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地方財政ダッシュボード

福井県越前町の財政状況(2020年度)

🏠越前町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

平成17年2月1日の町村合併以降、財政力指数は0.3ポイント台で推移しており、類似団体を大きく下回っている。長引く景気低迷や新型コロナウイルス感染症の拡大による地方税収の減少、少子高齢化の進展、人口の急減(平成27年国調~令和2年国調人口減少率-6.6%)など、財政基盤の脆弱な当町にとっては、厳しい状況が続いているが、今後も基幹産業の振興による活力あるまちづくりを展開しながら、町の重点施策でもある移住・定住にも力を入れるなど、町総合振興計画に記載された施策の重点化や政策ヒアリングによる施策の峻別、町財政健全化計画に基づく徹底的な歳出の見直しに努め、健全で持続可能な財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

分母である経常一般財源等収入額7,718,291千円は、普通交付税で経常態容補正(支所)計数の皆増や地域社会再生事業費の新規創設費目の追加の影響で96,259千円の増、新型コロナの影響により法人住民税や個人住民税、入湯税などの町税で68,036千円の減、地方譲与税が森林環境譲与税の増などで7,427千円の増などにより、令和元年度と比べ123,134千円の増となった。分子である経常経費充当一般財源7,535,246千円が前年度比39,613千円の増となったのは、人件費が会計年度任用職員制度の開始に伴い前年度比145,081千円の増となった一方で、臨時職員賃金などが会計年度任用職員人件費に移行したことで物件費が45,090千円の減となったこと、また、大雪の影響により維持補修費が前年度比99,089千円増となった一方で、新型コロナの影響で、町の4大まつりなどイベント開催を見送ったことで補助費等が大きく減となり、更に、公営企業が借り入れた起債の償還が進んだことで経常的な繰出金が減となったことが要因である。結果、経常収支比率は97.6%となり、類似団体の88.3%を大きく上回ることとなった。今後も大型事業の実施により借り入れた起債の償還が始まると更に財政の硬直化が進むことも予想されるため、より一層の経常経費の削減を図る必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口一人当たりの人件費・物件費および維持補修費の合計額は202,605円で、前年度決算から35,059円/人の増となった。これは、維持補修費において大雪の影響により除雪業務委託料が大幅に増になったこと、人件費は会計年度任用職員制度の開始により前年度に比べ増となった一方で、物件費において、賃金が会計年度任用職員人件費に移行し減となったものの、ふるさと納税の増に伴う業者委託料が大幅に増となり、人件費の増ほど減らなかったことが要因である。依然として、類似団体平均138,452千円を大きく上回っており、定員管理の適正化や令和3年度に改訂する公共施設等総合管理計画に基づく施設の統廃合による物件費や維持補修費の節減など、施設管理費の低減に努める。また、公共施設等総合管理計画の改訂に併せ、個別施設計画についても順次見直しを行うなど、将来の維持管理経費や大規模修繕の時期を把握するとともに、施設カルテの作成を通して施設の現状を適切に把握し、予防保全を図り、事業費を平準化して施設管理費の低減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は類似団体の中でも最も低く、全国平均からも大きく下回り、92.7ポイント(前年度比+0.1ポイント)となっている。今後も国家公務員の給与および地域の民間企業の平均給与の状況を踏まえながら、引き続き適正な給与水準の維持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

越前町の一般職員等の職員数は、町村合併の影響もあり、類似団体平均を上回っているが、職員の定員管理・給与適正化計画に基づき、平成22年度(267人)から令和2年度(225人)の10年間で42人削減されている。今後も職員の大量退職時期を踏まえた適正な定員管理を行う。

実質公債費比率の分析欄

平成20年度決算までは、起債許可団体の基準である18.0%以上となっていたが、町公債費負担適正化計画により、繰上償還や町債を財源とした事業の計画的な実施により、比率の低下に努めてきた。しかし、平成21年度に借り入れた人工芝ホッケー場整備事業や鯖江・丹生消防組合丹生分署建設事業の償還が終了したことで元利償還金が減となったことや、公営企業会計において起債償還が進んだことで公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還に充てたと認められる繰入金が減となったこと、分母となる標準税収入額や普通交付税が増となったことで令和2年度は単年度実質公債費比率は減少(令和1:9.3→令和2:8.6)したものの3ヶ年平均値は9.4%となり、前年度と比べ0.3%悪化した。今後は、統合学校給食センター建設事業や役場新庁舎整備事業をはじめとする大型事業の元金償還の開始に伴う元利償還金の増(令和5年度にピークを迎える)が見込まれるため、町総合振興計画や政策ヒアリングによる事業の峻別や越前町財政健全化計画(財政中期計画)の着実な推進により、地方債発行の対象となる事業を計画的に実施し、健全で持続可能な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、プライマリーバランスを考慮した計画的な地方債の発行により、毎年地方債残高が減少していたが、平成29年度から平成30年度にかけて統合学校給食センター建設事業に係る地方債の発行、平成30年度から令和2年度にかけて役場本庁舎建設に係る地方債の発行と大型事業が続いている影響で、地方債残高が増加に転じたため、将来負担額が前年度比1,332,984千円増の19,594,532千円となり、普通交付税の増により標準財政規模が増(7,663,352千円、対前年度比218,264千円)となったものの、将来負担比率は前年度から9.7%悪化し25.9%となった。将来負担比率の算定に用いる地方債残高は令和2年度がピークとなる見込みであり、大型事業は一段落となるが、新型コロナの影響による景気低迷などから標準税収入額の減少による標準財政規模の減が見込まれるため、人口規模に見合った適正な事業の実施、法令に基づく基金の積み立ての推進など、持続可能な財政基盤の確立を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、23.7%となり、前年度と比べて1.5%悪化した。ただ、全国平均、福井県平均、類似団体平均と比べると低い状況となっている。前年度と比べ悪化した要因としては、会計年度任用職員制度の開始により、臨時職員賃金等が会計年度任用職員人件費となり物件費から人件費に移行したことが要因である。(令和2年度会計年度任用職員報酬全体額:172,015千円)また、令和3.1豪雪に係る除排雪対応職員の時間外勤務手当の増も要因となっている。今後も、一部事務組合等の広域連携による事務の効率化や既存施設の統廃合を含めた適正な管理に加え、職員の定員管理や配置を適正に行うことにより、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は17.5%となり、前年度と比べ0.9%改善した。全国平均、福井県平均、類似団体平均に比べ高い状況となっている。これは、ふるさと納税の増に伴う業務委託の増、スクールバスの増便によるスクールバス運行委託料の増、観光施設指定管理委託料の増があったものの、臨時職員賃金などが会計年度任用職員人件費に移行したことで物件費が減となったことが要因である。年々物件費の経常収支比率が悪化傾向にあることから、内部努力の徹底に加え、施設管理の包括外部委託など新たな取組も検討するとともに、個別施設計画、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した既存施設の統廃合を進め、施設管理費等の経常経費を圧縮していく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は9.0%となり、前年度と比べ0.3%改善した。これは、扶助費全体額としては、前年度と比べ増加(令和1:1,909,134千円→令和2:2,038,587千円)したものの、10/10補助事業である子育て世帯臨時特別給付金事業や新型コロナウイルス感染症対策事業などが増えたことによるものであったため、経常経費充当一般財源としては減となったことが要因である。ただし、扶助費の経常収支比率は高止まりの状況が続いており、今後も、健康増進施策の実施による社会福祉費の抑制を図りながら、福祉サービスの充実を図っていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は13.1%となり、前年度と比べ0.3%悪化した。その他の経費としては維持補修費や繰出金が挙げられる。悪化した要因として、繰出金において後期高齢者医療広域連合負担金が、療養給付費が減少したことにより減となったことや、公共下水道事業特別会計、集落排水事業特別会計において起債の償還が進んだことにより繰出金が減となった一方で、維持補修費が令和3.1豪雪関連経費により大幅に増となったことが挙げられる。今後は、個別施設計画に基づく施設の適正管理に努め事務費の圧縮に努めるほか、簡易水道事業や下水道事業の法適化により資産を適正に把握・管理し繰出金の逓減を図る。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は19.5%となり、前年度と比べ1.3%改善した。全国平均、福井県平均、類似団体平均に比べ高い状況が続いており、これは、鯖江広域衛生施設組合のし尿処理・塵芥処理経費・施設整備費の増に伴う負担金や生活交通路線維持支援補助金、通学支援補助金など地域公共交通の維持に係る補助金が高止まりしていることや、鯖江・丹生消防組合の人件費・物件費に対する負担金の増、国民健康保険病院事業会計負担金の増などが大きな要因である。比率が改善した要因は毎年開催している町の4大まつりが新型コロナの影響により中止となったことで実行委員会への補助金が大幅に減ったことが要因である。今後は、補助金のサンセット方式の導入、事業評価制度の導入、繰出金の精査による基準外繰出金の圧縮など補助費等の削減に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は14.8%となり、前年度と比べて0.4%改善した。類似団体平均と比べると依然として高いものの、徐々に改善してきている。令和2年度の地方債現在高は普通会計で12,733,458千円となっており、前年度と比べ1,807,974千円増加した。これは、令和2年度に本庁舎整備事業(役場新庁舎)やケーブルテレビ施設更改事業など大型事業を実施したことで大きく増加した。公債費については、平成21年度に借り入れた人工芝ホッケー場整備事業や鯖江・丹生消防組合丹生分署建設事業などが償還終了したことにより、前年度に比べ6,277千円の減となった。ただし、近年の大型事業の実施による元利償還金のピークは令和5年度に迎えることが見込まれているため、今後はプライマリーバランスを考慮した地方債の発行だけでなく、個別施設計画に基づく予防保全等により施設の長寿命化を図り、大規模改修に係る経費を抑制し、公債費負担の軽減を図る。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は82.8%となり、前年度に比べ0.7ポイント改善した。全国平均、福井県平均、類似団体平均と比べても高い状況にあり、類似団体の中でも41団体中39位となっており、かなり悪い状況となっている。令和2年度は人件費以外は全ての項目において改善されているものの高止まりの状況となっている。今後、人口減少等の要因により地方交付税が減少し、更に新型コロナウイルスの影響により地方税も減収が見込まれるなど、厳しい財政状況が続くことが予想されるため、越前町財政健全化計画(町財政の中期計画)に基づき、物件費、補助費等の削減に努め、指定管理者や補助交付団体が効果的な事業を行っているかなどの基準を策定し、事業評価を行うなど事業費の逓減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費については、役場新庁舎整備事業やケーブルテレビ施設更改事業などの大型事業の実施や、特別定額給付金給付事業(新型コロナウイルス対応)、ふるさと納税の増に伴うふるさと再生基金積立金事業やふるさと納税推進事業などの増により、類似団体平均を大きく上回った。令和3年度は役場新庁舎の本体工事が完了したことから類似団体平均に近くなると考えられる。・民生費については、認定こども園整備事業が完了したことで民生費の事業費は減少したものの、当町の人口も減少したことで、住民一人当たりの民生費は微増した。ただし、当町の住民一人当たりの民生費165,530円/人は全国平均は下回っているものの、福井県平均を上回り、類似団体平均133,126円/人を大きく上回っている。・衛生費については、新型コロナウイルス感染症対策として水道使用料基本料金を免除したことによる収入補てんにより簡易水道事業特別会計繰出金事業が増となったことや、高齢者や妊婦・小児に対する予防接種助成により増となったことで、住民一人当たりの衛生費については前年度を2,965円/人上回り51,622円/人となった。・農林水産業費については、漁港施設機能増進事業(米の浦漁港)が事業完了により減となった一方で、定置・底曳網漁業振興対策事業(経営基盤強化支援:漁船建造)や農村地域防災減災事業(ため池ハザードマップ作成、廃ため池防災工事)の増などにより住民一人当たりのコストは増となった。また、全国平均、福井県平均、類似団体平均も大きく上回っている。・商工費については、町が観光立町を柱とした施策を展開してきたことから、公共施設管理公社や町観光連盟に対する運営補助金、商工観光施設の改修や維持管理経費などにより、全国平均、福井県平均、類似団体平均と比べると非常に高い額となっている。また、令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策経費の増により大幅に増となった。・土木費については、令和3.1豪雪の影響により除雪事業が大幅に増となったことや、上小川橋・下小川橋など橋りょう維持補修工事に伴う道路メンテナンス事業の増により、福井県平均は下回っているものの、全国平均、類似団体平均を大きく上回っている。・消防費については、鯖江・丹生消防組合分担金が公債費や投資的経費に充てる分担金の減により減となった一方で、新型コロナウイルス感染症対策用備品や消耗品の購入など新型コロナウイルス感染症対策事業が皆増となり、住民一人当たりの消防費も微増となった。消防費は鯖江・丹生消防組合分担金が費用の9割弱を占めているため、一部事務組合の事業内容も精査する必要がある。・公債費については、平成21人工芝ホッケー場整備事業や平成21鯖江・丹生消防組合丹生分署建設事業の償還が終了したことによる元利償還金の減により減少したが人口が減少したことで一人当たりの公債費は微増した。今後は近年実施している大型事業の元金償還が始まると、再度上昇することが見込まれるためプライマリーバランスを考慮した適切な起債が必要である。住民一人当たりにかかるコストは類似団体平均と比べると全ての項目で上位となっており、人口規模に応じた歳出規模に転換する必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり851,800円となっており、前年度に比べ212,738円増加した。・人件費については、ラスパイレス指数は類似団体の中で最も低い団体となっているが、人口1000人当たりの職員数が10.74人と類似団体平均の7.49人と比べて3.25人多く、これに伴いコストが高くなっている。・物件費・維持補修費については、各施設の保守点検委託料など施設維持補修に係る経費が大きな負担となっており、合併後、学校や給食センターをはじめ施設の統廃合を進めているものの依然として施設数が多く、人口一人当たりの施設数が多い。また、令和2年度は、ふるさと納税が大幅に増となったことで、返礼品や郵送料などの業務委託料が増となり物件費が大幅に増となった。維持補修費についても令和3.1豪雪の影響で大幅に増加した。・扶助費については、子育て世帯臨時特例給付金事業や新型コロナウイルス感染症対策事業、障害児施設給付事業の増などにより、住民一人当たりの扶助費は前年度に比べ7,816円増の97,354円となった。今後も高止まりの状況は続くと考えられる。・補助費等については、特別定額給付金給付事業(新型コロナウイルス対応に係る給付金制度)の実施や新型コロナウイルス感染症対策事業(介護従事者応援金等)の実施により、一人当たりの補助費等は前年度に比べ99,347千円増の203,832円となり大幅に増加した。また、消防、電算、衛生に関する行政事務を一部事務組合により広域的に実施しており、これらの負担金・分担金が人口一人当たりの補助費等の額を押し上げる要因となっている。・普通建設事業については、統合学校給食センター建設事業は完了したものの、大型事業である役場新庁舎建設が令和2年度に本体工事が実施されたことで大幅に増となったこと、ケーブルテレビ施設更改事業や小中学校GIGAスクール構想環境整備事業などの大型事業が重なったことで大幅に増額となり、人口一人当たりの普通建設事業費も類似団体の中で最も高くなった。・公債費については、平成21人工芝ホッケー場整備事業や平成21鯖江・丹生消防組合丹生分署建設事業の償還が終了したことによる元利償還金の減により減少したが人口が減少したことで一人当たりの公債費は微増した。今後は近年実施している大型事業の元金償還が始まると、再度上昇することが見込まれるためプライマリーバランスを考慮した適切な起債が必要である。・繰出金については、簡易水道事業特別会計や下水道事業特別会計などの公営企業会計に対して施設維持管理経費や過去の整備事業に係る町債償還の財源とするための繰出金や、国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療特別会計に対しての医療費等に係る繰出金、介護保険事業特別会計に対しての介護給付費等に係る繰出金が多額となっている。このため、人口一人当たりの繰出金は、類似団体平均を大きく上回っている。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

越前町は、自主財源が乏しく、標準財政規模に占める普通交付税の割合が高いため、標準財政規模の比率は、普通交付税の増減に左右されやすい。また、令和元年度で普通交付税の合併算定替の優遇措置が終了したため、令和2年度以降は大幅な財源不足が見込まれている。実質収支は黒字で推移し、財政調整基金の残高も県内市町の中でも多い方ではあるが、近年、実質単年度収支がマイナスで続いており、財源不足を財政調整基金の取崩しで賄っている状況である。また、近年は平成30年7月豪雨や令和3年1月豪雪など災害が多発しており、災害への対応や、新型コロナウイルス感染症への対応など、突発的な財政需要に対応するため、財政調整基金残高は適切な水準を維持しつつ、計画的に事業を実施するなど、健全で持続可能な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和2年度決算では、全ての会計において黒字となっている。病院事業会計、介護保険事業特別会計、国民健康保険事業特別会計においては、制度の変遷を注視しながら、一般会計における健診事業や予防事業などを推進し、医療費の増大を圧縮し、経費の節減に努める。上水道事業会計、簡易水道事業特別会計、公共下水道事業特別会計、集落排水事業特別会計においては、今後、施設の老朽化や設備の経年劣化に伴う更新整備や維持管理経費の負担が課題となっているが、設備管理の包括的民間委託などの経費削減対策を検討し、効率的な公営企業の運営に努める。また、簡易水道事業特別会計、公共下水道事業特別会計、集落排水事業特別会計については、令和5年度までに法適用企業に移行することから、整備することで得られる固定資産台帳の情報を基に将来必要となる施設設備更新経費や維持管理経費を適切に見込むなど、インフラ長寿命化計画(個別施設計画)を着実に実施し効果的な維持管理に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度の元利償還金の額は平成21年度に借り入れた人工芝ホッケー場整備事業(借入額145,800千円)や鯖江・丹生消防組合丹生分署建設事業(借入額133,000千円)の償還終了に伴い減少した。また、公営企業債の元利償還金に係る繰入金については、全ての事業会計の元利償還金が減(R1:941,702千円→R2:883,786千円)となったことで減少した。組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等は鯖江広域衛生施設組合の公債費充当財源とする負担金が増(R1:35,440千円→R2:36,015千円)となった一方で、鯖江・丹生消防組合が減(R1:60,592千円→R2:55,871千円)となったことで減少した。算入公債費等については、合併特例債の償還開始に伴う元利償還金の増(H28繰統合給食センター建設事業R1:828千円→R2:30,892千円、防災行政無線整備事業R1:426千円→R2:15,890千円)により増となった一方、H11臨時地方道整備事業債、地方道路等整備事業債の理論算入対象外(ふるさと農道分(50,600千円)、ふるさと農道財対債分(10,100千円))や、H26病院事業債(機械器具分)(99,900千円)の理論算入対象外、H16・H17簡水債の許可額算入時の乗率引き下げにより減少した。結果、実質公債費比率の分子は減となった。ただ、標準財政規模の増減により実質公債費比率が大きく左右されることがないよう、元利償還金の削減や交付税措置のある地方債の計画的な発行により、健全で持続可能な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担額で最も大きな割合を占める一般会計等に係る地方債の現在高は、平成20年度以降、繰上償還の実施や地方債の発行を伴う新規事業の計画的な実施により減少してきていたが、平成29年度から平成30年度にかけては統合学校給食センター建設事業が、平成30年度から令和2年度にかけては本庁舎整備事業(役場新庁舎)などの大型事業が実施されたことに伴い増加に転じた。特に令和2年度については役場新庁舎の本体工事に伴う起債(1,756,600千円)により大きく増加した。また、令和2年度はケーブルテレビ施設更改事業(248,000千円)や社会資本整備総合交付金事業(119,000千円)、小中学校GIGAスクール構想環境整備事業(95,600千円)などの新規借り入れによる起債も地方債残高の増の要因となった。公営企業債等繰入見込額については、年々減少してきており、施設整備や管路布設等の初期投資事業に係る既往債の償還完了による地方債残高の減が影響している。(公営企業会計の全てで公営企業債残高が減少)組合等負担等見込額は鯖江・丹生消防組合、鯖江広域衛生施設組合ともに地方債残高が増加したことで負担等見込額が増加した。充当可能基金については、財政調整基金の取崩しにより残高が減少(R1:3,056,714千円→R2:2,738,337千円)したことで減となった。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、起債を伴う公共施設やインフラ施設の更新時期・費用を適切に算出し、計画的に事業を実施することとする。また、将来負担比率の分子となる地方債現在高や公営企業会計の繰入金の縮減に努めるとともに、コロナ禍で財政状況が厳しくなると予想されることから、財政調整基金や減債基金についても適正な額を確保するなど、健全で持続可能な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)特定目的基金については、ふるさと納税の増によるふるさと再生基金が増となったことで増となったものの、財政調整基金においては、本庁舎整備事業(役場新庁舎)などの大型事業の実施に伴う一般財源所要額の増に対応するため減少したため、基金全体としては260,376千円減少した。(今後の方針)今後見込まれる大幅な財源不足、災害・豪雪等への緊急時の備えや新型コロナウイルス感染症対策関連経費のため、適切な財源確保と歳出削減により、取崩額を最小限に抑え、適切な額を積み立てていく。

財政調整基金

(増減理由)地方財政法第7条に基づき前年度繰越金の2分の1相当である303,403千円を積み立てたが、本庁舎整備事業(役場新庁舎)などの大型事業の起債対象外経費への充当財源の確保など、一般財源所要額の増に対応するため、621,780千円取り崩したことにより、318,377千円減少し、財政調整基金残高は2,738,337千円となった。(今後の方針)財政収支見通しによると、各年度の収支不足額を基金の取り崩しにより補てんすると、令和8年度末には612百万円まで減少する見込みである。今後、決算余剰金を中心に積み立てるとともに、越前町財政健全化計画に掲げた目標額を達成するため、より一層、歳入確保・歳出削減に取り組む必要がある。

減債基金

(増減理由)預金利子を63千円積み立てたことにより増加した。(今後の方針)統合学校給食センター建設事業や本庁舎整備事業(役場新庁舎)などの大型事業の元金償還が始まるため、地方債残高の縮減や当該元利償還への充当のため一部を取り崩していく予定。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金:町民の連帯強化および地域の振興を目的とし、地域公共交通活性化事業(コミュニティバス運行委託料など)に充当・地域福祉基金:高齢者等の保健福祉の増進を目的とし、高齢福祉事業、障害福祉事業などに充当・ふるさと再生基金:ふるさと納税を原資として、越前町の①快適で安全に住み続けられるまちづくりのための事業、②誰もが健康で暮らしやすさを実感できるまちづくりのための事業、③人が輝き豊かな心が満ちあふれるまちづくりのための事業、④人と仕事の活力みなぎるまちづくりのための事業、⑤ふるさとの個性を活かし交流を育むまちづくりのための事業に充当・地域活性化基金:越前地区の活性化を目的とし、越前地区活性化事業や観光振興事業(イベント開催補助金など)に充当・ふるさと水と土保全基金:土地改良施設の維持管理等に係る経費に充当(増減理由)・ふるさと再生基金:ふるさと納税寄附金を原資に158,913千円積み立て、積み立ててきた基金を原資に、高校生の通学支援事業、小中学校改修や修繕、少子化対策事業などの充当財源として31,000千円取り崩したことにより127,913千円の増となった。・地域活性化基金:基金預金利子により26千円積み立て、積み立ててきた基金を原資に、越前かにまつり、ダイビングフェア、玉川地区温泉施設整備などの充当財源として63,470千円取り崩したことにより63,444千円の減となった。(今後の方針)・地域振興基金については、引き続き基金運用益を活用しつつ事業を実施。ふるさと再生基金については、クラウドファンディング型ふるさと納税の実施など、使途の明確化を図りながら事業を実施。その他の基金についても同様の措置を取る。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和2年度の有形固定資産減価償却率は、65.3%となり類似団体と比べ若干高い傾向が続いている。市町村合併による観光施設など多くの施設を保有していることが影響しているためであるが、今後、町の人口が減少する中で、施設の維持管理費用が財政の負担となる可能性が大きいため、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づく計画的な維持補修や施設更新、統廃合を進めることで、有形固定資産減価償却率は現状維持を目標とする。有形固定資産減価償却率が大きく上昇したのは、令和2年度に固定資産台帳を精緻化したことで減価償却累計額が大きく増加したことが要因となっている。今後は、策定した個別施設計画を基に、着実に計画を実施し施設の適正な維持管理を図る。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率については、前年度から71.9ポイント増加し、771.3%となった。これは、分子である将来負担額が、役場新庁舎建設やケーブルテレビ施設更改事業などにより増加したことや、充当可能財源の額が財政調整基金の取崩しにより減少したことが要因である。役場新庁舎建設に伴う起債借入がピークを迎えたことで、地方債現在高は増となったものの、公営企業債等繰入見込額の減により、将来負担額は減少していくと予想される。また、今後は普通交付税の減や人口減少、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税収入が減少することも予想されるため、将来負担比率や有形固定資産減価償却率と併せ、経年の推移に注意する必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、平成30年度から令和2年度にかけての役場新庁舎建設事業や令和2年度に実施したケーブルテレビ施設更改事業などの影響により、地方債残高が増加したことや財政調整基金が減少したことなどにより25.9%となり前年度と比較し9.7ポイントの増となった。地方債残高は令和2年度にピークを迎え、財政調整基金残高は新型コロナウイルス感染症対策事業などの影響などで今後もしばらく減少することが予想される。また、有形固定資産減価償却率も今後も増加していくことが予想されている。類似団体と比較すると、いずれの数値も高い状況にあるため、計画的な起債の発行によるプライマリーバランスの黒字の維持や、基金残高の確保、公共施設等総合管理計画に基づく施設の適正な維持管理など、将来を見据えた計画的な財政運営を図る。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、役場新庁舎建設の影響で地方債残高が令和2年度にピークを迎えたことや、公営企業債等繰入見込額が今後も減少していく見込みであることから、役場新庁舎建設など大型事業の償還が始まると、減少していくことが予想される。実質公債費比率は、令和2年度の単年度実質公債費比率については減少したものの、数値の比較的低かった平成29年度が算定から外れたため、3ヶ年平均の実質公債費比率は9.4%となり前年度と比較し0.3ポイントの増となった。統合学校給食センター建設や役場新庁舎の建設による合併特例債の発行による元金償還が開始されると上昇することが予想されるため、今後の比率の推移に注意する必要がある。類似団体と比較すると、いずれの数値も若干高い状況にあるため、計画的な起債の発行によるプライマリーバランスの黒字の維持や、基金残高の確保など、財政健全化計画に基づく適正な財政運営に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路は有形固定資産減価償却率、1人当たり延長ともに類似団体平均を大きく上回っている。橋りょう・トンネルについては、一人当たり有形固定資産額が類似団体平均を大きく上回っている。これは、当町の地理的な要因が大きく影響しており、平野部が少なく山間部が多いため橋りょうやトンネルが多いことが要因となっている。今後も、舗装の個別施設計画や橋りょう長寿命化計画に基づき、適切な維持管理に努める。公営住宅の有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比べると少し高くなっている。これは令和2年度に実施した固定資産精緻化により減価償却累計額が大きく増加したことが要因である。また、一人当たり面積も類似団体平均を上回っている。今後も、町営住宅長寿命化計画(個別施設計画)に基づき、適正な管理に努める。港湾・漁港についての有形固定資産減価償却率や一人当たり有形固定資産額は類似団体平均と近い数値となっている。今後も漁港の個別施設計画に基づき適正な管理に努める。認定こども園・幼稚園・保育所の有形固定資産減価償却率が類似団体と比較し低いのは平成28年度に朝日中央保育所と朝日北保育所を統合し、あさひ保育所を建設したことが要因である。児童館についての有形固定資産減価償却率が低いのは織田児童館が平成30年度に竣工したことが要因である。公民館の有形固定資産減価償却率が低いのは、越前町生涯学習センタ―を合併後に新築したことや、同じく合併後に旧町村にあった公民館と役場機能を統合し、コミュニティセンターとして建設したことが要因である。学校施設の有形固定資産減価償却率は類似団体とほぼ同じ水準だが、一人当たり面積が類似単体と比べ大幅に大きな数値となっている。これは、人口減少・生徒数の急速な減少に対して、旧町村それぞれに小中学校(8小学校・4中学校)が残っているためである。合併後、朝日中学校と糸生中学校を統合し朝日中学校を建設したが、その他の地区の小中学校については、平成30年9月から実施したアンケート結果を踏まえ、越前町学校教育環境調査委員会で検証し、令和3年度から再編基本方針に関する地元説明会を開催する予定となっている。保育所、児童館についても、町の子どもの人口が減少していく中、適正な施設の配置を検討していく必要があると考えられる。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プールの一人当たり面積が類似団体平均を大きく上回ってるのは、合併前の旧町村単位で体育館をそれぞれ保有しているためである。福祉施設の一人当たり面積が類似団体平均を大きく上回っているのは、合併前から旧町村単位でデイサービスセンター(朝日、宮崎、織田)や福祉センター(朝日、越前、織田)等があるためである。保健センター・保健所の有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して低いのは、町内に2箇所ある保健センター、朝日保健センターが平成13年度増築、織田保健センターが平成10年度建設であることが要因である。また、この2保健センターが比較的大きな施設であることから、一人当たり面積も類似団体平均を上回っている。消防施設の有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して低いのは、鯖江・丹生消防組合丹生分署が平成21年度建設、鯖江・丹生消防組合越前分遣所が平成16年度建設で比較的新しいことが要因である。また、消防施設の一人当たり面積も類似団体平均を上回っているのは、町村合併後、機動的に消防救急業務にあたれるように鯖江・丹生消防組合丹生分署を新しく建設したことが要因である。庁舎の有形固定資産減価償却率が類似団体と比較し低いが、これは合併後に、旧町村役場と公民館機能とを統合しコミュニティセンターとして建設したこと、令和2年度に役場本庁舎を新築したことが要因である。庁舎の一人当たり面積について、類似団体平均を上回っているのは、合併後人口が急速に減少しているが、住民の利便性を維持するために、旧町村単位に支所機能を有したコミュニティセンターを整備し維持していることや、役場新庁舎建設に伴い、旧庁舎の解体が令和3年度に実施予定であることが要因である。なお、一般廃棄物処理施設については、一部事務組合(鯖江広域衛生施設組合)に事務を委託しており財産についても、施設所在地である鯖江市において計上しているためである。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産が令和元年度から令和2年度にかけて4,771百万円減少しているのは、これは、固定資産精緻化事業により、令和2年3月末の状況として、既に計上していた固定資産(建物)の内容を精査し、事業用資産の建物として一括計上していた資産を、本来計上すべき勘定科目毎に振り分けたこと(建物、建物付属設備、工作物、物品、ソフトウエアなど)により、多くの固定資産で減価償却累計額が大きく増加し、資産合計が減少したことが要因である。内訳として、資産のうち事業用資産:建物については、前年度と比べ3,302百万円の減少となっており、役場本庁舎整備や小中学校校内通信ネットワーク環境施設整備工事に伴う固定資産が増となった一方で、固定資産精緻化事業による固定資産の減により減となった。また、事業用資産:工作物については、前年度と比べ1,085百万円の増となった。これは、固定資産精緻化事業による固定資産の増加(町営球技場、アクティブランド体育館外構など)のほか、織田ケーブルテレビ光化促進工事などに伴う増が主な要因である。また、物品については、前年度と比べ1,058百万円の増加となった。これは、固定資産精緻化事業により事業用資産:建物から物品に振り替えたことによる増加(朝日中学校、越前陶芸村文化交流会館など)のほか、役場本庁舎整備に伴う電気設備工事・備品整備工事・据付家具整備工事に伴う固定資産の増が要因である。負債については、一般会計等は前年度に比べ1,735百万円増加している。これは、固定負債において、役場本庁舎整備事業やケーブルテレビ施設更改事業、社会資本整備総合交付金事業(道路改良など)、大型事業を実施したことにより地方債残高が増加したことが要因である。また、流動負債において、1年内償還予定地方債が統合学校給食センター建設事業の元金償還が開始されたことなどにより増加したことも要因となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、令和元年度から令和2年度にかけて3,098百万円増加した。主な要因として、経常収益で、令和元年度に地域振興基金や地域福祉基金などで基金運用としての国債売却による運用益があったものが無くなり大幅に減となったことや、プレミアム付商品券販売代金の皆減により、前年度比391百万円減の272百万円となった。また、経常費用で、物件費等が小中学校学習者用・指導者用タブレット機器、ICT機器購入費の皆増(R2186百万円)、本庁舎備品整備業務の皆増(R2:68百万円)、ふるさと納税推進事業関連経費(委託料等)の増(R1:31百万円→R2:71百万円)により、前年度に比べ687百万円増の5,903百万円となった。また、移転費用は、前年度に比べ2,097百万円増の7,197百万円となった。これは、補助費等において、特別定額給付金の皆増や福井県丹南広域組合負担金の増、新型コロナウイルス感染症対策事業関連補助(介護従事者応援金、経営安定資金利子補給金、生活路線バス等維持特別支援補助金など)が皆増となったことや、他会計への繰出金において、国民健康保険事業特別会計繰出金や簡易水道事業特別会計繰出金が増加したことが要因である。純行政コストについては、純経常行政コストから臨時収支を加減した額であるが、臨時損失は前年度と比べ81百万円減の165百万円となった。これは、令和2年1月発生の爆弾低気圧により被害を受けた漁港施設現年発生災害復旧工事の実施による災害復旧事業費の増があった一方で、各地区学校給食センター解体に伴う資産除売却損や朝日農村環境改善センター解体に伴う資産除売却損の計上が令和元年度にあったことが主な要因である。これにより、純行政コストは、前年度に比べ3,031百万円増加し、14,862百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

純資産変動の状況について、一般会計等の本年度差額が令和元年度(△1,228百万円)と令和2年度(△1,075百万円)とを比較してマイナスが小さくなった要因は、税収等が普通交付税の増(R1:4,403百万円→R2:4,500百万円)や地方消費税交付金の増(R1:353百万円→R2:438百万円)となったことで対前年度161百万円増の8,589百万円となったことや、国県等補助金が特別定額給付金事業費補助金の皆増(R2:2,118百万円)新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の皆増(R2:597百万円)、放送ネットワーク整備支援事業費補助金の皆増(R2:146百万円)などによる増や寄附金の増(ふるさと再生寄附金の増(R171百万円→R2:157百万円))により、対前年度3,023百万円増の5,198百万円となったことである。本年度純資産変動額が一般会計等(2,001百万円→△6,507百万円)、全体会計(2,503百万円→△5,864百万円)ともに大きく減少した要因は、固定資産精緻化事業により既に登録していた固定資産台帳の建物(朝日中学校、越前がにミュージアム、越前陶芸村文化交流会館、アクティブハウス越前・道の駅「越前」など)を、本来登録すべき勘定科目に振り替えたり(建物→建物付属設備、建物→工作物、建物→物品など)、法定耐用年数を修正したことが要因である。(純資産変動計算書では、無償所管換等に記載)

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、令和2年度の業務活動収支については29百万円の黒字となった。これは、業務支出として、対前年度2,955百万円増の13,049百万円、内訳として、物件費等支出が3,910百万円(小中学校GIGAスクール構想環境整備事業によるタブレット等機器購入費やふるさと納税推進事業に係る業者委託料等の増により、対前年度860百万円の増)、補助金等支出が4,784百万円(定額給付金の皆増や新型コロナウイルス感染症対策に関連した補助金等の皆増により、対前年度1,896百万円の増)となっている。業務収入として、対前年度2,529百万円増の13,142百万円、内訳として、国県等補助金収入が4,277百万円(特別定額給付金事業費補助金、特別定額給付金事務費補助金の皆増や、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の皆増により、対前年度2,760百万円の増)、税収等収入が8,594百万円(主要企業の法人税等の増などにより、対前年度161百万円の増)となった。投資活動収支については、公共施設等の整備や基金積立などに係る支出が対前年度1,159百万円増の3,513百万円で、基金取崩しや国県等補助金のうち投資活動支出の財源に充当した収入は対前年度362百万円増の1,612百万円で1,902百万円の赤字となった。内訳として、投資活動支出のうち公共施設等整備支出が2,965百万円(役場本庁舎整備や織田地区ケーブルテレビ光化促進工事等に伴う増により、対前年度1,386百万円の増)となり、また、投資活動収入のうち基金取崩収入が743百万円(財政調整基金繰入金や地域活性化基金繰入金の増により、対前年度189百万円の増)となった。財務活動収支については、1,800百万円の黒字となっている。これは、地方債償還支出が1,102百万円(平成21年度に借り入れた人工芝ホッケー場整備事業や鯖江丹生消防組合丹生分署建設事業の償還終了による減、平成28(緑)統合学校給食センター建設事業の元金償還開始に伴う増による微増)となり、地方債発行収入が2,910百万円(本庁舎整備事業や織田地区ケーブルテレビ施設更改事業に伴う地方債の発行により、1,208百万円の増)となったことが要因である。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額について、当町の値(266.5)は類似団体平均値(167.7)を大きく上回っている。これは、平成の合併により旧町村で保有していた類似の有形固定資産を引き継ぎ、統廃合が進んでいないことが影響している。また、人口が減少し続けているものの、資産合計は固定資産精緻化事業により減ったものの類似団体に比べ多く保有し続けていることが要因である。歳入額対資産比率について、当町の値(3.02)は類似団体平均値(3.05)と比べ若干低い数値となった。これは、歳入額が令和2年度は増加したが、資産合計が固定資産精緻化事業により減少したことが要因である。人口減少により歳入額が減ることで、将来の資産の維持管理経費への財政負担が大きくなることが予想されるため、歳入規模に応じた資産管理が必要である。有形固定資産減価償却率について、当町の値(65.4)は類似団体平均値(61.9)と比べ少し高い水準となっている。これは固定資産精緻化事業により、固定資産の法定耐用年数を見直したことで、有形固定資産が減少したものの、減価償却累計額が増加したことで比率が高くなったことが要因である。今後は、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき施設の老朽化対策や更新経費を適切に見込んでいくことが肝要である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率について、当町の値(73.4)と類似団体平均の値(77.0)を比べると若干低い数値となった。これは、固定資産精緻化事業により資産合計純資産合計が減少したこと(純資産減少割合が大きかったこと)が要因である。将来負担比率について、当町の値(20.1)は類似団体平均値(12.0)と比べると高い数値となっている。これは、本庁舎整備事業や織田地区ケーブルテレビ施設更改事業など大型事業の実施に伴う地方債発行により地方債残高が大きく増加したことや、固定資産精緻化事業により有形・無形固定資産合計が減少したことが要因である。公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づく計画的な公共施設やインフラ施設の更新・維持管理を実施し、将来世代への負担増とならないよう努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについて、当町の値(71.0)は類似団体平均値(47.0)を大きく上回っており、人口減少が急速に進む中で、行政コストの削減が進んでいないことが要因である。(令和2年度は特別定額給付金給付事業や新型コロナウイルス感染症対策事業により大幅に増)純行政コストは、対前年度3,032百万円増の14,862百万円となった。これは、経常費用のうち移転費用が、特別定額給付金の皆増や福井県丹南広域組合負担金の増、新型コロナウイルス感染症対策事業関連補助の皆増、他会計への繰出金の増などにより、対前年度2,097百万円増の7,197百万円となった。また、経常費用のうち業務費用の物件費等が小中学校学習者用指導者用タブレット機器ICT機器購入費の増や役場本庁舎備品整備業務による増、ふるさと納税推進事業関連経費の増により、対前年度687百万円増の5,903百万円となったことが要因である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は70.8万円で、類似団体平均値(38.6万円)と比較すると非常に高い状況が続いている。負債合計は、対前年度1,735百万円増の14,815百万円となった。これは、固定負債のうち地方債は平成29年度までは減少してきていたが、平成30年度は統合学校給食センター建設事業、令和元年度から令和2年度にかけては役場本庁舎整備事業に伴う起債の新規発行により増加に転じている。なお、地方債残高は令和3年度にピークを迎える見込み。また、流動負債のうち1年内償還予定地方債が、統合学校給食センター建設事業の元金償還が開始されたことなどにより増となったことが要因である。基礎的財政収支について、業務活動収支は対前年度471百万円減の72百万円となった。これはふるさと納税推進事業に係る業者委託料等など町単独事業の増のため業務活動に係る支出の増加額が収入の増加額を上回ったことが要因である。また、投資活動収支は、役場本庁舎整備や織田地区ケーブルテレビ光化促進工事等に伴う公共施設等整備費支出が大きく増加したことで、対前年度1,212百万円減の△2,138百万円となった。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和2年度の経常収益は対前年度391百万円減の272百万円となった。これは、令和元年度に地域振興基金や地域福祉基金などで基金運用として国債売却により運用益が増となっていたことや、町外からの広域保育受託者数の減による広域保育受託料の減、プレミアム付商品券売払代金の減が主な要因である。経常費用は、対前年度2,707百万円増の14,973百万円となった。これは、補助費等において、特別定額給付金の皆増や福井県丹南広域組合負担金の増、新型コロナウイルス感染症対策事業関連補助金が皆増となったことや、国民健康保険事業特別会計など他会計への繰出金の増、物件費等において小中学校学習者用指導者用タブレット機器、ICT機器購入費の増や役場本庁舎備品整備業務による増などが要因である。これにより受益者負担比率は対前年度3.6ポイント減の1.8%となった。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,