滋賀県近江八幡市の財政状況(2010年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2010年度)
財政力
類似団体の中では平均以上の位置にありますが、県内市で比較すると過去5年連続13市中10番目に低い位置にあります。景気の後退から個人・法人市民税等が減収し、市税は対前年度比3.5%の2年連続の減少に転じました。こうしたことから、市税の徴収率の向上など歳入財源の確保に努めるとともに、客観的な視点による業務の必要性や費用対効果の検証にも取り組むなかで歳出の削減に努め、「歳入に見合った歳出」の考え方のもと、効率的な健全財政運営を進めていくことが重要になります。
財政構造の弾力性
類似団体の中ではトップ10以内の位置にあります。県内市で比較しても13市中2番目に比率がよく、現在は財政構造に弾力性があります。しかし、毎年増加傾向にある障害福祉サービス費や生活保護費などの扶助費は今後も更に増加することが予想されます。また、市民生活に必要な廃棄物処理施設等の公共施設の整備による財政出動が平成24年度から平成27年度に集中することで、公債費や施設の維持管理費などの経常経費の増加が危惧されます。このことから、財政の硬直化を招かないように市税等の一般財源の確保および経常的な経費の削減を計画的に進めていかなければなりません。
人件費・物件費等の状況
類似団体の中では平均以上の位置にあります。人件費については、平成17年度から6年連続で減少し、平成16年度と比較すると約11億円減少しています。物件費においては、前年度は合併と言う特殊要因(合併に伴うシステム改修による新市電算システム構築や公共交通手段の空白地などの交通利便性を図る市民バス実証実験の拡大)により増加しましたが、事業精査などにより合併以前の5ヵ年平均より約3千万円減少しました。結果として人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は前年度よりも3,984円減少しましたが、今後も人件費の抑制をはじめ、業務の見直しを継続的に行います。ただし、必要な施策については、限られた財源の効果的かつ重点的な配分を行って確実に実施するなど、とりわけ、合併によるスケールメリットを十分に活かした効率的な行財政運営に取り組んでいきます。
給与水準(国との比較)
総人件費は6年連続で減少しましたが、職員の平均年齢が年々上がっていることで平均給与月額が増加し、類似団体および全国市平均と比較するとまだ上回っています。給与制度については、これまでから人事院勧告に準じた改正及び地域の民間給与等の状況を勘案し適切に対処することを前提に実施しています。給与制度を抜本的に見直す給与構造改革が実施され、当改革の趣旨を踏まえ、職務と職責がより明確化された新しい人事評価制度を試行し、給与水準の適正化に取り組んでいきます。さらに、課題となっております技能労務職の給与体系、特殊勤務手当の見直し等についても実施していきます。
定員管理の状況
定員適正化計画の期間において、合併前の旧市町ともに定員削減に取り組んできたことから、前年度の6.83人から本年度は6.79人に減少し、平成16年度から7年連続で減少傾向にあります。また、類似団体と比較しても良好な数値となっており、今後も退職者の補充に係る新規採用職員の抑制を図り、平成22年度に策定した新しい定員適正化計画に基づき、進捗管理を実施していきます。
公債費負担の状況
類似団体と比較しても良好な数値となっております。これまで財政の健全化に資するため地方債の発行をできるだけ抑止し、発行するに際しても交付税措置のある地方債の発行に努めてきたこともあり、平成19年度以降一般会計等における公債費は年々減少し、平成22年度末の地方債現在高は県内市13市中1番低い状況にあります。準元利償還金については、平成20年度は病院PFI事業の解約に伴う和解金の財源として急遽繰出金措置を行った特殊事情から病院事業会計は急増しましたが、平成21年度以降は経営改善による収益向上や公営企業債現在高の減少、新規の公営企業債の発行を抑制して減少しています。一方、公共下水道事業は、繰出金の多くが公債費償還財源に充当され、算入額は増加傾向にあります。公債費や公債費に準ずる経費は、削減したり、先送りしたりすることができないため、公営企業等と連携して市全体で公債費の負担の適正化に努めます。
将来負担の状況
類似団体の中ではトップ10以内の位置にあります。県内市で比較しても13市中2番目に比率がよく、現在は将来負担が低い状況となっております。新規地方債発行の抑制、地方債現在高の減少等で、前年度28.5%から本年度は3.1%に良化し、来年度は0%以下になる見込みです。しかし、平成24年度以降は廃棄物処理施設整備等の公共施設の整備による財政出動があり、将来負担額の増加傾向が予想されます。一方、将来負担すべき額に対する財源は、平成20年度下半期以降の長引く景気低迷による税減収に加え平成27年度以降は滋賀県でも少子化社会による人口減少などから、長期的な視点から見ても増加することは困難な状況にあり、より一層の行財政改革に努める必要があります。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2010年度)
人件費
平成17年度から6年連続で減少し、平成16年度と比較すると経常一般財源充当額は約11億円減少しています。類似団体の中では平均より良好な状況にあります。行政改革実施計画における定員適正化計画の数値目標及び進捗管理の期間(平成17年4月1日~平成22年4月1日)において、合併前の旧市町ともに退職者一部不補充等を進め定員削減に取り組んできたことから、普通会計職員数(決算状況掲載職員数)は平成23年4月1日時点で平成17年4月1日と比較すると127名削減(-18.8%)しました。今後も退職者の補充に係る新規採用職員の抑制を図り定員削減を進めるとともに、給与制度を抜本的に見直す給与構造改革の趣旨を踏まえ、職務と職責がより明確にされた新しい人事評価制度を試行し、給与水準の適正化に取り組み、人件費の削減に努めます。
物件費
全体では平成19年度から4年連続で減少し、平成18年度と比較すると経常一般財源充当額は約2億2千万円減少しています。類似団体の中では平均より良好な状況にあります。内訳を見ると情報システム等の保守委託などがある総務費と感染予防対策、老朽化したごみ処理施設の維持管理経費などがある衛生費で全体の60%を占めます。物件費においては、業務の見直しや合併によるスケールメリットにより維持管理経費の削減等に努めます。
扶助費
年々増加傾向にあり平成17年度と比較すると経常一般財源充当額は約3億9千万円増加(33%)しています。内訳を見ると障害者自立支援関係等の社会福祉サービスや民間保育所保育委託等の児童福祉サービスの全体に占める割合が伸び、類似団体と比較しても5年連続平均を上回っています。社会保障経費は他の経常経費が減少している中で増加傾向にあるため、経常収支比率におけるその他の費目のバランスを考慮し、単独事業の見直しを含め過大な負担にならないように各施策に取り組みます。
その他
維持補修費においては、若干減少はあるものの数年間ほぼ横ばいの状況にあり、今後も引き続き経費節減に努めます。繰出金においては、公共下水道事業特別会計が前年度から約5千万円増加しています。少子高齢社会により、今後も医療会計をもつ特別会計への繰出金の増加は懸念されますが、国民健康保険事業などは国民健康保険料の適正化を図っていく必要があります。公共下水道事業においても更なる経費の節約と受益者負担にあたる使用料単価を段階的に改定し、一般会計からの負担額の減少に努めます。
補助費等
平成18年度から新病院開院に伴い病院事業会計繰出金の増額(平成17年度対比:約9億8千万円)により経常収支比率は5年連続で12%以上となっています。しかし、前年度より病院事業会計繰出金うち4億~5億円を出資金として計上していることや、一部事務組合への負担金が減少したことで、補助費等の経常一般財源充当割合は前年度より減少しています。今後も行政改革実施計画に則り、単独で行う補助金など精査を図り、歳出の削減に努めます。
公債費
毎年、元金償還額以内の新規発行額に抑制したことや平成19年度から3年間において補償金免除繰上償還制度を活用してきたことで、経常収支比率は平成19年度から4年連続で減少しています。類似団体の中でも平均より良好な状況にあります。しかしながら、平成24年度から平成27年度に廃棄物処理施設等の公共施設の整備が集中することで、公債費の経常収支比率が数年後に上昇することが予想され、公債費の推移に留意しながら事業を進めてまいります。
公債費以外
平成19年度から4年連続で減少し、類似団体の中では平均より良好な状況にあります。扶助費を除くすべての経常経費が減少していることで毎年減少を続けています。今後も市民生活に必要不可欠なサービスは充実しつつも、経常経費増大による財政運営の硬直化を招かぬよう、中長期的な財政計画と連動して計画的な財政運営に努めます。
実質収支比率等に係る経年分析(2010年度)
分析欄
一般会計等の収支額は過去最高の黒字額となっており、健全な状況といえます。(主な増減要因)一般会計における歳入で市税や特別交付税等が予算額よりも予想以上に収入されたことなどが大きな要因であり、また、歳出面でも効率的で節減可能な方法で予算執行に取り組んだことが要因です。(今後の見通し・課題・改善方策)一年間を会計年度としている地方公共団体における歳出は、歳入の範囲内で行うことが原則ですが、歳出に見合って歳入を予測すると、無理に歳入を伸ばしがちですが、本市は、歳入に見合った歳出を原則として当初予算編成し、年度途中でも新たな歳入確保や経費の節減に努めており、今後も継続していきます。また、基金繰入金は最終の調整財源となることが多いため、今後の基金残高予測をたてることも重要と考えています。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2010年度)
分析欄
全て会計が、赤字となっていないため、収支を足し合わせた合計も黒字となっているため、健全な状況といえます。(主な増減要因)実質赤字比率で説明したとおり、一般会計等の収支が主な要因となります。また、病院事業において、平成20年度は資金不足額が発生しましたが、平成21年度以降は発生しておらず、平成22年度は経営改善により資金剰余額が前年度比+6.3億円増加しました。(今後の見通し・課題・改善方策)各会計において経営工夫と料金収入で独立採算制とすることを原則としています。課題であった病院事業は、一般会計繰入金の増加と自己の経営努力により、少しずつ経営を持ち直し、平成22年度末未処理欠損金が前年度比-2.7億円減少としていますが、依然として36.6億円残高としてあるため、今後も病院事業に経営工夫を促しながらも支援を続ける必要があります。
実質公債費比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
公債費負担額が約1.3億円減少し、交付税により措置される額は約1.4億円増加したため、比率は単年度で8.6%(前年度比-2.2%、平成19年度比-3.6%)、三ヵ年平均で10.7%(前年度比-1.2%)と良化しましたので、健全な状況といえます。(主な増減要因)これまでの地方債発行の抑制や補償金免除繰上償還による低利への借換による効果により、一般会計等における公債費充当一般財源等額は年々減少傾向(前年度比-1.2億円、平成19年度比-4.2億円)にあります。また、発行の際にも交付税措置のある地方債を優先しているため、基準財政需要額算入額が増加(前年度比+1.4億円)しました。下水道事業は投資事業の新規発行債を抑制しているものの、過去の投資事業の元金償還開始や近年資本費平準化債を発行しているため、元利償還金は増加していますが、病院事業の新規発行債抑制や経営改善による基準外繰入の減少の効果が大きいため、公営企業債元利償還金に対する繰入額は減少しました。(前年度比-7.8百万円、平成19年度比-1.3億円)(今後の見通し・課題・改善方策)平成24~27年度にかけて耐震に係る学校教育施設整備や新一般廃棄物処理施設整備、JR安土駅、篠原駅の周辺整備などの大型事業が控えているため地方債の発行額が膨らむ見込みですが、近年低金利である状況や据置期間から極端に増加することは見込んでいません。一方、下水道会計の地方債残高は250億円であり、全会計で最も多額であるため、下水道区域の見直しによる浄化槽への移行等の運営方針を変更し、残高削減に取り組んでいます。
将来負担比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
将来負担額が約13.6億円減少し、さらに将来の充当可能財源が22.6億円増加したため、比率は3.1%(前年度比-25.4%)と大きく良化しました。現段階としては非常に健全な状況といえます。(主な増減要因)一般会計等の地方債残高は、新規発行額が学校教育施設整備事業債や臨時財政対策債の増加により返済額を上回ることから、前年度比約9.6億円増加しましたが、一方、病院事業の地方債残高の減少に加え、経営改善による繰入充当率が減少したこと等から、公営企業債繰入見込額が前年度比約18.8億円減少しました。将来負担すべき額に対する財源では、財政調整基金等の積立で充当可能基金が前年度比約12.5億円増加、都市計画税収の充当率が上昇したため充当可能特定歳入が前年度比約5億円増加しました。(今後の見通し・課題・改善方策)平成24~27年度にかけて耐震に係る学校教育施設整備や新一般廃棄物処理施設整備、JR安土駅、篠原駅の周辺整備などの大型事業が控えていることから、地方債発行や基金の取崩しに依存せざるを得ないため、将来負担比率は増加を見込んでいます。また、平成20年度下半期以降の長引く景気低迷による税減収に加えて、平成27年度以降は滋賀県でも少子化社会による人口減少などから、大型事業整備後の長期的な視点から見ても厳しい状況と考えます。行政改革の実施などにより、新たな歳入の確保や合理的な経費節減に取組み、経営感覚をさらに磨く必要があります。
よくある質問
このページで何が分かりますか?
滋賀県近江八幡市の2010年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
関連する地方公営企業も見られますか?
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