経営の健全性・効率性について
木浦・有津地区については整備中であり、有収水量が少ない。また、地形上自然流下のみでは汚水を収集できないので、多くのマンホールポンプを整備しているため汚水処理原価が類似団体平均値と比べて高くなっている。また、公共下水道事業の料金体系に準じた料金設定にしており、汚水処理原価が高いため、経費回収率については、類似団体平均値と比べて低くなっている。平成28年度から地方公営企業法の一部適用を行い企業会計へ移行するにあたり、平成27年度は平成28年3月31日で打ち切り決算を行ったため、収益的収支比率、経費回収率及び企業債残高対事業規模比率が前年度より悪化している。人口減少や節水機器の普及、社会情勢の変化による上水道使用量の減少等の要因と整備中の処理区があることにより施設利用率は、類似団体平均値と比べて低くなっている。水洗化率については、未接続世帯への接続促進を行っているものの、類似団体平均値と比べて低くなっている。
老朽化の状況について
島嶼部の3処理区で汚泥の脱水を行っている移動脱水車が老朽化したため、平成28年度に更新している。6処理区の内5処理区は供用開始から20年未満であるため、大規模な改修が必要な施設はほとんどない。今後は、供用開始後20年を超えてくるため、事故の未然防止及びライフサイクルコストの最小限化を図る必要がある。
全体総括
今後策定するストックマネジメント計画に基づき施設全体での最適な改築更新に取り組むこととしており、施設の統廃合についても検討している。整備事業のピークは過ぎているため、地方債償還金については逓減することから、汚水処理原価についても逓減し、経費回収率も改善すると考えている。また、資産の老朽化や人口減少等に伴う料金収入の減少に対応するため、平成28年度に策定する経営戦略に沿って、経営基盤強化と財政マネジメントの向上を図る。