北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

静岡県の水道事業静岡県の下水道事業静岡県の排水処理事業静岡県の交通事業静岡県の電気事業静岡県の病院事業静岡県の観光施設事業静岡県の駐車場整備事業静岡県の工業用水道事業
地方財政ダッシュボード

静岡県御前崎市の財政状況(2020年度)

🏠御前崎市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水 市立御前崎総合病院


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

大型事業所(発電所)の立地により多額の税収が見込めることから、類似団体を上回る財政力指数となっている。当市は、市税の約6割以上を固定資産税が占めており、その中でも償却資産からの税収が大きいものとなっている。しかし、償却資産の減価償却による減収が大きく、市税の減収傾向は続いており、さらに新型コロナウイルス感染症の影響により、法人住民税が減少し、令和2年度決算は、前年度から市税は2億6,644万円の減収となった。新型コロナウイルス感染症の影響からの回復は見通しが立たず、今後も厳しい財政が続くと予想される。人口対策や産業誘致などの政策の実施だけでなく、既存事業の見直しを含め、引き続き、財政基盤の強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、前年度から1.7ポイント下降し、類似団体平均値と比較しても低い水準である。下降した要因は、普通交付税が交付団体となり、前年度に比べ5,131万円増加、臨時財政対策債が2億5,007万円増加したことで経常収支比率の分母となる一般財源が増えたことによる。低い水準にあるのは、過去からの起債抑制策により、公債費の経常収支比率が2.8%と低いからである。しかしながら、令和2年度には、約30億円の市債を発行しており、今後は、公債費が増加することに加え、市税の減収は続いていくため、経常収支比率は上昇することが予想される。使用料の見直しなどの歳入確保や既存事業の見直しによる歳出の削減に努めていく必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

当該決算額は、前年度から5,744円減少し、類似団平均値を下回った。減少した主な要因は新型コロナウイルス感染症の影響により、産業まつりなどのイベント事業が中止となったことで、物件費が減少したことが要因となっている。新型コロナウイルス感染症が終息に向かえば、物件費は従来に戻っていくと予想される。引き続き、保育園等の民営化等を進めることによる人件費の抑制、業務の効率化や指定管理を行っている事業の見直し等を行うことにより物件費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

本年度のラスパイレス指数は97.4であり、前年度と比較して0.2ポイント下降し、類似団体平均と同じ数値となった。下降の主な要因は、各学歴において経験年数階層内の職員の分布が変動したことによるものである。今後も、人事院勧告に沿った給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体と比較し高い水準にある中、前年度より0.21人増加した。増加の主な要因は、職員数の増減はないが、人口が前年度と比較し減少したためである。高い水準にあるのは、令和2年度より公立保育園が1園民営化されたが、市内の幼稚園、こども園のほとんどが直営となっており、類似団体よりも人口1,000人当たり職員数が多い主な要因となっている。引き続き、幼稚園等の民営化や業務の見直しを実施し、より適切な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

過去からの起債抑制策により公債費負担が少ないことから、例年、実質公債費比率は類似団体を大きく下回っている。比率は、単年度でみると償還完了により元利償還金の額が減少したことで前年度から1.2ポイント下降している。近年、市税の減収などから市債の発行額は増加傾向にあり、中期的に公債費の増加が見込まれるため、今後、実質公債費比率は上昇していく。過度に市債に依存することなく、低水準で推移できるよう計画的な財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

過去からの起債抑制策により、市債残高が少ないことに加え、将来負担額を上回る充当可能財源等があることから、将来負担比率はマイナスとなり算定されていない。近年、市税の減収などから基金の取崩額や市債発行額が増加しており、今後このような傾向が続けば、比率は算定される。今後は過度に基金や市債に依存することがないよう計画的な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

類似団体と比較し高い水準にある中、前年度より2ポイント下降した。下降した主な要因は、公立保育園が1園民営化されたことに伴う人件費が削減されたためである。依然、高い水準にあるのは、直営の幼稚園、こども園が多いことにより職員数が多いことが主な要因である。引き続き、幼稚園等の民営化や働き方改革の取り組みを通じて人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

類似団体と比較し高い水準にあり、前年度から0.5ポイント上昇した。高い水準にあるのは、第3セクター(市民プールやケーブルテレビ)へ経常的に支出する指定管理料が多額であることが主な要因である。上昇した主な要因は、給食費の無償化により、子どもからの給食費が減少し、給食に係る経費に充てられる特定財源が減少したためである。今後、第3セクターが管理する施設の老朽化により財政を圧迫していくことが見込まれることから、サービスと照らし合わせながら事業範囲の縮小や収益を上げることができるサービスの提供などを検討し、指定管理料の削減に努めていく。

扶助費の分析欄

類似団体と比較して、低い水準にあり、前年度から0.1ポイント下降したが、分母となる一般財源が増加したことの影響によるもので、保育園の民営化や障害福祉サービスの利用者の増加により、前年度と比べ扶助費の経常経費に充てられる一般財源は増加している。児童手当、障害福祉サービス等給付、生活保護、こども医療や民間保育に係る給付費が大部分を占めており、高齢化により、高齢者に係る扶助費が今後、増加していくと見込まれる。今後、義務的経費である扶助費の増加に対応するため、他の経費の削減などを行い、財源の確保に努めていく。

その他の分析欄

類似団体と比較し低い水準にあり、前年度から0.4ポイント下降した。主な要因は前年度と比較し、小学校や体育施設などの維持補修が減少し、それに伴う充てられた一般財源が前年度から、1,612万円減少したことによる。今後、施設の老朽化により、維持補修費は増加していくと見込まれるため、使用料の見直しや施設機能の集約化・廃止などを検討し、財政の圧縮に努める。

補助費等の分析欄

類似団体と比較して高い水準にある中、前年度より0.9ポイント上昇した。上昇した主な要因は、病院事業の医師確保に要する経費の増加により負担金が増加したことによる。高い水準にあるのは、本市の人口規模と比較して病院や下水道の施設規模が大きいことにより負担が多額であることに加え、市単独補助金の交付単価や予算規模が大きいことによる。また、上下水道運営費用に対する上下水道収益が小さく、上下水道料金の公的負担が大きくなっていることによる。上下水道料金の見直しなどを受益者に理解を求めながら、適正な受益者負担を検討していくことや病院の在り方を見直していく必要がある。

公債費の分析欄

過去からの起債抑制策により、例年、類似団体より経常収支比率に占める割合は小さい。これは過去の大型事業の大半を市債に頼らず、電源立地地域対策交付金などにより対応してきたことによる。近年、市税の減収などから電源立地地域対策交付金は経常的な歳出に充当されていることもあり、市債の発行額は増加傾向にあるため、中期的に公債費の増加が見込まれ比率の上昇が予測される。適切な市債管理に努め、あわせて歳出の削減や効率化、歳入確保策など、行財政改革の着実な推進を図り、バランスのとれた財政運営に努めていく。

公債費以外の分析欄

類似団体と異なり、過去からの起債抑制策により、例年、類似団体より経常収支比率に占める割合は小さいため、公債費を除くと類似団体よりも高い水準となる。経常収支比率85.5%の内、82.7%を公債費以外が占めている。中期的に公債費の上昇が見込まれる中、比率を抑制することができなければ経常収支比率は一般財源規模の縮小と相まって急激に悪化することが予測される。今後、増加する公債費に合わせ、それ以外の経常経費を削減していく必要があることから、既存の補助金の見直しや公共施設の集約化・廃止などの検討を実施し、類似団体と同じ水準になるよう努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体順位(以下順位)は、「衛生費」と「教育費」のコストが高い水準である。「衛生費」は、病院事業への補助金が減少したことで、コストが下がった。コストが高い水準で推移しているのは、病院、水道や下水道事業の公営企業への支出が多額であることが主な要因である。病院事業へ一般会計からの支出は、前年度から減少しているが、約10億円以上あり、一般会計の負担となっている。水道事業は、事業収益に対して事業費用が大きく、その不足分を一般会計が負担している状況である。いずれも公営企業法に定める経営の基本原則を堅持し、適正な受益者負担を求めるなど、一般会計に依存することなく、健全な経営に努めていく必要がある。「教育費」は、類似団体と同じ水準で推移していたが、浜岡中学校や新給食センターの建設事業が前年度から継続しているため、高い水準が続いている。今後、当該建設事業が終了すれば、減少すると見込まれるが、GIGAスクール構想による情報端末の更新やネットワークなどの維持経費などが続くと想定されることから、以前よりも高い水準で推移すると予想される。「消防費」は、放射線防護対策工事が完了し、前年度から減少した。「総務費」は、特別定額給付金によって、前年度から増加したが、類似団体よりも依然、低い水準で推移している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体内順位は、「物件費」、「補助費等」及び「普通建設事業費(うち更新整備)」が高い。「物件費」は会計年度任用職員制度は始まり、雇用費用が物件費から人件費へと計上されることとなったため、臨時職員賃金分が減少したが、依然と類似団体よりも高い傾向にある。浜岡中学校の建設事業完了に伴い仮設校舎のリースがなくなることから、次年度の物件費は減少することが見込まれる。「補助費等」は、新型コロナウイルス感染症対策による特別定額給付金などによって増加しており、類似団体と比較しても高い傾向にある。公営企業への支出が多額であることが主な要因である。病院事業へ一般会計からの支出は、前年度から減少しているが、約10億円以上あり、一般会計の負担となっている。水道事業や下水道事業は、事業収益に対して事業費用が大きく、その不足分を一般会計が負担している状況である。いずれも公営企業法に定める経営の基本原則を堅持し、適正な受益者負担を求めるなど、一般会計に依存することなく、健全な経営に努めていく必要がある。「普通建設事業費(うち更新整備)」は、浜岡中学校や新給食センターの整備が前年度から継続していることから、高い水準で推移している。今後も、公共施設の老朽化が進んでいることから、更新整備が高い水準で続くことが想定される。今後、公共施設の在り方を見直し、集約化・廃止を検討し、人口規模に適した運営に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

平成2年度は、財政調整基金を5億円取り崩した。前年度から4億8,547万円減少し、標準財政規模に占める割合は6.17ポイント下降することとなった。平成28年度から財政調整基金の取崩しを行っており、以降、基金への依存傾向が顕著となっているため、事務の効率化による歳出の削減を行った。しかしながら、令和2年度は新型コロナウイルス感染症による感染症対策などによる支出が増加したため、財政調整基金の取崩しを行い、実質単年度収支は引き続き赤字となっている。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、今後は、優先すべき事業に集中投資し、既存の事業の見直しを進め、財源を確保し、健全な財政運用に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

平成28年度から令和2年度において、いずれの会計でも赤字額は発生していない。会計全体では、黒字額が前年度に比べ下降しているが、一般会計、介護保険特別会計の比率が下降していることが要因である。一方で、黒字額全体では、年々、病院事業会計が占める割合が大きくなっている。病院事業会計をはじめとする公営企業会計へは、一般会計から多額の費用を支出しており、一般会計依存の経営体質となっている。独立採算の原則に立ち返り、人口減少に伴う病院の在り方や上下水道料金の見直しなど、住民への理解を推進していきつつ、公営企業経営の見直しを図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

過去からの起債抑制策により「元利償還金」は減少している。また、令和2年度の「算入公債費等」は旧市町村合併特例事業債の償還終了により前年度に比べ減少している。今後は、中学校や新給食センター整備などの更新に充てた市債の償還が開始することにより、元利償還金は増加していくと想定されることから、過度に市債に依存することなく、低水準で推移できるよう計画的な財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

前年度に引き続き、浜岡中学校や新給食センターの建設事業により基金の取崩しや市債の発行額を増やしたため「一般会計等に係る地方債現在高」は増加し、さらに「充当可能基金」が小さくなったことから「将来負担比率の分子」は前年度から大きくなった。近年、市税の減収などの歳入減から基金の取崩額や市債の発行額が増加しており、今後このような傾向が長期間続けば、「将来負担比率の分子」はプラスの領域に移行することが予測される。今後の老朽化した施設の建替えも踏まえ、過度に市債や基金に依存することなく、低水準で推移できるよう計画的な財政運営に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)GIGAスクール構想に伴う小学校ネットワーク、浜岡中学校や新給食センター整備のために学校教育施設整備基金を6億5,061万円取り崩した。その他では、伝送路改修工事負担金の財源確保としてCATV施設維持基金を1億5,085万円、水道事業会計への補助金の財源として水道事業基金を1億3,331万円の取崩しを行った。財政調整基金の取崩しは、前年度に比べ7億1,430万円減の5億円となった。(今後の方針)財政調整基金の取崩しが続いている。また、今後、公共施設の老朽化が進み、更新に伴う基金活用の機会が増える見込みである。人口規模が縮小するなか、公共施設の在り方を検討し、更新に係る事業規模の縮小や歳出の抑制対策を行い、基金の効率的な活用や基金からの依存体質の脱却に努めていく。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度は、0.1億円の積立に対して、5億円の取崩しを行っている。大型事業所(発電所)からの固定資産税(主に償却資産)の減収や、普通交付税の合併算定替の縮減措置による減少により、平成28年度から令和2年度までで、市税は6.6億円、普通交付税は5.2億円と急激に歳入が減少した。急激な歳入の減少に対応するため歳出の効率化に努めたが、不足分として平成28年度から取崩しが始まり、以降、基金残高は減少している。(今後の方針)今後も、新型コロナウイルス感染症対策や経済対策などの財政需要に対応するため、財源確保が厳しい状況が続くと想定される。しかしながら、大規模災害への備えとしての機能を維持する必要もあるため、引き続き歳出抑制対策の実施に努めていく。

減債基金

(増減理由)近年積立てや取崩しは行っておらず、低い利率により発生する利子の積立てのみであるため、表示単位での増減はしていない。(今後の方針)公債費の歳出に占める割合が低いため、数年はそのまま利子積立てのみで推移させる。

その他特定目的基金

(基金の使途)国際交流基金:国際交流及び国際化の推進のための経費に充てられる。CATV施設維持基金:ケーブルテレビ施設及びケーブルテレビネットワークシステムの更新及び維持補修に充てられる。水道事業基金:水道事業の健全な運営(3条予算に必要な経費等)のために充てられる。学校教育施設整備基金:学校教育施設の整備に要する経費に充てられる。(増減理由)国際交流基金:国際交流事業やELTなどの教育指導に737万円充当。CATV施設維持基金:ケーブルテレビネットワークシステム伝送路改修に1億5,085万円充当。水道事業基金:水道事業への補助金に1億3,331万円充当。学校教育施設整備基金:小学校ネットワーク、浜岡中学校や新給食センターの整備事業に6億5,061万円充当。(今後の方針)今後、将来的に施設の老朽化による更新や改修経費の増加が予想されるため、決算見込みにより発生する余剰金を最優先に公共施設整備基金へ積立てを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均値と比べ小さくなったが、ほぼ同等に推移している。前年度から有形固定資産減価償却率が変わらないのは、浜岡中学校の更新工事が完了したことによる。全国平均よりも有形固定資産減価償却率は小さいため、今後も現在の水準を維持できるよう、施設の改修等を進めていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、類似団体平均値と比べ低い水準で推移している。本市は、起債発行額が少ないことや多額の充当可能財源等があったことから、平成30年度まで当該比率は算出されていなかった。平成30年度からの中学校の更新整備や令和元年度からの給食センターの整備など公共施設の建替え等による起債やそれに伴う積立金の取崩しの結果、充当可能財源等を将来負担額が上回ったことにより債務償還比率が算出されることとなった。今後、当該比率を注視しつつ、将来世帯の負担が過大とならないよう、現役世代の負担とのバランスを考慮していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本市は、起債に頼らず施設等の建設を行ってきた結果、地方債残高は少なく、将来負担比率は算出されていない。有形固定資産減価償却率は、浜岡中学校の更新工事完了により令和元年度から令和2年度で変化はなかったが、年々、大きくなっている。今後、市税の減収等により財政規模は縮小していくなか、現在の事業規模で行政サービスを維持していくには、施設の老朽化による大規模な更新工事の財源を確保するために起債や基金の取崩しに頼らざるを得ない。以上のことから、将来負担比率が今後高くなる可能性があるため、過度な負担が生じないよう、公共施設等総合管理計画を踏まえ、施設の集約化など施策を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本市は、過去の起債発行額が少ないため、実質公債費率は、非常に小さい水準で推移している。今後、市債の償還据置き期間の完了による公債費の増加や公共施設の大規模な更新工事の財源として、起債や基金の取崩しがされる見込みであることから、公債費の増加や充当可能財源の減少により、将来負担比率と実質公債費率は大きくなっていくことが予想される。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路や橋りょうの有形固定資産減価償却率は、上昇する傾向が続いている。道路や橋りょうの更新よりも減価償却が上回っているためである。学校施設の有形固定資産減価償却率は、浜岡中学校の更新工事が完了したことから、大幅に改善している。また、公民館は、令和2年度から地区センターへと移行したことにより、該当資産がなくなった。公営住宅の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値に比べ小さく、一人当たり面積は小さい。しかし、実際の入居状況は空室が見られるため、運営規模の見直しが必要である。認定こども園・幼稚園・保育園の有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値と同程度であるが、一人当たり面積は類似団体内平均値に比べ大きくなった。今後、園児数の減少と園舎の老朽化のため、幼保こども園の統合や民営化が計画されており、有形固定資産減価償却率は改善し、一人当たり面積は小さくなる見込みである。また、児童館は、減価償却が満了しており、既存施設への移設等の検討を進めている。今後も引き続き、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画に基づき、資産の長寿命化や公共施設の集約化などを進めていき、「品質」・「財務」・「供給」の最適化に努め、公共施設を運用していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館の一人当たり面積は、類似団体内平均値と比較し、大きい。本市の教育政策として書籍貯蔵を増やしているためである。体育館・プールの一人当たり面積は小さいが、今後、人口減少が続き、大きくなっていくと予想されることから、推移に注視し適切な運営に努める。有形固定資産減価償却率のうち、市民会館は、62.7%となっており、類似団体内平均値よりも大きいことから、施設の老朽化が進んでいる。本市は、2施設を保有しており、一方の施設の老朽化が進んでいることから廃止し、1施設を統合する予定である。一般廃棄物処理施設の有形固定資産減価償却率は更新に近づいているため、類似団体内平均値よりも10%ほど、大きくなっている。今後、施設の更新が必要となることが見込まれることから、公共施設整備基金の積立等の財源確保の準備をする必要がある。消防施設は、平成28年度に消防署の建て替え、令和2年度から旧消防署の用途変更、消防署白羽出張所の設置により、さらに有形固定資産減価償却率は小さくなった。庁舎の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と比べ大きいため、今後の更新に備えた財政運営に努める。近い将来、高度成長期に建設された多くの社会資本が更新期を迎えるため、維持管理コストの低減と資産の長寿命化を計画的に進めていく必要がある。また、公共施設等総合管理計画を基に施設の削減や複合化などを進めていく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の総資産額は前年度から400万円の減少(△0.4%)となった。前年度に比べ、金額の変動が大きい科目は、事業用資産の建物やインフラ資産の工作物、基金があげられる。事業用資産の建物は、中学校の更新整備があったことにより、2,328百万円増加し、インフラ資産の工作物は、減価償却により981百万円減少した。基金は、中学校の整備による学校教育施設整備基金や財政調整基金の取り崩しにより、1,344百万円減少した。一般会計等の負債額は前年度から、2,930百万円の増加(+49.3%)となった。金額の変動が大きい科目は、地方債であり、中学校や道路・橋りょうなどの整備のために地方債を発行したことにより、2,677百万円増加した。総資産に占める有形固定資産の割合が、74.9%を占めており、これらの維持管理や更新が将来的に必要となるため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進め、市の人口や財政規模にあった公共施設等の適正管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、前年度から3,568百万円の増加(+21.9%)となった。経常収益が、前年度から188百万円減少したことに加え、経常費用が3,380百万円増加したことによる。前年度に比べ、経常費用で金額の変動が大きい科目は、補助金等であり、新型コロナウイルス感染症の対策として実施された特別定額給付金給付事業により、3,095百万円増加した。補助金等は、新型コロナウイルスの影響を除いても、純経常行政コストの約3割を占めており、公営企業への補助金が多くを占めている。今後は、市の税収が減少していくなか、公営企業の独立採算という観点から、人口規模にあった事業の運営や適正な受益者負担を求め、公営企業への補助金を減らすことで、純経常行政コストの縮小に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の純資産額は、前年度から、3,330百万円の減少(△3.7%)となった。純行政コストが、新型コロナウイルス感染症対策の実施などにより3,634百万円増加したことや税収等が120百万円減少したことが要因である。本市の税収は、大規模な固定資産(償却資産)の減価償却による減少が続いており、今後も税収が減少していく見込みであるため、公共施設の集約化や補助金等の見直しをし、経常的な経費の削減に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、前年度から205百万円増加したが、業務活動収支は△722百万円となった。投資活動収支は、中学校の整備により、公共施設等整備費支出が大きく、投資活動収入を上回っており、△2,073百万円となった。財務活動収支は、中学校の整備による地方債発行収入が増え、前年度から1,259百万円の増加(+88.0%)となった。公共施設等に係る地方債の発行や基金の取り崩しを除いても、経常的な行政活動に必要な資金を基金の取り崩しによって確保している状況が続いているため、公共施設の集約化や補助金等の見直しなどを実施し、経常的な経費の削減に努める。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が前年度と同様に類似団体平均値を下回っているが、資産額が前年度から減少したのは、有形固定資産の減価償却や基金の取崩しが主な要因である。歳入額対資産比率は、類似団体平均値を上回る結果となった。しかし、新型コロナウイルス感染症対策に係る国県支出金などの増加により歳入総額が増加したことや有形固定資産の減価償却や基金の取崩しにより資産額が減少したことにより、前年度から比率は下がっている。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と同様に推移しており、固定資産の更新よりも減価償却が上回っているため、年々、上昇の傾向がある。児童館など耐用年数を迎えた更新の必要な施設があるため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めていき、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、前年度から3.2ポイント減少しているが、類似団体平均値と比べ上回っている。また、将来世代負担比率は、前年度から3.6ポイント増加ている。これは、中学校の整備のため、地方債を発行したことが要因である。本市は、地方債に頼らず、公共施設を整備した背景から、地方債残高は低い水準にあり、将来世代負担比率は、類似団体平均値に比べ約半分である。しかし、公共施設は将来世代も利用するという観点から、現世代と将来世代の負担の平準化ができるよう、財政運営に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、前年度から12.4ポイント増加したが、類似団体平均値を下回っている。住民一人当たり行政コストの増加は、人口減少や新型コロナウイルス感染症対策として実施された特別定額給付金給付事業などにより、純行政コストが増加したことが要因である。しかしながら、今後も人口減少が続くことから、住民一人当たり行政コストが増加する傾向は続くため、既存事業の効率化や公共施設の適正管理など、コストの削減に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、前年度から9.6万円増加(+52.2%)したが、類似団体平均値と比べ大幅に下回っている。これは、今まで地方債に頼ることなく公共施設の整備を行ってきたためである。基礎的財政収支の業務活動収支は、前年度から207百万円増加(+22.8%)したが、投資活動収支は、前年度から860百万円減少(△33.6%)した。投資活動収支の減少は、原子力防護施設の整備完了による国県等補助金収入の減少や財政調整基金の取崩しの減額による基金取崩収入が減少したことが要因である。基礎的財政収支は赤字が続いている。一方で地方債の借入や基金の取崩しも行っていることから、基礎的財政収支を改善し、地方債の償還に備えなければならない。経常的な経費の見直しなど、コスト削減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値に比べ下回っている。また、前年度から1.5ポイント下がっているのは、給食費の無償化が開始されたことが主な要因である。本市は、CATVや市民プールなどの公共施設の運営に係る経費が大きく、その多くを市が負担している。公共施設の運営に係る経費などの経常的な経費が多く、税収が減少するなか、財政調整基金の取崩しに頼った運営が続いている。今後は、使用料の見直しなどを実施し、適正な受益者負担を求めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,