経営の健全性・効率性について
1集落1施設である本事業は平成9年供用開始で平成27年度現在処理区内人口が42人・水洗化率100%の処理区です。①「収益的収支比率」については、平成27年度における単年度収支が99.66%と100%を下回ったのは、総費用に対して使用料収入を補填する一般会計繰入金が少なかったため単年度としては100%割れとなりました。⑤「経費回収率」については、平成23年度の本町と類似団体平均値との比較において本町が▲22.74%減と低かったものが、平成27年度には▲4.68%減まで差が縮減し、またこの間の推移においても本町数値は、平成23年から平成27年度において回収率が0.66%増加したのに対し、類似団体平均では▲17.40%減に下降しています。⑥「汚水処理原価」においても、類似団体比較で平成23年度638.56円の原価高から平成27年度には291.09円となり、差が縮減しています。上記の主要因としては、区域内人口は減少する中、町外者の空き家利用等により年間有収水量が増加してきた反面、この間における事業関係職員の削減等により汚水処理経費の伸びが少なかったためと考えます。ただし、⑦「施設利用率」において、類似団体と比較し本町数値は高位安定化しているものの、今後において転入者等の新規加入による有収水量の増加が無い限り、処理能力を約50%余したままで推移すると考えます。以上のことから、今後の経営健全性を図るためには、施設管理における業務委託経費等の縮減工夫に努めるなど、一層の維持管理コストの低減を図ると共に、使用料収入の増加につながる、転入促進等の活性化施策を全町一体となって推進する必要があります。
老朽化の状況について
供用開始後19年を経過し、処理施設の経年化が今後進行してくることから、設備修繕や交換時期を見極め、管理コストの抑制を図る必要があります。
全体総括
本町の下水道事業は現在5事業を経営中であり、旧3町ごとに異なっていた料金体系を平成23年度に統一化し、その後3か年の経過措置期間を設け現在に至っています。1か月20㎥当り換算の家庭料金が現在4,104円と,相当な高料金を徴収していても、一般会計繰入金を充当しなければ経営を維持できない状況です。今後も安定した環境保全並びに汚水処理対策を維持して行くためには、汚水処理経費の一層の削減に努め、また徹底した使用料収入の確保を図りつつ、より最適な処理方法及び適正規模運営を検討し実施して行く必要があります。さらには、「広域連携]等による事業維持管理面でのコスト縮減が図れる取組が必要と考えます。