経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、毎年度100%を上回っている状況が続いており、令和3年度も116.69%であり、経営状況は健全な水準にあるといえる。地方債残高は、新たな借り入れにより増加し、類似団体平均値を大きく上回っている。これは排水処理施設の老朽化に伴い、内浦地区の処理施設の更新を行ったためである。経費回収率も毎年度100%を上回り、類似団体平均と比較しても大きく上回っており、経営に必要な経費を料金収入で賄うことができている。一方、汚水処理原価は、類似団体平均と比較すれば下回っており緩やかな減少傾向にある。これは施設の維持管理費の減少によるものであるが、今後は老朽化委対策のため費用増加が見込まれ、汚水処理原価は増加する見込みである。施設利用率は、過去5年間において同数(22.82%)で推移し、類似団体平均と比較すると低い水準にある。これは、処理区域内人口が減少していることなどによるものであり、今後、汚水処理需要動向によって施設規模の見直しを含めた効率的な事業運営計画を検討する必要がある。水洗化率は100.0%と高く、投資の効率性が高く、使用料収入が高いことからも、効果的な経営が行われている要因の一つとなっている。
老朽化の状況について
地区に1つずつ、計2つの処理施設を抱えており、両排水処理場の施設は、機能診断の上で計画的に整備している。供用開始から30年以上経過していた内浦地区の排水処理場については、令和元年度までに処理場の施設改修及び排水管路改修工事を実施し、令和3年度には施設機能保全工事を完了したところである。
全体総括
現在、経営の効率性、健全性は概ね確保されているといえる。しかしながら、少子・高齢化の進行や、処理区域内人口、大口利用民宿の減少等により、使用料の減少が見込まれ、更なる経費節減に努めていく必要がある。さらに、各指標の傾向を十分に分析し、資産維持等の対策を講じる必要があり、今後も施設の老朽化に備えた処理場施設等の計画的な更新を行い、健全な事業運営に努めていく。