経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、72.47%で100%以下となっており、依然として単年度収支は厳しい状況です。比率の主な減少理由としては、施設の老朽化に伴い、昨年度以上に維持管理費が増加したことが挙げられます。100%に達していないことから、使用料収入以外の財源に依存している状況が続いています。企業債残高対象事業規模比率は、類似団体よりもやや高い水準となっており、また経費回収率についても、100%を下回っている状況のため、料金水準は適切かどうか、適正な使用料収入が確保できているかどうかを検討する段階にきています。水洗化率についても、すでに100%近くまで達していることや、今後大幅な人口増加は見込まれないことから、使用料収入の増加は望めないため、現在の下水道使用料のままでは厳しい経営状況が続いてしまうことが予想されます。下水道事業経営の健全化に向けて、使用料改定を行うと同時に、さらなる経費の削減を実践していく必要があります。
老朽化の状況について
管渠改善率は、類似団体と比較すると極めて低い状況です。下水道は、市民生活や企業活動に大きな影響を与えることから、老朽化対策が急務な管路を洗い出し、優先順位をつけて更新していく必要があります。
全体総括
左記のグラフからもわかるように、本市は類似団体と比較すると、経費回収率が平均よりも下回っている状況です。このままでは、さらに厳しい経営状況となることが予想されます。また、管渠改善率についても、類似団体の平均よりも下回っている状況であり、老朽化した管渠の更新ペースが悪く、そのような状態の管渠をすべて更新するためには、長期的な更新投資が必要となってしまいます。このようなことから、投資計画の見直しを行った上で、健全な下水道事業経営のため、収入の根幹となる下水道使用料を平成30年度より改定する予定でおります。なお、使用料改定後の状況を見ながら、更なる料金改定が必要かどうか検討してまいりたいと考えております。