経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、使用料収入の増加と経費の削減で前年より約6ポイント増加していますが100%を下回っている状態です。今後も経費削減等事業の適正化が必要と考えます。④企業債残高対事業規模比率は、公共下水道整備が先行した結果、類似団体と比較すると低い比率となっています。整備事業の縮小により企業債残高は減少していく見込みです。⑤経費回収率は、使用料収入の増加と経費の削減により、本年度は類比団体と同等の回収率となりました。今後は増加する維持管理費のため、法適化や中長期的な視点に立った経営戦略の策定を行うことが必要と考えます。⑥汚水処理原価は、流域関連公共下水道処理場により汚水処理され、市内に処理場を持たないため類似団体と比較すると低い値となっています。今後は施設の老朽化による維持管理費の増加が想定されるため、経費削減や適正な使用料収入の確保による事業の適正化が必要と考えます。⑧水洗化率は、整備区域の拡大が先行することにより類似団体と比較すると低い水準ですが、戸別訪問等の接続促進により水洗化率の向上を図っていきます。
老朽化の状況について
将来にわたり公共下水道事業を安定的に継続させるため、施設の老朽化対策や管渠更新の投資は重要です。供用開始から約30年経過した施設があり、管渠改善率は類似団体と比較し高い水準となっています。今後も施設の老朽化や更新期に備え法適化や長寿命化計画の策定を行い、適正な施設管理を継続できるよう取り組んでいきます。
全体総括
市の汚水処理施設の整備は、汚水処理人口普及率が99.8%と処理施設の整備が概ね完了しています。今後は、維持管理費の増加に対応するため、事業の中長期的な視点に立った経営戦略の策定と適正な経営管理を行うため、他の下水道事業(農業集落排水事業、コミュニティ・プラント事業)と併せ、経費削減による事業の効率化や下水道使用料の改定により、経営基盤の強化や経営の健全化を図ることが必要と考えます。