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財政力は近年ほぼ横ばいの数値だが、前年度には消費税増税による影響で地方消費税交付金が増加し、基準財政収入額が上がったことに伴い財政力指数が増加した。平成28年度も、昨年度と同じ数値となっている。類似団体内での順位としては上位であるものの、県内平均と比較すると下回る結果となっている。今後、少子高齢化が進み今後一層需要が生じるという課題に対し、企業誘致や市への定住促進を進め、税収増加等の財政基盤強化に努める。
前年度と比較すると、歳入歳出総額においてそれぞれ減少しているものの、義務的経費の増加から経常収支比率は1.4%の増加となった。主な要因としては、公債費では羽黒中央公園整備事業に係る元利償還金が増加していること、また、扶助費についても、子ども医療助成の拡大など市独自の施策を行っていることや、被保護世帯の増加に伴い生活保護経費なども増加していることが挙げられる。今後、大規模事業に係る公債費が増加することから比率の増加が見込まれるため、新規の市債発行額が公債費を上回らないよう抑制し義務的経費減少に努める。
人件費・物件費については、物件費の減少に伴い前年度より減少し、類似団体及び全国平均を下回っているが、県内平均を上回っている。人件費が職員数や退職者数の減少の影響により減少しているが、一方で物件費についても光熱水費の節約など微減しているものの、市独自で実施している学校教育での少人数学級やチームティーチング等の非常勤講師による賃金や、システム開発や都市美化センターの運転管理による委託料等が物件費を大きく占めている。今後とも、事業の検証や事務の見直しを行い経費削減に努める。
類似団体を上回る原因として、職員の平均年齢が39.8歳と県内でも若い水準にあり(全市区町村平均41.8歳)、そのため昇格する年齢が相対的に若くなること、また、初任給格付けが国家公務員と比較して4号級高いことが挙げられる。全国的にみても高い水準にあるため、民間企業の平均給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努めることにより、今後5年間で100.0まで低下させることを目標とする。
人口千人当たり職員数は、6.70人と昨年度から0.11人増加したが、類似団体内平均値及び愛知県平均を下回っている。今後、従来から実施している給食調理業務の民間委託や技能労務職の不補充、グループ制導入による組織体制の見直し等、今後も引き続き適正な職員配置を図るものとする。
実質公債費比率の傾向としては、各年度において類似団体・県内平均を下回っている。前年度と比較しても、平成25年度に元利償還金の返済がまとまって終了していることから、3か年平均で見る実質公債費比率は4.2から4.1へ減少している。しかし、羽黒中央公園整備事業や防災公園整備事業などの大型事業に係る市債償還が開始しており、今後実質公債費比率が増加してくることが予想される。そのため新規の市債発行額が公債費を上回らないよう抑制し、持続可能な財政運営に努める。
近年は類似団体・県内の平均を下回っており、前年度と比較して4.5%減少した。主な要因としては、地方債の新規発行額が償還金を上回らないように抑制したことで地方債残高が約3億3千万円減少したことや、大型事業が進み債務負担行為に基づく支出予定額が4億7千万円減少したことが挙げられる。また、公営企業債の残高が減少しており、今後も後世への負担を少しでも軽減できるよう、新規事業実施等について精査を行い、財政の健全化を図る。
各年度において県内・類似団体平均よりも上回っている状態にある。平成28年度においては比率が前年度と同数値ではあるが、退職者数の減少(25人→20人)により決算額及び経常一般財源が減少している。また、職員の新陳代謝が進み平成24年度以前の水準より改善しており、今後も人員の適正配置を進め事務の見直しを含めた行財政改革への取り組みを通じて、人件費の削減に努める。
各施設の光熱水費の節約など近年微小ながら比率が低下しているが、類似団体・県内では平均値を大きく上回っている。平均を大きく上回っている主な要因としては、市の独自事業として実施している学校教育での全ての学年を対象とした少人数学級やチームティーチング等の非常勤講師による賃金のほか、都市美化センターの運転管理、また平成28年度から供用開始した羽黒中央公園指定管理といった委託料が挙げられる。今後も事業の検証を行いコスト削減を図る。
県内平均を下回ったものの、前年度比率と比較すると増加しており類似団体内でも上回っている状態である。主な要因として、子ども医療助成の拡大など市独自の福祉医療助成や保育所運営の充実に係る費用が大きいこと等が挙げられる。また近年、被保護世帯の増加や、児童発達支援及び放課後等デイサービスの利用が増加していることから、医療扶助料や障害児給付費が増加しているため、助成事業について適正な審査や運営方法の検証を進め、経費の抑制に努めていく。
比率は前年度から横ばいとなっているが、類似団体・県内平均を上回っている。主な要因としては、公共下水道事業特別会計など他会計への繰出金が挙げられる。公共下水道事業については、下水道施設の整備・維持管理及び元利償還金に公営企業会計への繰出金が必要となっている。今後は、経費の削減や独立採算の原則に立ち返った受益者負担の適正化等により普通会計の負担額を減らすように努める。
比率はわずかに増加傾向にあるものの、類似団体・県内平均を下回っている。前年度と比較しても補助費等の決算額自体は減少しているものの、平成27年度に開始したふるさと納税の申込件数増加に伴い返礼品に係る報償費が増加したことから経常収支比率が増加している。平成29年度からは、補助金・負担金の適正化に取り組んでいることから、今後も物件費と併せて補助事業等の検証を行い、コスト削減を図る。
前年度と比較して公債費における比率が1.1%増加している。平成24年度に開始した羽黒中央公園整備事業は平成28年度に完了したが、同じく平成27年度から内田防災公園整備事業が開始しており、公債費は約1億5千万円増加している。現状における起債計画及び推移見込では、平成39(2027)年度に公債費のピークを迎える予想となっている。ただし、臨時財政対策債を含めた借入額においては元利償還金を超えることがないようにし、公債費を抑制するように努める。
前年度と比較すると、物件費にて改善が見られるものの、扶助費や補助費等の影響から経常収支比率は増加している。類似団体・県内平均を上回っている主な要因は、人件費・物件費の経常収支の割合が大きいことが挙げられる。今後は、事務事業の見直しや受益者負担の適正化、施設の統廃合を含めた利用管理体制など、行財政改革への取り組みを通じて経費削減に努める。
有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると下回っているものの、県平均を上回っている。しかし、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、当市では全公共建築物の施設量(延床面積)の20%を削減することを目標とし、統廃合等による積極的な施設マネジメントを行うとしている。次世代に引き継ぐものについても、施設の長寿命化を目指し、計画的な修理や改修を行っていく予定である。
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率がともに、類似団体の平均と比較すると低い水準となっている。将来負担比率については、前年度から約7%上昇している。主な要因は事業債や臨時財政対策債の借入により、地方債残高が増加したことが挙げられる。今後、施設については利用者等との合意形成を図りながら、計画的に改修や縮小・複合化を行っていく予定であることから、有形固定資産減価償却率が上昇する可能性が想定される。
実質公債費比率は平成25年から連続して低下している。主な要因としては、一般会計の元利償還金において平成26年度末で約37億7千万円分の借入分の償還が完了し、平成27年度での一般会計の公債費が減少したことが挙げられる。その一方で、羽黒中央公園・防災公園整備等の大規模事業実施や臨時財政対策債の発行により地方債残高が増加しており、将来負担比率が上昇している。今後はその市債の償還が始まり、実質公債費比率が上昇することが考えられるため、市債発行を抑制し、持続可能な財政運営に努める。
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