要となる。

全体総括

28年度は、地域包括ケア病床の導入により、医業収支比率・経常収支比率ともに改善が見られた。しかしながら、圏域内人口の減少に伴い、経年で見ると患者数は減少傾向にあり、一般会計からの繰り入れ後の経常収支比率は100%未満、単年度赤字を計上している状況である。当院においても看護師等の医療スタッフの不足は慢性化しており、更なる収益確保のためにも、医療提供体制に応じた医療スタッフの確保が喫緊の課題である。その方策として、28年度より奨学資金制度を創設したところである。へき地医療、救急医療、災害医療等の地域における役割を継続的に担うためにも、医療スタッフの確保等を通じた収益の増加を図るとともに、新病院改革プランに基づき、西予市民病院・野村病院の機能分担を着実に進めていく必要がある。

出典: 経営比較分析表,

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