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人口の減少や高齢化の進行(平成22国勢調査における高齢化率33.7%)、基幹産業である1次産業の衰退等により自主財源に乏しく、広大な市域に居住地が点在していることから行政コストも割高であるため、財政力指数は非常に低い水準となり、地方交付税に依存した財政状況となっている。これらの現状を踏まえ、平成26年度には、総合計画・行財政改革大綱・財政健全化計画等の主要計画の見直しを行った。今後は、新たな計画に基づき、地場産業の振興と、より一層の行政の効率化を進め、財政基盤の強化に努める。
職員数の削減や給与改定(国の要請に伴う時限措置)に伴う人件費の減等により、経常収支比率は前年度より1.2ポイント減少した。しかしながら、人件費を除く物件費や扶助費等の経常経費は年々増加傾向にある反面、経常一般財源は減少傾向にあり、今後合併算定替期間終了に伴う普通交付税の減少も想定され、財政運営はより一層厳しくなるものと見込まれる。徹底した事業選別と予算の重点配分により地域経済の活性化を図るとともに、組織の効率化や施設統廃合等の行財政改革を継続して進め、持続可能な財政基盤の確立に努める。
広大な市域に居住地が点在する本市では、毎年職員数の削減等に努めているものの、類似団体と比べ、依然として職員数や市有施設が多い状況にある。今後も、将来の組織体制を見据えながら、事務事業の見直しやアウトソーシングの推進等により計画的な定員管理を行うとともに、施設の統廃合など資産管理の強化を図り、人件費・物件費等のコスト低減に継続して取り組む必要がある。
国家公務員の時限的な給与削減措置の終了に伴い、前年度と比べ8.0ポイント減と大きく低下した。また、全国市平均と比べると2.9ポイント低い給与水準となっている。給与改定については、人事院勧告及び熊本県人事委員会勧告などを参考に今後も適正に行っていく必要がある。
10団体の広域合併で抱える職員数は、毎年減少傾向にあるものの、類似団体と比べ依然として多い状況にある。今後も、定員適正化計画における目標の達成を目指して、行財政改革の取組みにより業務の効率化を図りながら、計画的な定員管理に努める。
繰上償還の実施や新発債の抑制等の取組みにより、実質公債費比率は減少傾向にある。しかしながら、今後、学校等の大型建設事業や、施設の老朽化に伴う更新事業の増加が見込まれるため、緊急度や住民のニーズを的確に把握した事業の選別を行い、地方債に大きく頼ることのない財政運営に努める必要がある。
地方債について、毎年、新発債の額がその年の元金償還額を上回らないよう抑制しているため残高が減少しており、将来負担比率は改善傾向にある。しかし今後は、地方交付税の減少と、一般会計での大型投資事業が見込まれており、地方債の増発や基金の取り崩しが予測されるため、より一層財政の健全化に努める必要がある。
国からの要請に伴う給与改定(時限措置)等により、前年度と比べ2.0ポイント減少した。今後も、アウトソーシングや事務事業の改善などにより行政の効率化を進め、職員数や給与水準の管理を徹底して行い、人件費全体の抑制に努める。
指定管理者制度の活用による委託費等の増により、物件費に係る経常収支比率は0.5ポイントの増となった。今後も、普通交付税の段階的減少が見込まれ、税収の急速な回復も困難であると予測されるため、事業の見直しや施設の統廃合を積極的に進め、コスト削減に努める。
高齢化の進行や要介護者の重度化、福祉ニーズの多様化等により、扶助費は年々増加傾向にあり、経常収支比率は前年度と比較して0.1ポイント増加した。生活保護費については微増しているものの、過去数年に比べ伸び率が低くなっている。今後も、高齢化の進行は見込まれ、保護費削減等も急速には困難と思われるが、効果的・効率的な介護予防や地域支援事業に取り組むとともに、地場産業の振興による雇用の場の確保に努める必要がある。
その他に係る経常収支比率が類似団体を上回っているのは、各特別会計への繰出金によるものである。人口減少や高齢化が進行する中ではあるが、各公営企業会計については、料金体系の見直しや経営改善への取組みを強力に進めるとともに、国保・介護等の特別会計においても、各種予防事業等により医療費等の抑制に努め、一般会計の負担軽減を図る必要がある。
広域連合負担金等の補助費は減少したものの、イベント等への経常化した補助金が増加したほか、経常一般財源の減少が影響し、前年度に比べ0.1ポイント増加した。例年、類似団体の比率も上回る状況にあるため、補助金交付基準の見直し等を進める必要がある。
合併後のインフラ整備や学校統廃合に要した地方債、臨時財政対策債等の定時償還額の増加、経常一般財源等の減少が影響し、近年微増を続けている。今後も大型投資事業が控えており、公債費の増加が見込まれるため、各施設の整備については優先順位をつけた計画的な実施を行い、全体的な地方債の抑制に努める。
類似団体を4.3ポイント下回っているものの、扶助費等が増える一方で経常一般財源は年々減少しており、普通交付税の縮減を見据えると非常に厳しい状況にある。今後も、徹底した行財政改革の取組みにより業務の効率化を図るとともに、費用対効果を的確に判断して事業の取捨選択を行い、行政コストの削減に努める必要がある。
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