経営の健全性・効率性について
本市においては,平成8年度から整備をすすめ,平成13・14年度に建設事業費の縮減のために,経済比較検討の結果,公共下水道への接続工事を行い,平成15年度に供用を開始しました。①収益的収支比率は,使用料徴収システム更新により経費が一時的に増加したため,前年と比較して減少しているものの黒字となっており,使用料収入で施設の維持管理費が賄えていることを表しています。④企業債残高対事業規模比率は,当該地区においては建設事業が終了しており,使用料収入が安定していることから,今後も類似団体平均値を下回って推移することが予想されます。⑤経費回収率は,収益的収支比率の減少に伴い減少するも,⑦⑧いずれも類似団体平均値を上回っており,⑥汚水処理原価は前年よりも増加しているものの,平均より低廉に抑えられています。来年度は,システム更新が終了したため,収益的収支比率が改善すると見込まれますが,引き続き動向を注視していきます。
老朽化の状況について
本市においては,平成15年度に供用を開始し,管渠の耐用年数の50年と比較して,経過年数が14年と短く,老朽化対策や更新は具体的に発生しておらず,「管渠改善率」は0%となっています。今後は経過年数が増えていくことを踏まえて,事故の未然防止や維持管理・改修費用の抑制のため,長寿命化や更新投資を計画的に実施していく必要があります。
全体総括
農業集落排水事業においては,収益と経費のバランスの均衡が図られつつありますが、地区の過疎化に伴う人口減の動向を注視しつつ,今後も経営戦略に沿って,健全性・効率性の向上に努めます。また,利用者の公平性の観点から,処理施設使用料の滞納には厳正に対処するとともに,経営の財源たる収納率の向上に努めます。