経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、法適化のための委託料などの経費が増加したことで前年より2.74ポイント減少しています。また、100%を下回っている状態でありますので、経費削減等による事業の適正化が必要と考えます。④企業債残高事業規模比率は、下降要因である料金収入増による営業収益の増加を、上昇要因である分流式下水道に要する費用の減少による一般会計負担分の減少が上回ったため前年より95.24ポイント上昇しています。整備事業の縮小により企業債残高は減少していく見込みです。⑤経費回収率は、使用料収入が増加したものの、法適化のための委託料などの経費が増加したため、前年より4.48ポイント下降しました。今後は増加する維持管理費のため、法適化や中長期的な視点に立った収支計画の策定、適正な経営管理を行うことが必要と考えます。⑥汚水処理原価は、流域関連公共下水道処理場により汚水処理され、市内に処理場を持たないので、類似団体と比較すると低い水準となっています。今後は施設の老朽化による維持管理費の増加が想定されるため、経費削減や適正な使用料収入の確保による事業の適正化が必要と考えます。⑧水洗化率は、整備区域の拡大が先行することにより類似団体と比較すると低い水準ですが、接続促進により水洗化率の向上を図っていきます。
老朽化の状況について
将来にわたり公共下水道事業を安定的に継続させるため、施設の老朽化対策や管渠更新の投資は重要です。③管渠改善率は類似団体と同程度ではありますが、供用開始から30年程度経過し、老朽化した施設や更新期に備え法適化や長寿命化計画の策定を行い、適正な施設管理を継続できるよう取り組んでいきます。
全体総括
市の汚水処理施設の整備は、汚水処理人口普及率が99.8%と処理施設の整備が概ね完了しています。今後は、維持管理費の増加に対応するため、事業の中長期的な視点に立った収支計画に基づく経営戦略を平成31年度の公営企業会計移行後に策定し、他の下水道事業(農業集落排水事業、コミュニティ・プラント事業)と併せた事業の効率化による経費削減や下水道使用料の改定などに取り組むことより、経営基盤の強化や経営の健全化を図ることが必要と考えます。