経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率④企業債残高対給水収益比率ともに例年100%未満であり、総収益のうちその多くが一般会計繰入金となっており、令和3年度は総収益の約50%が一般会計繰入金に依存している状況である。④企業債残高対給水収益比率に関しては、事業に対し交付金等を充当したことで借入の抑制と債務残高が減少したことによるものと考えられる。⑥給水原価が年々減少している要因としては、元利償還金が減少していることによると考えられる。また、⑦施設利用率が少しずつではあるが増加傾向にあるのに対して、⑧有収率が年々減少していることから、管路の老朽化等により漏水が増加していると考えられる。
老朽化の状況について
水道施設においては、老朽化が進んでいる状況であり、住民への給水に重大な支障をきたすものから順次更新や修繕を行っている。水道管においては、東中部地区簡易水道施設の統合に伴う管路布設替えにより、前年に比べ⑧管路更新率が大きく上がっているが、数年のうちに法定耐用年数(40年)を超えるものが配水管で約6割になるとともに、耐震管又は耐震適合管でない管が多数存在しており、主に塩ビ(VP)管での漏水が年々増加している状況である。水道管の更新にあたっては、今後、漏水多発路線を中心に計画的な更新を検討している。
全体総括
ライフラインとして全体的に普及しているものの、整備してから30、40年以上経過し施設の老朽化に伴う修繕、改修が今後増加するものと考えられる。これに伴い支出の増加が見込まれるため、今後、経営の健全化を図るため水道料金の引き上げ等を検討していく必要があると考えられる。水道管路の更新も多額の予算が必要となる中で、有収水量の改善、住民への安定供給ができるよう長期的な管路及び施設計画をたて実施していきたい。