経営の健全性・効率性について
料金収入に対する企業債残高の割合である「④企業債残高対事業規模比率」が、類似団体平均値より低い割合で推移し、年々減少しています。これまでの企業債の償還が毎年進み、企業債残高は年々減少してきています。この企業債の償還が進み、汚水処理に要する費用の割合が大きい公債費が減少したことに伴い、有収水量1㎥あたりの「⑥汚水処理原価」が、類似団体平均値に近づき減少してきています。また、使用料や一般会計からの繰入金等の総収益で、総費用に企業債の償還金を加えた費用をどの程度賄えているかを示す「①収益的収支比率」は逆に上昇してきています。さらに、汚水処理に要した費用をどの程度使用料で賄えているかを示す「⑤経費回収率」も、平成23年10月以降から使用料の改定はしていませんが、上昇してきています。実際に水洗便所を設置して汚水処理をしている人口の割合を示す「⑧水洗化率」は、公共下水道への切り替えが進み、徐々に上昇してきています。
老朽化の状況について
本市の下水道事業は昭和49年に供用を開始しており、標準耐用年数50年を経過する管きょが今後出てきます。これまでは、管きょの調査や清掃等による維持管理が主で、大規模な更新等は行ってきていませんが、老朽化が進む下水道ストックの適切な維持管理、改築等を行っていくため、今後ストックマネジメント計画の策定に向けて着手し、対応を進めていく予定です。
全体総括
企業債の償還が進み、収益的収支比率や経費回収率は、年々順調に改善してきていますが、一般会計からの繰入金に依存しているため、今後も計画的な事業運営と経費削減等を図り、繰入金の抑制に努め、経費回収率100%を目指していきます。なお、平成31年度から公営企業会計へ移行するため、現在準備を進めています。