経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、平成25年度までは有収水量が減少傾向であったこと、下水道使用料の単価が多摩地区26市と比較して低いことなどから90%台前半となっていましたが、平成26年4月の下水道使用料改定により、平成26年度は98.52%と大きく改善し、以降97.28%、98.39%、平成29年度は98.67%と高い水準を維持しています。④企業債残高対事業規模比率は、平均値に比べて低い水準にあります。これは公共下水道整備を全国に先駆けて取り組み、一定程度の企業債償還が完了していることによります。⑤経費回収率は、平成25年度までは下水道使用料の単価が多摩地区26市と比較して低いことなどから80%台となっていましたが、平成26年4月の下水道使用料改定により、平成26年度は94.36%と大きく改善し、以降92.65%、93.99%、平成29年度は94.53%と高い水準を維持しています。⑥汚水処理原価は、平均値に比べて低い水準にあります。⑦施設利用率は、平均値と比べて高い水準で推移しており、効率的かつ安定的に利用されています。⑧水洗化率は、全国に先駆けて取り組んでおり、100.00%となっています。
老朽化の状況について
③管渠改善率は、現在は平均値より低い水準で推移しています。本市では、管渠・処理場など下水道施設の多くが、昭和30年代から40年代にかけて建設されており、これから順次更新時期を迎えることとなります。限られた財源の中で、老朽化していく施設の適正な維持管理や更新を行うため、施設の長寿命化対策事業を計画的に行います。・処理場(東部水再生センター)については、上位計画である「多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画」に流域編入が位置付けられていることから、流域編入を想定した計画としています。
全体総括
・本市では、下水道事業の総合的・計画的な事業展開と財政運営の見通しを明らかにした「三鷹市下水道経営計画2022」(平成26年8月策定)に基づいて、健全な下水道経営のもと、安定した下水道サービスを引き続き提供することに取り組んでいます。・下水道施設の老朽化による更新が順次必要となってくることから、今後大きな財政負担が想定されます。そのため、効率的かつ効果的な事業運営に努めるとともに、優先度をつけた計画的な事業展開を図ります。・公営企業における経営の健全性や計画性・透明性の向上を図るため、地方公営企業法の適用(平成32年4月1日適用予定)に向けて取り組みを進めるとともに、受益と負担の適正化を図るため、下水道使用料の定期的な検証を行うこととします。