経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、ここ数年97%前後で推移してきたが27年度では、収益面では料金収入等の増により、また、費用面では既往債の償還進行による利息の減少等により100%を超える状況となっている。企業債残高対事業規模比率については、市内に建設が進められている東京外郭環状道路建設などの進捗の関係で下水道整備が遅れてきた経緯から全国平均より低くなっている。また、経費回収率は、年々改善傾向にあり100%に近づいている。汚水処理原価や水洗化率のように今後、経営改善に向けて取り組まなくてはならない一部指標を除けば、その他の指標は経年比較で改善が見られ、類似団体の平均値と比較して良好であり、経営の健全性・効率性は総体的に概ね良好であると認識している。なお、施設利用率については、単独処理場の処理能力に対する流域分と単独分を合計した処理水量の割合となっているため、当該値が100%を超えている。
老朽化の状況について
本市の下水道は、事業着手から約50年以上が経過し、布設後30年以上経過した管渠が約40%となっている。今後、長寿命化計画を策定し、限られた財源の中で老朽化した施設の適正な維持管理や更新を行う予定である。
全体総括
経営の健全性・効率性については、汚水処理原価や水洗化率の一部指標を除けば経年比較で改善が見られ、総体的に概ね良好であると認識している。今後の課題は、下水道整備と並行して老朽化施設の更新が必要となることである。本市では平成30年度に地方公営企業法を適用した公営企業会計への移行を予定しており、事業の資産状態や収益性などをより的確に把握し、財源計画と投資計画を両立させた持続可能な事業経営を推進する方針である。