経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は平成27年度決算より上昇傾向となっているが、依然100%を下回っており、今後普及率の鈍化及び水道使用量の節水による排水量の減少に伴い使用料収入が伸び悩み、他会計からの繰入金に依存している状況であるが、下水道事業の地方債の償還額がピークを過ぎたことから、今後は改善される見込みである。しかし、供用から13年が経過し機器等の経年劣化による修繕費が増加してきていることから、適切な維持管理と計画的な更新を図ると共に、供用開始以来料金改定を行っていないため、現会計状況に見合った料金改定が必要な時期を迎えている。経費回収率は、類似団体を上回っているが、100%は下回っており、前年度より若干下降傾向となっている。今後施設整備が必要となり、水洗化率が横這いとなっていることから、適正な使用料収入が確保できていない状況であり、近年中に使用料の改定が求められている。汚水処理原価は、維持管理費のうち処理場の電気料金の削減が図られたことで削減となったが、施設内機器の修繕が増えたことにより前年を上回った。今後、適切な維持管理を図り更なる費用の削減や適切な使用料の改定を行う必要がある。施設利用率については昨年度よりやや減少となっているが、ほぼ横這い傾向にあり、今後も大幅な上昇は考え難いところである。水洗化率については、大半の接続工事が完了しており、平成27年度より接続件数がほぼ横這い状況となっている。しかし、一部未接続の家屋もあるため住民への接続促進を啓発し、さらなる水洗化率の向上に努めなければならない状況である。
老朽化の状況について
供用開始から13年を経過しており、比較的施設は新しいが、地理的条件からマンホールポンプ及び宅内ポンプの施設が多いため、部品の交換や修繕が必要になってきている。管渠については、布設替え等はしばらくないが、マンホールポンプからの圧送先マンホール及び蓋が硫化水素により劣化してきていることから、改修が必要な時期を迎えている。
全体総括
地方債の償還額がピークを過ぎたことから、今後は徐々にではあるが経営的に改善されるため、比較的ゆとりがが生じてくるものと思われる。しかし、経年劣化による修繕費が年々増加してきていることから、適切な維持管理と計画的な更新を図り、使用料についても現会計に見合った改定が必要と考える。また、近々、地方公営企業会計に移行することを見据え、資産等の把握・精査に努めると共に安定的な会計になるよう努力していく。