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継続的な人口減少や、県下で最も高い高齢化率(平成29年末で52.0%)に加え、町内に中心となる産業が無いことと等により、財政基盤が弱く、類似団体内平均を下回っている。さらに、固定資産税、住民税等の地方税による税収も少なく、厳しい状況が続く見込みである。今後も、投資的経費や人件費の抑制等に努め、適正な事業の選択を行うことで歳出の見直しを実施し、かつ地方税の徴収強化に努める。また、長期総合計画に沿った施策の重点化により活力あるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化に努めることで、財政の健全化を図る。
経常収支比率において、分母を構成するもののうち、地方税が微増となったが、地方交付税、臨時財政対策債ともに減となり、分母全体は昨年度よりも減少した。分子を構成するもののうち、扶助費は増となったが、全体としては昨年度よりも減少となった。分子の減少率(-2.19%)よりも分母の減少率(-2.53%)のほうが大きかったことから、昨年度よりも0.3ポイント増加した。しかし、全国的に経常収支比率が増加傾向にあったようで今年度は全国平均、県平均、類似団体内平均を下回る結果となった。今後も税収入や普通交付税の減少が見込まれるため、物件費・維持補修費等事務事業の優先度を精査し、優先度の低い事業については計画的に廃止・縮小を進めるなどして経常経費の削減を図る。
人件費・物件費等について、過去5年間に亘り類似団体内平均を下回っている。平成28年度の人件費について、診療所医師の雇用形態の変化による減、国勢調査調査員報酬の皆減等により前年度比-2.2%となった。また、物件費では、地籍調査費の測量委託料の減、臨時雇保育士賃金の減により前年度比-6.6%となり、結果として人件費・物件費等の決算額は昨年度よりも減額となった。今後、保有する公共施設の維持補修費用がかかることが見込まれるため、需用費の削減や委託先の見直しによる物件費の抑制や、計画的に維持補修を行うことに努め、適正な水準の維持に努める。
類似団体内平均を6.1ポイント上回り、全国町村平均も3.9ポイント上回っているが、当町では税務手当等はすでに廃止しており、給与体系としては健全な状態にあるものと考える。今回、数値が上昇したことに関して、当町では職員の年齢構成が平準化されておらず、年度により数値にばらつきが生じることが要因である。今後も、適正な給与体系を遵守することに努める。
類似団体内平均を下回ってはいるが、依然全国平均、県平均よりも高い数値である。事務事業の見直しやICTの活用、職員の新規採用の抑制等により、行政サービスを維持しつつ適正な定員管理に努める。
適量・適切な事業実施により、類似団体内平均のみならず、全国平均、県平均を下回る5.5%となっている。今後も交付税算入率の高い地方債を活用するとともに、緊急度や住民のニーズを的確に把握し、適正な事業選択を行うことで、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
平成28年度は、21.2%と類似団体内平均と比べて4.4%低い水準にある。これは、人口千人当たり職員数が類似団体平均と比較しても少ないことや、消防業務を委託していることなどが主な要因として挙げられる。今後も、現在の水準を維持できるよう努める。
昨年度よりも0.9%減少し、類似団体内平均を下回る結果となった。物件費のなかで高い割合を占めているのは各種委託料と需用費である。委託料について、バスの運行委託や高齢者生活福祉センター指定管理料など住民サービスに直結したものも多く、廃止等は難しく、需用費についても、電気料金の値上げや保有する施設数の増加に伴う光熱水費の増加など、削減が難しいものが多いのが現状である。今後も消耗品など細々した需用費の抑制や、省エネを推奨し、職員間に省エネを意識づけることで、光熱水費等の抑制に努める。
類似団体内平均を0.2%上回っており、昨年度と比較して0.3%増加している。当町では、障害者自立支援費や児童手当などの占める割合が高く、抑制が難しいのが現状である。今後も、町単独で行っている項目に関しては、縮小・廃止を含めた検討を行い、継続の場合でも支給要件の見直し等を行い、抑制・現状維持に努める。
全国平均、県平均には及ばないものの、類似団体内平均を1.1%上回っている。これは長寿命化計画修繕計画に基づく橋りょう等の維持管理経費の増加等が主な要因である。今後、老朽化した建物などの使用頻度や地元要望を考慮して、廃止も含め検討していくことで、維持補修費の抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体内平均を上回っている理由としては、消防業務委託料や、ごみ処理・し尿処理施設などの各種広域施設分担金が高い割合を占めていることが挙げられる。これらは住民サービスに直結している部分のため削減することが難しいのが現状である。今後は、それら以外の部分での補助金交付事業を精査し、補助金の廃止や統合、補助率の引き下げ、補助要件の見直しなどを行い、補助費等に係る歳出抑制に努める。
公債費に係る経常収支比率は、昨年度から0.8%増加したものの、類似団体内平均を0.3%下回っている。利率の高い地方債などは返済が終わり、借入残高も減少傾向にある。公債費のピークは平成30年度となり、以降は徐々に減少する見込みである。今後も、類似団体内平均と同程度で推移するよう努める。
公債費以外の各項目では、人件費・物件費を除く項目で類似団体内平均を上回ったが、本項目の類似団体内平均は2.9%下回った。人件費では、類似団体内平均が昨年度比1.2%上昇したのに対し、当町は0.6%上昇にとどまったこと、物件費では、昨年度と比べて0.9%減少し、類似団体内平均を下回る結果となったことが要因である。今後も、扶助費等の抑制が厳しい項目では現状維持に努めながらも、物件費や補助費、その他など抑制の余地のある部分では事業の見直し等に取り組み、増加しないよう努める。
当町では起債を抑制しつつ、各種基金への積立を行ってきたため、平成21年度から将来負担比率は0となっており、実質公債費比率も年々減少している。今後の見通しとしては、平成28年度以降に過疎債等を財源として簡易水道の建設を予定しており、具体的な年度は確定していないが防災基金を使用した大型事業も予定している。また、町営住宅や保健福祉センターの建設財源として基金の取崩し・起債の借入を行っているため、将来負担比率及び実質公債費比率は数値が増加する見込みである。以上のことを踏まえつつ、今後も起債に頼らない財政運営を心掛けながら、必要に応じ各種目的基金への積立を行うこととする。
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