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地方財政ダッシュボード

滋賀県の財政状況(2016年度)

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

平成28年度の財政力指数は、前年度と比べて0.1ポイント増加した。これは、公債費の増等により基準財政需要額が増加した一方で、法人事業税の増等により基準財政収入額も増加し、基準財政収入額の増加率が基準財政需要額の増加率を上回ったことによるものである。直近5年度では、景気低迷に伴う税収減等により平成24年度の指数が最も低くなっているが、その後は税収の回復基調や消費税率の引上げによる収入額の増と、公債費の増や臨時財政対策債振替額の減少による需要額の増が同時に進行し、指数は改善傾向にある。今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

経常収支比率の分析欄

平成28年度の経常収支比率は、前年度に比べて0.9ポイント増加している。これは、社会保障関係経費の増により補助費の経常経費が増加したことなどによるものである。平成25年度以降、地方譲与税の増収や地方消費税率の引上げ等計上一般財源の増加要因がある一方で、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加等が経常経費充当一般財源を押し上げ、比率は増加傾向にある。今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

平成28年度の人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度と比べて10円増加したが、ほぼ前年度同程度となっている。平成26年度以降は給与カットの終了に伴い、増加に転じている。グループ内の他団体は本県に比べ人口規模がはるかに大きいため、本県の数値は相対的に大きくなっている。今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

本県のラスパイレス指数は、職員構成の変動等により、指数が0.4ポイント低下した。高年齢層職員の平均給料が国より高く、職員数割合が国より少ないという構造上の影響等もあり、本県のラスパイレス指数は100を超えているが、国と同様、平成26年度からは高年齢層職員の昇給・昇格制度の見直しを行うことなどにより、給与水準の適正化に取り組んでいる。引き続き、人事委員会勧告を基本としつつ、国家公務員の給与水準も踏まえて、必要な見直しを行い、適正な給与管理に努める。

人口10万人当たり職員数の分析欄

同グループの他団体と比較して本県の人口規模が小さく、また、平成28年度時点では全国でも数少ない人口増加県であったため、教育職員の減少幅が小さいことから、相対的に数値が大きくなっている。平成11年以降、数次にわたる定数削減を通じ、知事部局等の定数を1,000人以上削減した結果、一般行政部門においては、全国で5番目に少ない職員数となっているところ。引き続き、「滋賀県行政経営方針(平成27年3月策定)」に基づき、適正な定員管理に取り組む。

実質公債費比率の分析欄

平成28年度の実質公債費比率は、前年度に比べて0.9ポイント減少し、平成24年度から5年連続で改善した。これは、臨時財政対策債以外の県債について、これまでの財政改革プログラムで発行を抑制してきたことや、近年の低金利下において県債を発行してきたことなどより、臨時財政対策債以外の公債費が減少したことが大きな要因と分析している。今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

将来負担比率の分析欄

平成28年度の将来負担比率は、前年度に比べ4.9ポイント増加した。これは、将来負担額から控除する「充当可能財源等」が141億円減少したことが大きな要因と分析しており、この充当可能財源等の減少要因としては、財政調整基金や県債管理基金の取崩しなどにより充当可能基金の残高が81億円減少したことや、今後の県債償還に対する普通交付税算入見込額55億円減少したことによるものである。今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

平成28年度は、人件費に大きな増減はないものの、前年度と比較して比率が0.3ポイント上昇した。直近5年度の前半は、平成23年3月の「滋賀県行財政改革方針」に基づく給与カットや、国の要請に基づく給与カットを実施し、人件費の削減に取り組んだ。平成26年度は、カットの終了等により人件費は大幅に増加し、平成27年度は、給与改定等により増加、平成28年度は、給与改定に伴う増があったものの総合的見直しによる経過措置の終了等に伴う減があり、前年度とほぼ同額で推移している。引き続き、行政経営方針(平成27年3月)に基づき、適正な定員・給与管理を通じ、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

平成28年度は、前年度と比べて、比率が0.1ポイント増加しているが、直近5年度の動向を見ると全体としてはおおむね横ばいで推移している。本県は、他の団体と比較して施設等の維持管理経費の割合が大きいことなどから、グループ内では相対的に比率が高くなっている。今後、大規模事業や既存事業の見直しを進め、歳出の抑制を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

扶助費の分析欄

平成28年度は、前年度と比べて、比率が0.1ポイント増加したが、直近5年度の動向を見ると全体としてはおおむね横ばいで推移しており、引き続き適正な管理に努め、歳出の上昇の抑制を図る。

その他の分析欄

平成28年度は、除雪関係の維持補修費が増加したことから、前年度と比べて、比率が0.1ポイント増加した。直近5年度では、平成25年度に市町の施設整備等に対する貸付金が大きく伸びたが、その他の年度はおおむね同水準となっている。今後、大規模事業や既存事業の見直しを進め、歳出の抑制を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

補助費等の分析欄

平成28年度は、社会保障関係経費や高校授業料無償化に係る経常経費が増えたことから平成28年度は、前年度と比べて、比率が0.6ポイント増加した。本県は、これまでの財政構造改革の取組を通じて、各種補助金の見直し、削減を進めてきたことなどから、グループ内では最も低い数値となっている。今後、大規模事業や既存事業の見直しを進め、歳出の抑制を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

公債費の分析欄

低金利下で借換えが進み、利子が減少したことなどにより、公債費が減少しており、経常収支比率に占める公債費の比率は、前年度と比べて、比率が0.3ポイント減少している。引き続き行政経営方針(平成27年3月)に基づき、平成30年度末の臨時財政対策債を除く県債残高が6,200億円程度まで縮減できるよう取り組む。

公債費以外の分析欄

平成28年度は、社会保障関係経費の増等による補助費の増などにより、前年度と比べて、比率が1.2ポイント増加した。本県では、これまでの行財政改革の取組を通じて各種補助金の見直し・削減等の取組を進めており、グループ内でも低位な数値となっている。今後、大規模事業や既存事業の見直しを進め、歳出の抑制を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民1人当たり354,800円で、前年度と比べ1,115円増加した。これは、「未来への投資を実現する経済対策(平成28.8.2閣議決定)」に呼応したインフラ整備や防災対策事業の実施により土木費が6,479円増えたこと、また、社会保障関係経費の増により民生費が2,017円増えた一方で、警察署移転新築事業の完了により警察費が1,931円減少したことなどによるものである。本県では、教育費および公債費でグループ内平均との乖離が大きい。公債費は、グループ内の他団体では本県に比べて人口規模がはるかに大きいため相対的に数値が大きくなるが、人口規模が同等の団体との比較ではむしろ小さな数値となっている。また、本県は、就学年齢層を含む5~19歳の人口比率が全国的に見ても特に高く、教育費が相対的に大きくなっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出総額は、住民一人当たり354,800円で、昨年度から1,115円増加した。これは、「未来への投資を実現する経済対策(平成28.8.2閣議決定)」に呼応したインフラ整備や防災対策事業を重点的に実施したことから普通建設事業費が4,020円増加した一方で、低金利下での借換えにより利子が減少したことなどにより公債費が1,139円減少したこと、中小企業振興のための貸付金の減少したことにより貸付金が1,239円減少したこと、平成25年度の台風被害対応の終了により災害復旧費が793円減少したことなどによるものである。本県では、人件費および公債費でグループ内平均との乖離が大きい。これは、グループ内の他団体では本県に比べて人口規模がはるかに大きく、本県の人口あたりの職員数や公債費が相対的に大きくなるためであり、人口規模が同等の団体との比較ではむしろ小さな数値となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

実質収支は、黒字を確保したが、年間の税収等の増加や行財政改革方針に基づく歳入歳出両面における取組の成果を反映してなお、財政調整基金を34億円(標準財政規模に占める割合では1%)取り崩さざるを得ない状況となり、実質単年度収支は赤字となった。今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

いずれの会計も黒字を維持した。これまで、滋賀県行財政改革方針に基づく実施計画である「財政改革推進計画」や「財政健全化に向けた取組について」に基づき、収支の改善に向け、着実に歳出の抑制に努めたことにより、実質収支を黒字に保つことができている。今後、新生美術館の整備や国体関連の施設整備など、大型の公共事業が予定されていることから、今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

「元利償還金等」は、前年度と比べ、13億円減少した。これは、臨時財政対策債以外の県債の発行を抑制してきたことや、近年の低金利下において県債を発行してきたことなどにより、元利償還金が19億円減少したことによる。一方、「算入公債費等」は、臨時財政対策債の償還の増により8億円増加した。これまでの財政健全化に対する取組の成果が指標上も徐々に現れてきているところであるが、全国的には依然高い水準であり、今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

「将来負担額」は、前年度と比べ24億円減少した。これは、臨時財政対策債の発行により地方債残高が22億円増加したものの、退職手当負担見込額が42億円減少したことなどによるものである。「将来負担額」から控除する「充当可能財源等」は、前年度と比べ141億円減少した。この要因としては、財政調整基金や県債管理基金の取崩しなどにより充当可能基金の残高が81億円減少したことや、今後の県債償還に対する普通交付税算入見込額が55億円減少したことによるものである。これらの結果、「将来負担比率の分子」は、前年度と比べ、117億円増加した。将来負担比率は、すぐに改善できるものではないが、今後、歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、前年度と比較して、1.3ポイント増加した。本県における県有施設は、その半分程度が昭和43年から昭和60年頃にかけて整備されており、それらの施設を中心に老朽化が進んでいる。本県では、平成27年度に策定した「滋賀県公共施設等マネジメント基本方針」に基づいて、施設総量の適正化や施設の長寿命化、計画的な更新・改修に取り組んでいる。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、一方で有形固定資産減価償却率は低くなっている。将来負担比率の算定には様々な要素が影響しているが、「滋賀県公共施設等マネジメント基本方針」に基づいて、今後も施設総量の適正化や施設の長寿命化、計画的な更新・改修に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体の平均的な水準であり、近年減少しているが、平成28年度の将来負担比率はやや増加した。将来負担比率が増加した主な要因のなかに充当可能財源等の減少があるが、このうち今後の県債償還に対する普通交付税算入見込額は国の事業費補正の縮減の影響などで今後も減少していくことが見込まれる。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

空港

学校施設

図書館

博物館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、橋りょう・トンネルおよび図書館については類似団体平均を上回っている。橋りょうについては、長寿命化修繕計画に基づき、計画的に予防保全を実施するとともに、継続的に点検、診断を行い、適切に維持管理していく。トンネルについては、定期点検により施設の状況を把握し、必要に応じて修繕を行い、今後とも継続的に適切な維持管理を行う。図書館については、平成27年度に策定した「滋賀県県有施設更新・改修方針」に基づき、改修を実施しているところである。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

体育館・プール

陸上競技場・野球場

県民会館

保健所

試験研究機関

警察施設

庁舎

消防施設

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、体育館・プールおよび陸上競技場・野球場・球技場については類似団体平均を上回っている。本県では、平成36年度の国体開催に向けて、今後、スポーツ関連施設の更新および改修が予定されることから、体育館・プールおよび陸上競技場・野球場・球技場にかかる有形固定資産減価償却率は減少することが見込まれる。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等については、開始貸借対照表に比して資産は1.59%減、負債は0.41%の減となっている。資産および負債の増減については、純資産の増減への寄与として3に詳述している。本県では、モーターボート競走事業特別会計および下水道事業特別会計について、平成28年度時点では公営企業法の一部適用に向けた準備中であり、モーターボート競争事業特別会計は平成29年度、下水道事業特別会計は平成31年度より、それぞれ全体財務書類と連結財務書類の対象となる予定である。また、全体財務書類および連結財務書類についての開始貸借対照表は作成していない。「3.純資産変動の状況」で後述するとおり、工作物の減価償却累計額の増の影響が大きいことは、長期的な傾向となる見込みである。■

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等のみ、経常行政コストを純行政コストが上回っている状態である。・一般会計等では、費用および損失のうち、最も多いのは移転費用のうちの補助金等であり、次いで職員給与費、減価償却費となっている。費用と損失の合計額に対してそれぞれ、35.4%、33.3%、7.8%となっている。なお、補助金等の金額には、所有外資産への投資分を含む。・4でも記載するとおり、一般会計等の資金収支計算書でみると業務活動収支と投資活動収支はいずれもプラスとなっている一方、純資産変動計算書の本年度差額はマイナスとなっている。フローベースでみるとプラスとなるが、発生主義ベースでみるとマイナスとなる要因として、現金の支出を伴わない勘定科目があることがあげられる。現金の支出を伴わない科目である減価償却費と各引当金繰入額の合計は57,475百万円で、費用と損失の合計額に対して13.7%となっている。支出を伴うコストと比較すると、物件費・維持補修費・社会保障給付の3科目の合計(51,940百万円)をさらに上回る額となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等については、純資産は年度当初(開始貸借対照表)に比して15,921百万円、32.6%の減となっている。この純資産の減に対する資産および負債の増加寄与度をみると、資産は△43.21ポイントであるのに対し、負債は+10.65ポイントで、負債が減少しているものの、それを上回って資産が減少していることが純資産の減少につながっている。・この資産の△43.21ポイントのうち、固定資産は△32.20ポイント、流動資産は△11.01ポイントとなっている。固定資産・流動資産を通じて寄与度が大きいのはインフラ資産のうちの工作物減価償却累計額の増で、工作物がプラスに寄与した勘定科目の中でもっとも大きい29.53ポイントの増であるのに対し、それを上回る△48.06ポイントとなっている。これにより、インフラ資産の合計も△21.25ポイントとなっている。工作物減価償却累計額は、定額法を採用しており、今後も同規模で増加していくことが見込まれるため、引き続き、一般会計等の純資産は大きな影響を受け続ける見込みとなっている。次いで影響が大きいのは基金であり、固定資産で△4.29ポイント、流動資産で△13.10ポイントとなっている。・負債の寄与度10.65ポイントのうち大きいのは、退職手当引当金の減で、8.58ポイント、次いで、長期未払金の4.92ポイントとなっている。・純資産の減少額15,921百万円のうち、本年度差額が△17,095百万円となっており、財源が純行政コストを下回っている状況となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等では、業務活動収支と投資活動収支でキャッシュをプラスにし、その範囲内で財務活動収支のマイナスに充てる、すなわち負債の返済に充てている状況であり、財政状況の改善を行っている場合に多い形となっている。ただし、投資活動収支の内訳をみると、基金の積立を取崩しが上回っている状況であり、基金に関する収支以外の合計はマイナスとなる。なお、基金に関する収支と支払利息支出を除いた業務活動収支と投資活動収支の合計である基礎的財政収支はプラスである。・業務活動収支の内訳をみると、業務収入が業務支出と災害復旧費を含む臨時支出を上回っており、経常的な業務にかかる支出だけでなく、臨時的に生じた支出も含めて、(資本の対義語としての)経常的な収入で賄うことができている。・一方、業務活動収支と投資活動収支はいずれも上述のとおりプラスであるが、純資産変動計算書の本年度差額がマイナスとなっていることから、支出を伴わないコストである減価償却費や引当金繰入額が、コストベースの状況に影響を与えていることがわかる。・全体および連結の状況をみると、いずれも投資活動収支の額は相対的に少なく、業務活動収支でキャッシュをプラスにし、投資活動に充てている状況となっている。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体(B2)のうち勘定科目別の金額が入手できた団体について、入手可能な直近の名目域内総生産(平成27年度県民経済計算・2008SNA平成23年基準による平成27年度県内総生産)により、各科目の金額を除した数値を作成した。これによると、滋賀県は資産合計は中央値に対し83%と低く、要因としては、構成比の高いインフラ資産のうちの工作物が88%(平均に対しては76%)と、低いことなどがあげられる。インフラ資産の工作物は団体を通じて構成比が高いが上記の値で最も大きい団体は最も小さい団体の5.4倍あるなど、団体間の差が大きく有形固定資産全体の差の要因となっている。なお、平成18年度から27年度の域内総生産に占める一般政府の総固定資本形成の割合の年度間を通じた平均値と有形固定資産の規模との相関は見られず、マクロ経済統計との整合は確認できていない。差が生じる原因が、資産の評価方法や所有外資産の計上範囲といった、本来は生じるべきではない差異によるものではないことが確認できていないため、資産の状況を他府県比較を通じて評価することは困難である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

資産の状況と同様、負債および純資産についても、経済規模の影響を除いた数値を1と同じ方法で作成した。これによると、負債の規模及び純資産のうち余剰分(不足分)について、本県の数値は中央値よりわずかに低い。純資産のうち不足額については、経済規模の影響を除いた数値の絶対値を比較すると、最大の値は最少の約1.7倍程度となっている。純資産では100倍以上の差が生じていることと比べると、差は小さく、ここから、純資産の大きさの差は固定資産形成分の差により生じていることが推測できる。これらを考え合わせると、本県の純資産率の相対的な低さは、固定資産の規模が府県によ大きく差が出ているなかで、相対的に固定資産が小さいために起こっていると考えられる。そのため、本県固有の事情により純資産比率が低いのかどうかについては、現時点では判断できない。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・純行政コストは、住民基本台帳人口で除した平均値よりは僅かに大きい。一方、1と同様に域内総生産で除した場合は、平均および中央値を下回っており、平均に対して81%、中央値に対しては92%となっている。5で記述するとおり、経常費用等も類似団体の中央値を下回る状況であり、全体的には経済規模に対して行政コスト計算書自体の規模がやや小さい状況となっている。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

2で作成した、経済規模の影響を除いた負債の数値を比較すると、負債の合計・固定負債の計・流動負債の計はいずれも中央値を下回っている。項目別にみても、負債(金額の大きな項目)については団体間を通じて、資産に比べて計上の規模に大きな差は生じていない状況であり、本県にあっても、他団体と比較して特筆すべき項目はない。ただし、未払費用や前受金などでは、金額は小さいものの、何らかの数値が計上されている団体と計上されていない団体があることから、これらの項目についても計上範囲が統一されているのかどうかの検証が必要であると考えている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

3で作成した経済規模の影響を除いた行政コスト計算書の比較によると、本県の場合、経常収益経常費用とも、比較した団体の中央値を下回り、経常収益は中央値の87.6%、経常費用は92.6%となっている。経常収益が相対的に低いことが、受益者負担比率の相対的な低さにつながっていると思われるが、そのうち使用料および手数料については中央値の98.0%とほぼ中央値で、その他が89%となっている。経常収益のうち「の「その他」が相対的に低いことが、受益者負担比率が相対的に低い要因となっているが、具体的にどのような項目により生じた差であるのかについては勘定科目の内訳が公表されないため不明である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,