経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、地方債償還金の返済費用が年々増加している為、比率は減少傾向にあります。企業債残高対事業規模比率は、償還により着実に企業債残高が減少傾向にあり、類似団体平均値を下回っていますが、老朽化対策にかかる将来的な財源需要を考慮すると、楽観できる状況ではありません。汚水処理原価が増加傾向にあるのは、町人口の減少、節水器具の普及、節水意識の向上等による有収水量の減少傾向に連動するものです。また、水洗化率は年々増加傾向にあり、類似団体平均値を超えた値ですが、引き続き接続率の向上を目指し、啓発を行っていきます。なお、施設利用率については、単独処理場を設置していないため、当該値を計上しておりません。
老朽化の状況について
本町の公共下水道事業は、平成5年の供用開始以来、25年が経過しました。下水道管渠の標準耐用年数は50年とされていますが、古い管渠に不具合や汚水処理に支障をきたす劣化がないかなどの調査を随時行い、必要に応じて管渠の長寿命化や耐震化、不明水対策等の実施を検討します。20箇所あるマンホールポンプについては、計画的に更新を図っているところですが、管渠についてはカメラ調査等の結果をふまえ、事業計画を策定し、事業費の平準化を図る必要があるため、平成31年度策定予定のストックマネジメント計画に方針を盛り込む予定です。
全体総括
人口減少等に伴う料金収入の減少や施設の老朽化に伴う更新需要の増大など、経営環境が厳しさを増すなか、経営基盤の強化を図るため、経営改革を推し進める必要があります。地方公営企業法における財務規定等につきましては、平成32年4月からの適用を予定しており、現在作業を進めています。また、平成29年度末に近隣市町村と南河内4市町村下水道事務広域化協議会を設立し、技術系職員の不足問題に広域で対応するなど、業務の広域化に積極的に取り組んでいきます。経費回収率の算定根拠である経常収益ベースとなる下水道使用料については、平成19年度と平成22年度に改定を行いましたが、経営基盤の強化を図るために、平成32年度策定予定の経営戦略にて、改定時期や改定率について検討を始めます。