経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、前年度と同水準であり、平成29年度から国庫補助対象分の災害復旧費がなくなったことや、繰入金における総務省からの通知について見直しが行われたため平成28年度までの水準から低下しているものと考えられます。なお、令和元年10月から下水道使用料の改定(消費税抜の金額で一律20%引き上げ)を行っており、令和元年度以降については上昇するものと見込まれます。④企業債残高対事業規模比率については、本市において下水道整備が進んでおり、企業債の償還が進んでいることから類似団体平均を下回っております。⑤経費回収率については、先述のとおり令和元年度に下水道使用料の改定を行っていることから、令和元年後以降はさらなる回復を見込んでおります。⑥汚水処理原価については、流域下水道に接続しており本市単独の処理施設がないこと、および水洗化率がすでに97%以上となっており全域での整備がほぼ完了していることから、処理費用および有収水量のいずれも大幅な改善は見込めず、したがってこれ以上の低下を見込みがたいと思われます。⑦施設利用率については、本市が単独で利用する処理施設が存在しないため、数値がありません。⑧水洗化率については、97%以上の高水準を維持しており、今後も水洗普及啓発に努めていきます。
老朽化の状況について
管渠改善率につきましては、平成26年度に東日本大震災の影響により被害を受けた管渠を集中的に復旧する工事を行った関係で一時的に上昇しております。平成27年度から平成29年度にかけては更新の工事がなく、平成30年度については若干の更新工事を行いました。本市には、敷設後50年を経過するなど、老朽化が顕著にみられるものは現状においてありませんが、年々老朽化は進んでいくため、計画的な管路の点検や調査、更新費用の見積もりなど、適切な維持管理計画を立てながら対応していきます。
全体総括
経営の健全性や透明性の向上を図るため、令和2年度より地方公営企業法の財務適用を行います。適正な使用料の算定と、ストックマネジメント計画による設備更新の対応とのバランスを考慮しながら、適正な事業運営に取り組みます。