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基準財政収入額では、長引く景気低迷の影響を受け、市民税所得割及び法人市民税収が大幅に減額しており、基準財政需要額は、社会保障費や保健衛生費などが増額している。依然、景気の先行きは不透明であり、税収をはじめとした歳入の確保が厳しい状況が続くことは避けられず、また、高齢化による福祉的経費の更なる増大が予想される中、今後とも、市税の伸縮に応じた弾力的な財政運営に努めていきたい。
経常収支比率悪化の原因は、不景気による市税収入が大幅に落ち込んだことによる。今後は、臨時財政対策債(人口基礎方式)の発行可能額が大幅に減額していくことから、それに比例して経常一般財源等が減額していくことが予想されるため、大幅な改善は困難な状況であるが、引き続き、人件費や公債費等の削減に努める。
職員数が多いことが主な要因で人件費が高くなっているが、職員数適正化計画に基づく職員数の減少や、人事院勧告に伴う給与支給額の減、退職手当支給額の減などにより、前年度に引き続き人件費は減少し、ピークであった平成19年度決算と比較すると、類似団体との差は2割強減少した。起伏に富んだ地形的特性により消防署所が多いことなどから類似団体並みまで押し下げることは困難であるが、財政の硬直化を避けるため、「行政経営戦略プラン」に掲げる民間委託の推進等によりコスト削減を目指していく。
職員の年齢構成の変化等により0.3減少したが、類似団体平均を依然として1.0上回っている。平成23年度には短大卒及び高卒の初任給基準の引き下げ等を行ったが、今後も年功型の人事管理や賃金体系となっていないかの検証を行い、給料表の構造や昇任・昇格制度、諸手当の見直し等を通じて給与の適正化を図っていく。
類似団体平均を上回っている原因は、地理的特性による支所や消防署所の数の多さ、ごみ収集の委託化が途上にあることなどが挙げられる。職員数の削減については、平成11年度を始期とする第1次職員数適正化計画により平成16年度までに228人(12.7%)を削減し、平成17年度を始期とする第2次職員数適正化計画により平成22年度までに146人(9.2%)を削減した。現在、平成24年度を始期とする第3次職員数適正化計画を策定し、民間委託の推進や事務事業の見直し等を行うことにより、平成23年4月1日の職員数を、平成27年4月1日までに103人削減する取組みを進めている。
平成19年度から継続して類似団体平均を大幅に下回っている。高金利地方債の償還が進んだことにより元利償還金の額が減額したことや資本費平準化債の活用による下水道事業への繰出金が減額したことにより公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金が減額したことなどが主な要因である。今後も引き続き後年度負担を考慮した事業執行及び起債管理を行い、適正な水準の維持に努める。
平成19年度から減少傾向にあったが、平成22年度は充当可能基金、充当可能特定歳入が減額したことや標準財政規模が大幅に減したため、将来負担比率が4.3%上昇した。一方、債務負担行為に基づく支出予定額と退職手当負担見込み額は減少傾向にあるため、今後も後年度への負担がかかる事業については慎重を期すとともに、新たな職員数適正化計画の策定を進めることにより財政の健全化を図る。
人件費については、職員数の減少、人事院勧告に伴う給与支給額の減及び退職手当支給額の減などにより、前年度より0.5ポイント改善した。しかし、起伏に富んだ地形的特性により消防署所が多いことなどから他団体並みまで押し下げることは困難であると認識している。
消防車両修繕料の減及び市内遺跡発掘調査対象地の減により、前年度より0.2ポイント改善したが、今後は職員数適正化計画による職員数の減に対応した賃金の増や指定管理者制度の推進による委託料の増などの要因により、微増傾向が継続するものと考えている。
後期高齢者医療事業特別会計への繰出金が増となったことにより前年度より悪化した。繰出金は、経常収支比率では悪化したが、総額では、国民健康保険事業特別会計への繰出金が保険料率の見直し等により、前年度より大幅な減となった。
経常収支比率が92.7%から94.2%へ悪化したことにより、公債費以外が前年度より1.6ポイント増加した。経常収支比率悪化の原因は、不景気により市税収入が大幅に落ち込んだことによる。今後は、公債費が減少傾向にあることと、臨時財政対策債(人口基礎方式)の発行可能額が減額することから、公債費以外が増加していく傾向にあると分析している。
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