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・県税収入は前年度(30年度)から減少するなど、財政基盤が弱く、交付税に依存する状況は引き続き続いており、必要な事業には積極的に取り組む一方で、真に必要な事業を精査するなど経費の節減合理化を図る等の歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、県有施設の有効活用(19年度~)、ふるさと納税(20年度~)の活性化、広告事業(19年度~)や債権回収などによる積極的な歳入確保に取り組むなど、財政の健全化に努めている。
・歳出面では、社会保障関係経費等は増加傾向であるが、給与の適正化を進めていること、公共事業の必要性を精査すること、不要不急な事業の削減により、結果として県債発行、ひいては公債費(起債の償還)を必要最小限に留めることなど、上昇を抑制する努力を行ってきた。・歳入面では、前年度(平成30年度)から臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が約23億円減となっており、経常収支比率は上昇する結果となった。
・人口1人当たり人件費・物件費等決算額については、それぞれ規模のメリットが大きく反映される指標であり、人口最少の鳥取県においては、類似団体の中でも低い評価となる傾向がある。・19年度当初から31年度当初にかけて約670人の定数削減を行うなどの内部努力や給与制度の見直しにより人件費の削減に努めている。・元年度時点で35の県有施設において指定管理者制度を導入しており、今後も引き続き内部管理経費の削減に努める。
・本県では時限的、特例的ないわゆる「給与カット」は現在行っていないが、「わたり」の廃止や諸手当の見直しなど県独自に給与制度自体の適正化を行い、あわせて民間の水準を考慮した給与改定を行うことにより、恒常的に給与カットと同等以上の人件費削減効果をあげてきたところであり、ラスパイレス指数(給与水準)は令和2年4月1日現在全都道府県中最低の95.4となっている。
・人口10万人当たり職員数については、それぞれ規模のメリットが大きく反映される指標であり、人口最少の鳥取県においては、全国最小レベルの職員数であっても低い評価となる傾向がある。(地方自治体の行政運営においては、人口にかかわらず固定の行政サービスを提供するために配置が義務付け又は必要な職員があること。また、地理的条件や地域特性によって対応すべき課題量は多種多様であることから、人口指標のみで分析及び評価することは困難である。)・平成19年度から平成31年度当初までの取組により約670人の定数削減を実施したことに加え、平成27年度から平成31年度当初までの目標(※1)としてた定数の1%削減も達成した。・前年度と比較して令和元年度の人口10万人当たり職員数が増加しているが、臨時的任用職員の任用の適正化(※2)に伴う職員数の増加が主な要因であり、引き続き限られた人材を有効に活用しながら効率的に行政運営が行えるよう適正な職員体制の構築に努めていく。(※1)定数削減目標:平成27年度当初職員定数3,209人の1%=33人→実績:59人(※2)臨時的任用職員のうち、新たな任期と前の任期の間に一定の期間(いわゆる「空白期間」)を設けていた職員について、空白期間を解消したもの。
・過去の経済対策等に係る地方債償還の進捗や公債費負担の平準化を進めた結果、標準財政規模が減少する中で、0.9ポイント改善した。・類似団体平均より高い数値であるが、県債の新規発行の抑制に努めるなどの財政運営を行うとともに、交付税措置のある起債を有効活用していくことで更なる改善を進めていく。
・新たな財政誘導目標の下、県債の新規発行の抑制に努めるなどの財政運営を行った結果、相対的に高い健全度を保っている。・西日本豪雨等による災害復旧費の増加や、普通建設事業などの増加に伴って一般会計等に係る地方債残高は増加した一方、基金の取崩しや基準財政需要額算入見込額の減少により充当可能財源等が減少した結果、将来負担比率は10.1ポイント上昇した。・引き続き、財政誘導目標の達成に向けて、地方債残高の縮小、基金残高の維持に努める。
・「わたり」の廃止や諸手当の見直しなど県独自に給与制度自体の適正化を行い、あわせて民間の水準を考慮した給与改定を行ってきているが、退職者数の増に伴う退職手当の増により、前年度(平成30年度)と比較し、人件費に係る経常収支比率が高くなっている。・19年度当初から31年度当初にかけて約670人の定数削減を行うなどの内部努力や給与制度の見直しにより人件費の削減に努めている。・今後も、引き続きトータルでの適正化に努めていく。
・町村の福祉事務所設置が進み生活保護費が減少したため、平成23~25年度の経常収支比率は低下したが、25~27年度は一定水準で推移した。28年度は児童措置費の増などにより上昇し、29年度から元年度も同水準となったが、グループ内平均と比較すると、扶助費に係る経常収支比率は低くなっている。
・補助費等に係る経常収支比率は、グループ内平均と比較して低く推移しているが、平成27年度以降上昇している。これは、介護給付費等負担金等の社会保障関係経費等の増加によるものであり、今後もこの傾向は続くことが見込まれる。(平成30年度は国民健康保険特別会計への移行(補助費等→繰出金)により減となっている。)・今後も必要な事業には積極的に取り組む一方で、真に必要な事業を精査するなど経費の節減合理化を図る等の徹底的な見直しを実施していく。
・過年度の起債に係る公債費が増加し、公債費の率は上昇傾向にあったが、償還のピークが過ぎたため低下に転じた。・県債の新規発行の抑制(22:691億円、23:539億円、24:515億円、25:496億円、26:477億円、27:454億円、28:499億円、29:520億円、30:435億円、元:542億円)に努めるとともに、民間資金の借入において、17年度から入札による資金調達を導入するなど、低利な条件での資金調達にも努めている。
・公債費以外に係る経常収支比率は、グループ内平均と比較して低くなっている。今後も必要な事業には積極的に取り組む一方で、真に必要な事業を精査するなど経費の節減合理化を図る等の徹底的な見直しを実施していく。
(増減理由)基金全体の積立額は3,132百万円、取崩額は5,997百万円となり、前年比2,865百万円の減となった。主な増減理由は次のとおり。・地域医療介護総合確保基金:医療及び介護を総合的に確保するための事業に充当1,235百万円・森林整備担い手育成基金:林業従事者の安全衛生の水準の向上や技術及び技能の向上など、森林整備の担い手の育成を図る事業に充当1,190百万円・元気づくり基金:個性豊かで魅力ある地域社会を形成する地方創生の推進に資する事業に充当829百万円・地方債償還のための取崩900百万円等(今後の方針)・引き続き、確実かつ効率的な基金運用を行っていくとともに、県民との約束である財政誘導目標として、令和4年度末時点の財政調整型基金(減債基金を含む5基金)の残高を標準財政規模の1割以上に維持することとしている。
(増減理由)・増減なし(今後の方針)・県民との約束である財政誘導目標として、令和4年度末時点の財政調整型基金の残高を標準財政規模の1割以上に維持することとしている。
(増減理由)・運用益の積立86百万円・地方債償還のための取崩900百万円(今後の方針)・県民との約束である財政誘導目標として、令和4年度末時点の財政調整型基金の残高を標準財政規模の1割以上に維持することとしている。
(基金の使途)・県立公共施設等建設基金:社会福祉施設、社会教育施設、学校、病院、試験研究施設、庁舎その他これらに類する施設で県が設置するものの建設費に充てる。・大規模事業基金:県勢発展の基盤となる大規模事業を円滑に推進するための経費に充てる。・地域医療介護総合確保基金:高齢者等がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療及び介護を総合的に確保するための経費に充てる。(増減理由)・地域医療介護総合確保基金:医療及び介護を総合的に確保するため基金に積立1,635百万円・原子力防災対策基金:島根原子力発電所に係る原子力防災対策の円滑な実施のため基金に積立320百万円・森林環境保全基金:森林環境の保全等の施策の実施のため、県税条例により森林環境保全に資するために加算された県民税を基金に積立173百万円・地域医療介護総合確保基金:医療及び介護を総合的に確保するための事業に充当1,235百万円・森林整備担い手育成基金:林業従事者の安全衛生の水準の向上や技術及び技能の向上など、森林整備の担い手の育成を図る事業に充当1,190百万円・元気づくり基金:個性豊かで魅力ある地域社会を形成する地方創生の推進に資する事業に充当829百万円(今後の方針)・(令和2年度新設)新型コロナウイルス感染症対応企業支援基金:新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業に円滑な資金供給を行い、事業継続及び経営の安定化を図るために新設。・(令和2年度新設)新設ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金:東京オリンピック・パラリンピックの開催に際し、ホストタウン及びキャンプ地での新型コロナウイルス感染症の対策を実施するために新設。・消費者行政活性化基金:国の定める消費者行政活性化事業の終了に伴い、令和3年度中に廃止予定。・県民との約束である財政誘導目標として、令和4年度末時点の財政調整型基金の残高を標準財政規模の1割以上に維持することとしている。
本指標は、グループ団体や道府県平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいることから今後多くの更新投資等が必要になるものと見込まれる。本県においては平成28年3月に「鳥取県公共施設等総合管理計画」を策定し、公共施設等の全体を把握し、長期的な視点をもって、長寿命化・更新・統廃合などを計画的に行うこととしており、今後も本計画に基づき適切に管理・更新を行っていく必要がある。
現時点では、グループ団体や都道府県平均値を下回っており、比較的良好な数値となっている。一方、有形固定資産減価償却率は都道府県の平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいることから今後多くの更新投資が必要になるものと見込まれる。そのため一定の起債の発行が必要となるが、過度な将来負担が発生しないよう計画的に管理・更新を行っていく必要がある。
本県においては、県債の新規発行の抑制に努めるなどの財政運営を行いながら健全な財政運営に努めてきた。しかしながら近年、地方交付税の減少による標準財政規模の縮小や防災関係の起債残高増加、基金残高減少の影響により将来負担比率は上昇傾向にある。一方、有形固定資産減価償却率は都道府県の平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいることから今後多くの更新投資等が必要になるものと見込まれる。そのため今後も一定の起債の発行が必要となるが、過度な将来負担が発生しないよう計画的に管理・更新を行っていく必要がある。
本県においては、公債費の償還が進んだため近年の元利償還金が減少傾向であり、実質公債費比率は改善傾向である。一方、地方交付税の減少による標準財政規模の縮小や起債残高の増加、基金残高減少の影響により将来負担比率は上昇傾向にある。今後も一定の起債発行が必要となるが、過度な将来負担が発生しないよう健全な財政運営に努めていく必要がある。