経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を上回っており、経営の健全性は保たれている。流動比率は100%を上回っているものの、支払い能力を高めるための流動資産の増加に取り組む必要がある。企業債残高については、一般会計からの繰入により償還しており、流域下水道事業の負担はない。また、施設利用率も類似団体より高く、適切な施設規模となっている。なお、本県の下水道事業は、令和2年度から地方公営企業法を一部適用し、公営企業会計に移行したことから経年比較はできない。
老朽化の状況について
本県の流域下水道は、平成2年供用開始と比較的新しいものであるため、老朽化した管渠はなく、更新した管渠もない。今後の中長期の老朽化対策として、令和2年度にストックマネジメント計画を策定し、計画的・効率的な維持管理・改築更新に取り組んでいくこととしている。
全体総括
他の類似団体と比較して、本県の流域下水道事業の経営指標は健全性が確保されている。しかし、水洗化率が全国平均より低く、家屋への接続率の向上が課題となっている。これにより、汚水処理原価については、類似団体と比較して高くなっており、改善のためには関連市の下水道接続人口の増加を図っていく必要がある。