経営の健全性・効率性について
健全性の面においては、収益的収支比率は近隣類似団体より高い水準で推移しているが、現在の会計状況は独立採算制が採れておらず一般会計からの繰入金で補填している状況である。独立採算制を目指すにあたって重要となる下水道使用料については、国の方針で示されている1㎥あたりの単価150円に対して本市は153.05円となっており概ね国の方針に合致しているところである。普及率の面では、市内を縦断する外郭環状道路や都市計画道路3・4・18号などの進捗の関係で下水道整備が遅れてきた経緯から企業債残高も近隣類似団体より低くなっている。汚水処理原価については、経年比較などにおいても毎年度同程度で推移しており、また近隣類似団体とも同水準であり適切であると考える。なお、施設利用率については、単独処理場の処理能力に対する流域分と単独分を合計した処理水量の割合となっているため、当該値が100%を超えている。
老朽化の状況について
本市の下水道は、事業着手から約50年以上が経過し総延長は約500kmに及んでおり、今後、老朽化が進行する下水管の延長が増えることが予想されている。また、ポンプ場についても同様である。管渠改善率の状況については、近隣類似団体と比較においても現状において低い状況にあることから、日々の修繕の他、改築更新を平成25年度に策定した下水道中期ビジョンに基づき順次整備を進めていく計画である。
全体総括
一部の指標においては類似団体と比較して低いものもあるが、地理的要因や下水道の処理方式なども影響しているものと考えらる。各指標の改善には、安定的な下水道会計の経営が必要なことから、適切な使用料と維持管理費などのコスト削減などを中長期的な視野に立った中で今後も経営改善に努めるものである。