経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、74.68%で100%以下となっており単年度の収支は厳しい状況です。これまで右肩上がりで推移をしていましたが、ここで減少に転じた理由としては、施設の維持管理費の増加により、これまでよりも費用がかかったことが挙げられます。依然として収益的収支比率は100%に達していないことから、使用料収入以外の財源に依存している状況です。企業債残高対事業規模比率は、本市の経年比較において右肩下がりとなっており、料金収入に対する企業債残高の割合が徐々に減少している状況です。また、経費回収率は前年度とほぼ横ばいで推移していることから、平成25年度に行った使用料改定の効果を維持しつつも、依然として100%以下となっている状況です。水洗化率はすでに100%に近い水準であることや、今後大幅な人口増加が見込まれないことから、使用料収入の増加が望めないため、厳しい経営状況に推移していくことが予想されます。適正な収支バランスを図るため、維持管理費の削減や使用料改定を視野に入れた経営戦略を立てる必要があります。
老朽化の状況について
現在の管渠の更新ペースでは、すべての管路を更新するのに長期的な更新投資を必要とするため、老朽化している管路の中でも対策が急務なものを洗い出し、優先順位をつけて更新していく必要があります。
全体総括
近い将来、さらに厳しい経営状況に推移することが予想されることや、施設等の老朽化が進んでいる状況を踏まえ、投資計画や財源の見直しを進める必要があります。料金収入の見直しについては、本市の現在の状況およびこれから本市が置かれる厳しい経営状況を適切に把握し、近隣自治体の状況や社会情勢も踏まえながら慎重に検討していきます。