経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率は、平成23年度から平成25年度にかけて有収水量が減少傾向であったこと、下水道使用料の単価が多摩地区26市と比較して低いことなどから90%台前半となっていましたが、平成26年4月に下水道使用料を改定したことにより平成26年度は98.52%と大きく改善しています。・企業債残高対事業規模比率は、平均値に比べて低い水準にあります。これは公共下水道整備を全国に先駆けて取り組み、一定程度の償還が完了していることによります。・経費回収率は、平成23年度から平成25年度にかけて、下水道使用料の単価が多摩地区26市と比較して低いことなどから80%台後半となりましたが、平成26年4月に下水道使用料を改定したことにより平成26年度は94.36%と大きく改善しており、平均値と比較して高い水準となっています。・汚水処理原価は、平均値に比べて低い水準にありますが、近年、施設の老朽化対策等による資本費の増により公債費が増えていることから増加傾向にあります。・施設利用率は、平均値と比べて高い水準で推移しており、効率的かつ安定的に利用されています。・水洗化率は、全国に先駆けて取り組んでおり、昭和48年度には100%を達成しています。
老朽化の状況について
・管路施設及び処理場など下水道施設の多くが、昭和30年代から40年代にかけて建設されており、これから順次更新時期を迎えることとなります。限られた財源の中で、老朽化していく施設の適正な維持管理や更新を行うため、施設の長寿命化対策及び耐震化を計画的に行います。・管路施設の長寿命化対策は、調査時期を第1~3期に分けて対応し、処理分区ごとにリスク評価を行い、優先度の高いものから順次対応していきます。・処理場(東部水再生センター)及びポンプ場についても、管路施設と同様に設備ごとのリスク評価を行い、優先度の高いものから順次対応していきます。また、処理場(東部水再生センター)については、上位計画である「多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画」に位置付けられていることから、流域編入を想定した計画としています。
全体総括
・下水道施設の老朽化による更新が順次必要となってくることから、今後大きな財政負担が想定されます。そのため、効率的かつ効果的な事業運営に努めるとともに、優先度をつけた計画的な事業展開を図ります。・公営企業における経営の健全性や計画性・透明性の向上を図るため、地方公営企業法の適用に向けて取り組むとともに、受益と負担の適正化を図るため、下水道使用料の定期的な検証を行います。