宗像市:漁業集落排水施設

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収集されたデータの年度

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経営比較分析表(2021年度)

経営の健全性・効率性について

漁業集落排水施設(以下、漁集)事業については令和2年度から公営企業会計へ移行した。それに伴い「漁集特別会計」を廃止し、公共下水道事業を経営していた「下水道事業会計」へ会計統合を行った。当市では、沿岸部(岬地区の一部)、離島(地島・大島)で漁集事業を行っている。沿岸部については令和2年度から公共下水道へ圧送を行っている。離島では各々処理場を保有し汚水処理を行っている。①経常収支比率については、一般会計からの繰入金(補填)により、100%をわずかに上回っている。③流動比率については、漁集が保有する流動資産が少ないため100%を下回っているが、「下水道事業会計」全体で経営することで運転資金を確保し健全性・効率性を図っている。④企業債残高対事業規模比率は、料金収入に対する企業債の残高を表すものであるが、最近過去5ヵ年に企業債を借り入れながら施設更新を行ったことで企業債残高が増加したことや、料金収入が少ないため、大きな数値となっている。今後は企業債償還により減少していく見込みである。⑤経費回収率については100%を下回っている。使用料金体系は公共下水道と同一としており使用料収入で補えない経費については一般会計が負担している。⑥汚水処理原価については、離島を有すること等から汚水処理に係る効率性が低い一面があり、類似団体平均と比べ高額となっている。沿岸部(岬地区の一部)については公共下水道へ接続し圧送することにより汚水処理の効率化を図れているが、離島(地島、大島)に関しては公共下水道への接続が物理的に難しく、独自で処理場を保有する必要があるため、効率が悪く処理原価が高くなっている。

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率は、公営企業会計での経営期間が短いことや、岬地区の一部や大島については平成28年から令和2年度までに処理施設等の更新が完了したことにより低い数値となっている。地島については供用開始から20年を迎えようとしており施設の老朽化が進んでいる。定期的な施設点検等により状況を把握し維持管理を行っていく必要がある。管渠については、供用開始から耐用年数を超えるものがなく老朽化率としては計上されていないが、定期的な点検・保守等により施設を維持していく必要がある。

全体総括

漁業集落排水処理施設は、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群と世界遺産登録を受けている当市において、海洋資源と自然を守る上でも重要な施設であり必要不可欠な施設であるが、経営面では料金収入では賄えておらず、一般会計からの繰入金に依存をしている状況である。令和2年度に地方公営企業法を適用し公営企業会計方式へ移行したことにより、財務諸表等が作成され財産状況が明確化した。経営状況を把握し、経営比較分析を行いながら、効率的で安定した事業運営を目指していく。

類似団体【H1】

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