簡易水道事業(法適用) 公共下水道 農業集落排水施設 国保病院 簡易水道事業(法適用) 特定地域排水処理施設
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人口減少や49%を超える高齢化率に加え、基幹産業である農林業の低迷が依然として続き、財政基盤も弱く全国市町村平均や類似団体を大きく下回っている。これまでには、歳出面で職階の短縮、一般職5%給与カット、特別職の一部報酬減等による人件費削減、歳入面においては、分担金・負担金を見直すことや税・使用料の収納率の向上に取り組んできたが、今後においても、財政規模に応じた職員数の適正化や農林業の基盤整備による生産量の拡大に努め、「いつまでも住み続けたい、住んでみたいまちづくり」を展開しつつ、行財政改革に取り組み健全化を図る必要がある。
令和3年度は前年度から4.7ポイント減少し81.7%となった。普通交付税の大幅な増額が経常収支比率の減少の主な要因として影響している。投資的経費や扶助費の増加により歳出総額は前年度より増加したものの、普通交付税が増額されたことに加え、再算定による追加交付があったことにより、普通交付税は対前年比で2億1千万円(4.9%)となり、経常収支比率は減少した。人口は減少していくものの今後必要となるコストはしばらくの間一定の規模を維持し続けるものと予想される。また施設の老朽化が深刻であり、将来にわたってコストの削減が図られるよう公共施設等総合管理計画に基づいて施設の適正化を図り、一層歳出規模の適正化を進めていかなければならない。
主に人件費が要因となり、全国平均や県平均と比較しても約3倍の決算額となっている。また昨年に引き続き、類似団体の中でも高い水準に位置している。主な要因としては、町村合併に伴い一部事務組合から引き継いだ消防本部、養護老人ホームやごみ処理施設等の運営を町独自で実施することとなったため職員数が増加したことに伴う人件費や、その施設の維持管理費が増加したことなどが挙げられる。さらに、令和3年度においては旧面河支所解体工事や庁内ネットワーク仮想化業務などの大型事業実施により物件費決算額も増加した。さらには、過疎・少子高齢化等に伴う人口減少により、人口一人当たりの決算額数値を引き上げている。
平成23年度より国の給与水準引き下げにより高水準となっていたが、国給与制限解除以降は低水準となった。前年度から数値は変化がないものの、引き続き類似団体平均値より低い値となっている。今後も人事評価制度の運用により、給与水準の適正化に努める。
平成16年8月に町村合併、翌年1月の一部事務組合解散による職員受入があったことから、職員数については相当数の増となり、一般行政職員の採用凍結の実施、定年退職等により減少を重ねてきたが、依然として全国平均・県平均との比較では突出して職員が多く、人口1,000人当たり職員数は類似団体の中でも高い数値であり、令和3年度は29.80人となっている。県内最大面積の本町では、集落点在による行政効率が悪く、行政サービスの低下を招かないためにも多くの職員数が必要であるが、経常的固定経費の維持が財政硬直化の最大要因となることから事業規模に応じた定員適正化を今後においても進める必要がある。
前年度比0.7ポイント改善した。平成29年度から過去の大規模事業の償還が開始となったことを要因として令和元年度まで連続して悪化を続けていたが、令和2年度に改善に転じた。引き続き地方債の借入限度を設けるなど抑制を継続し比率改善を目指していく。
充当可能基金、充当可能特定歳入、基準財政需要額算入見込額はいずれも前年度より減額となっているが、充当可能財源は将来負担額を上回っており、将来負担比率は令和3年度も表れない結果となった。今後も人口減少により普通交付税の削減が見込まれ、財政の硬直化が進むため、現状の財政規模を維持する場合は、地方債の発行額の増加や基金の取り崩しを行いながら維持しなければならないことが懸念されるため、中長期的に段階を踏まえた財政改善を進めることとしている。
町村合併に伴い一部事務組合の職員の身分をそのまま引き継いだことにより、町の規模に対して職員数が増大し、経常収支比率を押し上げる要因となっている(32.2%類似団体平均23.3%)が、職員の定員管理や給与の適正化等に努めており、町村合併を行った平成16年度と比較して、職員数や職員給与費は着実に減少してきた。しかし、近年退職による欠員の補充をある程度行うようになり、そのことを原因とした人件費の増加傾向もみられるほか、会計年度任用職員制度の影響により、今後も比較的高いままの推移が見込まれる。引続き職員の適正な人員配置や定員の適正化を図り、人件費の削減に努める。
物品(車両や消耗品等)や契約等の一元化に取り組み、コスト削減を図ってきたところである。地理的要因により行政効率が悪いうえに、公共施設の指定管理者制度の導入やごみ処理等の委託業務によって、今後増加する要因も見込まれ、より経費節減に取り組む必要がある。
扶助費については、ここ近年は比較的減少傾向にあり、令和3年度は前年度より0.1%減少し、ここ近年で一番低い数値となった。扶助費についてはその年度の需要によって左右されることが多い。全国平均と比較しても低い状況であるが、町の高齢化率の高さに起因する医療扶助の増加が寄与しており、今後は増加傾向が続くものと思われ、町単独扶助事業の効果検証を行うなどの改善は引き続き進めていく必要がある。
その他については、国民健康保険や介護保険や下水道事業など特別会計への繰出金が主なものである。これまでは比較的増加傾向であったが、令和3年度については減少となっている。今後も各事業において、効率的かつ合理的な経費削減に努めるとともに、公営企業については独立採算の原則のもと経営努力する必要がある。
補助費等については、徹底した補助見直し等により低い水準を保ってきた。平成30年度は久万こども園施設型給付費の増を主な要因として0.9ポイントの増、令和元年度についても前年度比0.5ポイントの増であったが、補助見直しを継続して進めていることにより令和元年度以降は減少しており、類似団体平均と比較しても低い水準を保っている。今後も定期的に費用対効果を検証するなどして、廃止・見直し継続等のメリハリのある判断が必要である。
町村合併時に整備した事業により地方債現在高が増加していたが、近年は公営企業債の元利償還金に対する繰入金を合わせても類似団体の平均水準以下まで改善されてきている。今後も中長期を見据えた地方債の新規発行の適正化に努め、身の丈に合った規模の普通建設事業を進めることで、安定レベルの公債費負担を維持することとしている。
ここ数年、公債費以外に係る経常収支比率は類似団体平均との差が開いていく傾向にあったが、令和3年度については、前年度と比較して全ての項目でポイントが下がったため、類似団体との差が縮まった。普通交付税が歳入の大半を占め、財政的に脆弱な当町であるが、必要最小限の経費で最大の効果が得られるよう創意工夫し、住民サービスを低下させることなく質を高め、今後も経常的経費の削減に努めることはもちろんのこと、中長期的な視点で行財政運営の健全化に努める。
(増減理由)基金全体で残高のピークが平成28年度となっており、平成29年度からは減少に転じ、その後は減少傾向にある。これは、予算編成時の財源不足分が平成29から生じ、その補填のために財政調整基金の繰り入れが必要となってきたことと、近年の自然災害の増加に伴う復旧費に基金を充てたことによるものである。また、特定目的基金は環境衛生センターストックヤード整備事業、旧面河支所解体事業、農業公園敷地購入事業等の事業充当のため取り崩しを行っており、総額で減少してきている。(今後の方針)今後は、高齢化、過疎化により自主財源が乏しい上、町の主要財源の交付税が人口減少によって減収していくことから、厳しい財政状況が続くと予想され、基金による財源調整が必要となるため減少傾向が続くことが見込まれる。平成30年度に特定目的基金を再編したが、今後も目的に沿った基金活用を行う。また、積み立て財源が予算内で確保できれば積み立てを行い、必要な事業執行が今後も続けられるように備える。
(増減理由)増加となった要因は、令和2年度より徴収している菅生残土処理場使用料を財政調整基金へ積み立てていることによるものであり、今後しばらくの間経常的に収入が見込めるものとなっている。また一方では、一般会計の財源不足を補填するために繰り入れを実施し、令和3年度は当初予算編成時の財源不足分の補填、災害復旧事業財源、補正や専決予算の財源としての取り崩しも行っている。(今後の方針)基金額は近年増加している災害への備えと、合併算定替え終了後の普通交付税の減少を見込み、財源不足に陥らないように積極的な積み立てを行ったことにより増加してきたが、予算編成時の財源不足が年々顕著になっており、今後は財源調整のための取り崩し額が増加すると見込まれる。今後の積み立ては、歳計剰余金と運用利子に加え残土処理場使用料より積み立てを行う見込みだが、運用を定期預金に頼らず債権運用の額を増やすなどして少しでも積み立て財源の確保を行っていく。
(増減理由)普通交付税の再算定において追加交付となった臨時財政対策債償還基金費分の積み立てを行い、令和3の減債基金は増加となった。(今後の方針)現在繰上償還を予定しておらず、当面計画的な積み立て、取り崩しはともになく、現状維持の方針である。
(基金の使途)町の事業執行に必要な特定目的基金が令和3年度現在18基金ある。学校、福祉、農林、環境、防災などそれぞれの目的に沿った基金から、年間の予算に必要とする財源を繰り入れて活用している。(増減理由)令和元に対前年度-250百万円となった要因は、防災減災基金(旧柳谷支所解体工事監理・防災情報伝達システム整備工事等)-82百万円、まちづくり地域振興基金(元気な地域づくり支援事業等)-1百万円、農林業担い手育成確保対策事業地域振興基金(農業公園研修生への補助金等)-27百万円、森林基金(原木流通支援事業)-5百万円、子どもの成長応援基金(子どもの成長応援事業補助金等)4百万円、肉用牛産地強化支援事業基金(肉用牛購入)-2百万円、環境保全基金(ごみ焼却施設解体撤去工事・粗大ごみ解体用ミニショベル購入)-97百万円、中山間ふるさと水と土保全基金(産業用道路管理補助金交付事業)-1百万円の取り崩しである。令和2に対前年度-164百万円となった要因は、防災減災基金(防災情報伝達システム整備工事・町民館耐震補強・改修等工事等)-115百万円、まちづくり地域振興基金(情報通信基盤整備事業等)-2百万円、農林業担い手育成確保対策事業地域振興基金(農業公園研修生への補助金等)-29百万円、森林基金(原木流通支援事業)-5百万円、子どもの成長応援基金(子どもの成長応援事業補助金等)2百万円、肉用牛産地強化支援事業基金(肉用牛購入)-1百万円、環境保全基金(し尿運搬中継施設対策工事・環境衛生センターストックヤード実施設計委託)-9百万円、中山間ふるさと水と土保全基金(産業用道路管理補助金交付事業)-1百万円、公共施設等総合管理基金(久万高原天体観測館星天城屋根瓦改修工事)-5百万円、国民宿舎基金(施設修繕工事)-4百万円の取り崩しである。令和3に対前年度-195百万円となった要因は、防災減災基金(旧面河支所解体事業・消防団移動系無線工事監理)-114百万円、まちづくり地域振興基金(情報通信基盤整備事業等)-4百万円、農林業担い手育成確保対策事業地域振興基金(農業公園敷地購入費等)-48百万円、子どもの成長応援基金(子どもの成長応援事業補助金等)2百万円、肉用牛産地強化支援事業基金(肉用牛購入)-3百万円、環境保全基金(環境衛生センターストックヤード整備事業)-170百万円、中山間ふるさと水と土保全基金(産業用道路管理補助金交付事業)-1百万円、公共施設等総合管理基金(産業文化会館空調設備及びトイレ改修工事・町内学校施設非構造物材耐震等点検業務等)-67百万円、交流拠点施設道の駅「天空の郷さんさん」基金(施設修繕工事等)-2百万円の取り崩しである。その他の基金は、事業内で収入があった場合及び運用利息を積み立て、事業執行時に取り崩しをしている。(今後の方針)平成30年度末に特定目的基金の再編を行い、22⇒17に整理した。今後の財政計画に沿った財源調整に活用するため各基金の取り崩し及び積み立て見通しを行い、計画的かつ適正な管理を行う。また、目的が終了した基金は適宜廃止していく。
平成26年に策定し令和3年度に改定した公共施設等総合管理計画において、老朽化した施設の集約化・複合化や除却により施設総量を縮減し、将来の更新費用を削減することを目的としている。しかし、有形固定資産減価償却率は類似団体平均より高い水準にあり、今後は計画の進捗管理や見直しを実施することが必要である。
債務償還費率については、類似団体、県平均よりも低い数字となっている。今後については、大型事業実施に伴う将来負担額の増加及び基金残高の減少等の要因により数値は上昇していく見込みであるが、引き続き健全な状態を維持できるよう努めていく。
地方債の新規発行抑制などに努めてきた結果、将来負担比率は低下し数値に表れない状況が続いている。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、上昇傾向にある。公共施設等総合管理計画に基づき、今後は老朽化対策に積極的に取り組んでいくことが必要である。
実質公債費比率は類似団体と比較して高いものの、将来負担比率はゼロとなっている。これは、公債費適正化計画に基づき普通建設事業に係る地方債発行の抑制効果が数値に表れている状況である。今後は、大型事業の償還開始により元利償還金が大きくなる見込みであるが、引き続き健全化に努める。
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