経営の健全性・効率性について
本市の農村集落家庭排水施設は、収益的収支比率及び経費回収率が100%を下回っていることから、単年度収支は赤字であり、使用料で汚水処理費を賄えていないことを示しています。しかし整備自体は完了しているため、新規の地方債はなく、残高も類似団体と比較して非常に低い水準となっています。また、汚水処理原価も類似団体と比較して非常に低い数値で推移していますが、今後も経営改善に向けた取組を引き続き行っていきます。水洗化率は、処理区域内で実際に水洗便所を設置して汚水処理をしている人口の割合のことです。類似団体を上回っており、さらに年々少しずつですが増加しています。今後も水洗化率向上に勤めていきます。
老朽化の状況について
農村集落家庭排水施設は昭和58年7月に供用開始して既に30年以上経過しています。現時点の管渠の使用年数は耐用年数(約50年)を超えていませんが、地下水が多い地区では不明水が発生しているため、管渠の改修工事を進めてきました。処理場の老朽化対策については、公共下水道への切替の予定があるため、必要限度に留め更新を行っていきます。
全体総括
本来使用者が負担すべき汚水処理に係る経費が使用料で賄えていない財政構造となっています。さらに沓掛浄化センターでの処理は、施設能力面からも改修経費面からも今後は非常に厳しくなるため、農村集落家庭排水施設単独では成り立たなくなることが予想されます。したがって、今後も農村集落家庭排水施設区域の健全な汚水処理事業の運営のために、公共下水道への切替接続による経営改善が必要と考えています。