永平寺町：特定環境保全公共下水道

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率、100％未満である上、総収益の約7割を一般会計繰入金に依存している状況であるため、使用料収入による財源確保等の経営改善に向けた取組が必要である。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体、全国平均を下回っているが、料金水準が適切かどうか定期的に検討を行う必要がある。⑤経費回収率は30.77％と低水準であるため、適切な使用料収入を確保する必要がある。⑥汚水処理原価は、類似団体、全国平均を大きく上回っている。これらのことからも投資の効率化や維持管理費の削減、料金水準を見直し等による経営改善を図り、持続可能な下水道事業の推進に努めていく必要があると考える。⑦施設利用率は、類似団体、全国平均を上回っており、利用状況、規模共に適正である。⑧水洗化率は、97.77％と汚水処理が適切に行われており、水質保全に寄与している。

老朽化の状況について

当町の特定環境保全公共下水道事業は、昭和55年4月より志比処理区で、昭和62年4月より中央処理区で供用を開始している。志比浄化センターは供用開始から33年、中央浄化センターは29年経過しており機械設備等の更新時期を迎えつつある。特に志比浄化センターにおいては老朽化が著しいため、経営の効率化の観点から汚水処理を廃止し、中央処理区への統合事業を平成27年度から実施している。現在は、施設、管渠とも更新・老朽化対策は実施していないが、長期的な考えとしては中央浄化センターの長寿命化等について下水道施設統合計画基本方針策定業務（H28)の中で検討を行い、財源確保も含めて適切に対応していく。

全体総括

当町の特定環境保全公共下水道事業の経常収益は、一般会計からの繰入金に大きく依存し、経営状況は脆弱である。また、中央浄化センターの長寿命化等の大型事業が目前に迫り、その更新投資等に充てる財源確保が求められている。このため、料金体系の見直しによる収益の確保、維持管理費の削減、施設の統廃合等の効率化による費用の削減を行い、経営改善に向けた取組を行う必要がある。