経営の健全性・効率性について
萩市の漁業集落排水事業は、県内でも比較的古い昭和59年に供用開始、その後8処理区を順次供用開始している。供用開始した8処理区のうち1処理区が現在も整備中である。なお、平成25年に特定環境保全公共下水道と隣接している1処理区を統合している。地方公営企業法適用前年に打ち切り決算を行ったため、未収金及び未払金が生じることとなったが汚水処理原価以外の指標は大きな数値の変動は生じなかった。企業債残高対事業規模比率については、平成28年度から算定基準の変更により一般会計が負担する企業債が増加したことから数値は無い。施設利用率及び水洗化率については、平成27年度に新規の供用開始を行った処理区があったため一時的に数値が低くなったが、その後は大きな変動はない。また、本事業は人口密集地に比べ人口減少率が大きいことから大幅な増加は見込まれない。
老朽化の状況について
供用開始から30年を経過している処理施設については、過去に大規模な更新改良を行っている。供用開始からある程度経過した処理施設については、計画的な分解整備等により延命化を図っているところである。管渠については、更新改良を行っていないが必要に応じて調査を行っていく予定である。今後はストックマネジメント方式による計画的・効率的な維持管理と改築を図ることが必要となっている。
全体総括
地方公営企業法適用前年ということで打ち切り決算となっているため数値に多少の影響が出ている。汚水処理原価は平均値より低く維持管理費は削減できているとみられるが、人口減少などによる使用料収入の減少により経費回収率の大幅な改善は見込めない。平成26年に下水道及び集落排水等の使用料を統一し、平成30年度からは地方公営企業法の適用に併せて事業別にあった特別会計を公営企業会計として一本化することから、萩市全体で一つの下水道事業として持続可能な事業運営に取り組んでいくところである。