経営の健全性・効率性について
①経常収支比率(%)経常収支に占める減価償却費の割合が大きく、経営の負担となっている。H25年度より、施設等の予防保全を行わず、支出を控えることで経営の健全化・効率化に努めているが、R2年度は類似団体平均値を3.02%下回った。②累積欠損金比率(%)R1年度まで欠損金の発生はなかったが、公営企業会計移行に伴う打ち切り決算の影響により、欠損金を計上した。当該欠損金の発生は公営企業会計移行に伴う特例的なものであり、累積欠損金比率も類似団体平均値を大きく下回っている。③流動比率(%)H3年度からH12年度までの間に下水道整備を集中的に進めたことにより、流動負債に占める企業債の割合が大きく、類似団体平均値を大きく下回っている。④企業債残高対事業規模比率(%)H3年度からH12年度までの間に下水道整備を集中的に進めたことにより、その期間の投資額が多いため類似団体平均値を上回っている。⑤経費回収率(%)流域下水処理場及び管渠施設の維持管理費の抑制等により、概ね100%前後で推移しており、類似団体平均値を10.71%上回っている。⑥汚水処理原価本町は単独の下水処理場を持たず、複数の市町から発生する汚水を流域下水道でまとめて処理することにより経費抑制の効果をあげている。R2年度は類似団体平均値を1.8円下回っている。⑧水洗化率(%)類似団体平均値を2.07%下回る結果となった。水洗化率向上のため、広報及びホームページ等で水洗化啓発を行った結果、未水洗家屋や新築の新たな下水道接続により約0.4%向上している。また、水洗化補助金の新設を検討し、R3年度に実施する。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率(%)R2年度から公営企業会計に移行したため、初年度の減価償却率は類似団体平均値を下回っている。今後は法定耐用年数が近い資産を効果的・効率的に維持していくため、ストックマネジメント計画、経営戦略の改定を予定している。③管渠改善率管渠の改善状況については、S62年に下水道管の供用を開始してから34年であり、R2年度も更新が必要な管渠がなかったため、着手していない。今後はR2年3月9日策定のストック計画に基づき、R6年度から管路調査を実施し、優先順位等の検討を進める。
全体総括
分析の結果から、普及率は、97.20%と整備が進んでいるが、建設事業に伴う企業債(借入金)の償還(返済)が大きな負担となっている。また、水洗化率については、類似団体平均値を2.07%下回っている。近年本町の水洗化は新築及び建替による増加が多く、改造による水洗化は依然鈍い状況であるため、今後も継続して水洗化促進の啓発に努めるとともに水洗化補助金制度の創設を検討する。企業債残高を減少させるため、効率的に効果が見込めるものを新規事業として実施し、企業債の新規発行を抑える。また、R2年度より公営企業会計へ移行したことにより、H29年度策定済みの「経営戦略」については、公営企業会計決算に基づく計画とするため、R5年度の改定を目標に見直し作業に着手する。