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宮城県仙台市:自動車運送事業の経営状況(2022年度)

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経営比較分析表(2022年度)

経常収支比率

営業収支比率

流動比率

累積欠損金比率

利用者1回当たり他会計負担額

利用者1回当たり運行経費

他会計負担比率

企業債残高対料金収入比率

有形固定資産減価償却率

経営の健全性について

〇事業の状況本市バス事業においては、令和3年3月に策定した「仙台市交通事業経営計画(令和3~12年度)」に基づき、利用状況に応じた運行効率化やバス運転業務の管理の委託等の経営改善に取り組んでいる。令和4年度は、コロナの影響からの乗車人員回復により、表①経常収支比率、表②営業収支比率及び表④累積欠損金比率が対前年度で改善したものの、目標値には達しておらず引き続き厳しい経営状況にある。資金繰りの悪化に対して、特別減収対策企業債1億円を起債することで、資金不足比率を3.7%にとどめ、経営健全化団体への転落を回避した。しかしながら、表③のとおり流動比率は54.5%と低位にあり、資金繰り安定のための対策が必要である。〇独立採算の状況表⑥のとおり利用者1回当たり運行経費は対前年度で18.8円減少したが、これは前掲の乗車人員の回復と便数調整による運行効率化によるものと考えられる。他方、一般会計の負担額は令和4年度で約34億円となり、表⑤⑦のとおり依然として公営企業平均値と比較して非常に高い水準にある。公営企業として補助金への過度な依存は適切でないことから、営業収支の改善を図り、負担額の抑制に取り組んでいく。〇資産及び負債の状況表⑧企業債残高対料金収入比率及び表⑨有形固定資産減価償却率は公営企業平均値と比較しても高い水準にあるため、投資の選択と集中を行いながら、企業債の償還原資の確保に向けた経営改善に取り組む必要がある。

走行キロ当たりの収入

走行キロ当たりの運送原価

走行キロ当たりの人件費

経営の効率性について

本市は、需要が減少していく中でも、不採算路線も含め便数等のサービス供給量を極力維持していたこともあり、表④のとおり乗車効率が低い値となり、表①②のとおり、走行キロ当たりの収入がキロ当たりの運送原価を下回る等、運行効率が低い状態にある。対民間事業者平均値では、表①~③のとおり走行キロ当たりの収入・費用ともに高い状態にあるが、本市バスは、東北ブロック管内の民間事業者と比較して都市部(キロ当たりの収入が多くなる一方、走行に時間を要し運行経費も高くなる)の走行割合が大きいと考えられることから、指標値から単純に効率性を比較することは困難である。令和4年度においては、燃料費の高騰等により表②の運送原価は上昇した。また、表③の人件費は減少し、民間事業者平均値との差も縮小した。

全体総括

需要の減少による慢性的な営業赤字に対し、人件費の抑制やバス運転業務等の管理の委託など、運送原価の縮減を図ることで対応してきたため、費用の削減は限界が近づき、これ以上の費用削減は見込めない状況となった。従来の事業量を維持したままでは、資金不足比率が20%を超過する見通しとなったことから、前掲の経営計画では、利用状況に応じた運行効率化(一定エリアの路線廃止や減便)や運賃改定に取り組むこととしていた。しかし、コロナ禍以降の乗車人員減等の影響が想定より大きく、計画策定時の収支見通しからも大きく乖離が生じている状況であるため、外部有識者により構成される経営検討委員会を令和5年度より設置し、運賃改定幅の再検討等、抜本的な経営改善策に取り組むべく、経営計画の見直しに着手しているところである。

出典: 経営比較分析表,

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