経営の健全性・効率性について
市川市下水道事業は平成30年4月1日より地方公営企業法の財務規定等を適用し、地方公営企業会計に移行した。このことに伴い平成29年度決算は、出納整理期間を設けず3月31日で打ち切り決算とし、4月以降の収入・支出については、下水道事業会計に引き継ぐこととなった。収益的収支比率及び経費回収率が前年度より大きく伸びているのは、出納整理期間となる4月に毎年支出している、千葉県への流域下水道維持管理費負担金約19億円が、打ち切り決算により特別会計の決算額に含まれていないことが要因となっており、また汚水処理原価が大きく減となっていることも、同様の要因によるものである。経営の健全性・効率性そのものについては、前年度以前とほぼ同水準と考えているが、全国平均・類似団体との比較においては、今後指数の改善に向けての対応が必要であると認識している。なお平成30年度から31年度にかけて、本市下水道事業の中長期的な経営計画となる「下水道事業経営戦略」を策定し、将来にわたって安定的・持続的に事業を運営するための指針とする予定である。
老朽化の状況について
本市の下水道は、事業着手から50年以上が経過し、布設後30年以上経過した管渠が約40%となっている。現在、下水道施設のストックマネジメント計画を策定しており、効率的かつ迅速に老朽化した施設の適正な維持管理や更新を行っていく予定となっている。
全体総括
経営の健全性・効率性については、総体的に概ね良好であると認識しているが、平成30年4月1日より地方公営企業会計に移行し、また経営戦略を策定するにあたって、現状の下水道事業会計における詳細な経営分析を行った上で、さらに健全かつ効率的な下水道事業経営を目指し、適正な料金徴収・事業用資産の把握、今後の財源計画・投資計画を行っていくこととしている。