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前年度より0.03ポイント改善し、類似団体や全国、県平均を上回る値となっている。歳出では、自立支援給付費などの扶助費や繰出金の増加が続いているが、歳入では、市税が償却資産の増加による固定資産税の増加など、若干ではあるが増加傾向にあり、財政力指数はほぼ横ばいの値を保ってきたところである。中期的な財政見通しでは、扶助費や繰出金等の増加による財政状況の悪化が予測されるため、行財政健全化方針(平成28年度策定)及び実施計画(平成29年度策定)に基づき、業務の効率化や事務事業の整理統合等に取り組み、財政構造の健全化を図っていく。
社会情勢の変化に伴い繰出金や扶助費の増加傾向が続いている。一方で、健康づくりなど、医療費等の抑制に向けた施策も実施しているが、短期的には社会保障経費の抑制につながっていない。また、減少を続けてきた公債費も、近年の普通建設事業の増加により今後増加に転じる見込みである。公共施設等総合管理計画に基づき財政負担の軽減・平準化の実現にむけた公共施設マネジメントの確立を目指す。また、経常経費全般の抑制のため、補助金等事務事業の整理や組織・運用の合理化、予算編成手法の見直しなどを具体化し、持続可能な財政運営を目指していく。
行財政改革として人員削減を行ってきた結果、類似団体に比べて職員数が少なく、物件費についても、行政評価による事業の見直しや、経常的経費の枠配分予算編成を行うなど抑制に努めてきた経過がある。このことにより、1人当たり人件費・物件費等の決算額は、類似団体や県平均を下回っている。今後もこうした取り組みを継続し、さらなる改善に努める。
55歳超の管理職員給料・管理職手当を1.5%カットするなどの対策を行っているが、依然として類似団体との比較や全国平均と比較しても高い水準にあるため、今後も給与水準の適正化について検討し、実施していく必要がある。
集中改革プラン等に基づく人員削減を実施してきたことで、人口千人当たり職員数は類似団体を大きく下回っている。行財政健全化方針及び行財政健全化実施計画においても職員数や職員が担うべき業務範囲等の検討を行うこととしており、引き続き、定員の最適化に努めていく。
過年度発行債(地方道路等整備事業債など)の償還終了や公債費に準ずる債務負担行為の減少(償還終了に伴う土地改良事業負担金)により、平成28年度の実質公債費比率は7.4%、前年比1.3ポイントの改善となった。今後の見込みでは、一般会計における公共施設の更新や下水道事業に対する公債費繰出など、公債費負担の増加要因があるため、市全体の財政運営の中で起債発行額の適正化を図る必要がある。
過年度発行債の償還が進む一方で、公営住宅(常用団地)建設に伴う起債発行等により起債残高は微増となったが、住宅使用料など充当可能財源が増加したことにより平成28年度の将来負担額は44.3%と1.5ポイント改善した。今後の見込みでは、一般会計における公共施設の更新や下水道事業に対する公債費繰出など、公債費負担の増加要因があるため、市全体の財政運営の中で起債発行額の適正化を図る必要がある。
人件費については類似団体の平均値とほぼ同水準で推移している。平成28年度は定年退職者が前年度を上回ったため、一時的に経費(退職手当)が増加した。55歳超の管理職職員給料の1.5%カットなどの人件費抑制策を実施し、引き続き人件費の抑制に努めていく。
行政評価と連動した予算編成により、事務事業に係る物件費の削減については一定の成果をあげてきたが、学校給食調理業務など業務の民間委託を進めることによる委託料の増加もあり、物件費における経常収支比率も増加している。行財政健全化の取り組みとして、今後も事業の委託化を検討していくが、人件費の減少など、それに見合う財政効果があるか比較・検証しながら進めていく。
扶助費については、類似団体の平均値を上回っている。平成28年度も前年度に引き続き保育所運営経費や障害者自立支援給付費が増加し、経常収支比率が0.9ポイント悪化した。、健康づくりや特定健診など医療費の抑制に向けた取組等も行っているが、多くは障害者支援や子育て支援など社会保障経費として避けられない経費であり、この増加分は他の性質経費、事業の再構築により対応せざるを得ない状況である。
その他の経費では、国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険等の特別会計、下水道事業への繰出金が増加したこと等により、1.8ポイント上昇した。社会の高齢化が進むなかで、医療や介護に対する負担も年々増加しており、今後も繰出金が増加する要因となるため、市全体の財政運営の中でバランスを取りながら事業の計画、実施を行っていく必要がある。
地方独立行政法人筑後市立病院への交付金や一部事務組合負担金が多額であることも要因となり、例年類似団体より高い値で推移してきた。平成28年度は八女西部広域事務組合への負担金が減少したことなどにより1.5ポイント改善した。各種団体への補助金については、行財政健全化の取り組みとして見直しを検討することとしており、各補助金の目的や効果、必要性などを検証していく。
類似団体と比較し8.2ポイント低い値となっている。しかし、継続事業として取り組んでいる防災拠点の整備や学校や市庁舎などの老朽化に伴う整備も必要な状況にあり、今後は起債残高が増加することも想定されるため、新規事業の抑制、優先度に応じた実施など計画的な財政運営に努めることで公債費の増加を抑えていく。
類似団体平均を11.0ポイント上回っている。扶助費(5.3ポイント)やその他(3.0ポイント)で類似団体平均値と乖離した値となっていることが主な要因である。
類似団体と比較しても平均的な数値であるが、将来的な施設の更新について多大な費用が見込まれるため、平成28年度に策定した筑後市公共施設等総合管理計画では、今後10年間で耐用年数が到来する施設全体の10%削減を目標としている。今年度以降、個別施設についても、公共施設等総合管理計画に基づき施設の統廃合や複合化等を検討していく。
将来負担比率は減少傾向で推移しているが、将来的には、庁舎や公営住宅など老朽化の進む施設の更新により、将来負担の増加が懸念される。公共施設等総合管理計画に基づいて施設の更新費用の抑制と平準化に努めつつ、施設の健全な機能維持に努めていく。
繰上償還の実施や新規債発行の抑制を行ってきたことにより、将来負担比率と実質公債費比率ともに類似団体と比較して低い水準である。今後は庁舎の更新等、大規模な施設更新の予定もあり、将来負担比率や実質公債費比率の増加が懸念されることから、他の建設事業等の抑制や予防保守の実施など施設維持管理経費の低減に努める必要がある。
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