経営の健全性・効率性について
収益的収支比率について、使用料収入は増加しており、企業債の償還もピーク時を超えて減少傾向になっているが、平成27年4月に静岡県より流域下水道施設の移管を受けた際に残債を引き継いだことで、実質的には企業債の償還分が増加して、減少傾向となった。経費回収率については、豊岡クリーンセンターの民間委託により効率的な施設の維持管理に努めているが、有収水量の減少により、100%には及ばない状況である。今後は、更なる費用削減や施設の更新需要も見込んだ料金改定等を行い経営改善に向けた取り組みが必要となる。水洗化率については、接続率92.3%と下水道への接続は着実に進んでいるが、人口減少や節水機器の普及による使用水量の伸び悩みを解消することが今後の課題と考えられる。
老朽化の状況について
管渠の耐用年数を超過しているものは無いため、老朽化の状況は健全である。しかし、民間から移管された住宅団地でのカメラ調査では、亀裂、たるみ等が確認されているため、劣化の度合判定を基に順次改修を進めていく。また、今後増加する改修費用の平準化を図るため管理計画を策定していくが、これにより経営に影響を与えることが想定されるため、経営の改善を進めると共に将来的には財源確保のための料金改定も必要になると思われる。
全体総括
本市の下水道施設は、古い施設では45年余が経過している。また、整備は未だ進行中であり、平成27年度末現在の普及率が81.5%であることから、今後も引き続き普及促進に努めてまいります。したがって、今後も増加する保有施設を適切かつ効率的に管理して、平常時・非常時ともに絶え間なく、下水道サービスを提供していかなければなりません。そこで、経営面では地方公営企業法の適用をして適正な運営を目指すとともに、多くの保有する施設についてはストックマネジメントを徹底していきます。