経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、毎年度100%を超えている状況ではありますが、今後もその状態を保つ為に、接続率向上や経費削減に取組んでいく必要があります。企業債残高対事業規模比率については、類似団体平均値よりも高い数値ではありますが、年々減少傾向にあり、今後も数値を改善して正常値に近づけてく必要があります。経費回収率については、類似団体平均値に比べて低い水準となっております。接続率が100%になっていないことと、供用開始してから使用料の増額等をしていないことが理由ではないかと判断できます。汚水処理原価については、平成29年度は増加となっています。類似団体平均値と比べても高い状況となっております。今後も老朽化により修繕が増加していくことが想定される為、適切な処理方法や維持管理費の削減等の取組みを進める必要があります。施設利用率については、類似団体平均値と比較するとやや高い水準となっております。今後も施設利用率が増加するよう接続率向上の取組みも必要です。水洗化率については、類似団体平均値と比較しても高い数値となっています。しかし、他の項目の状況を改善していく為にも、今後も継続して100%に近づけるよう取組む必要があります。
老朽化の状況について
幸手市の農業集落排水については平成19年度から供用開始しており、供用開始後10年が経過し、施設の機器類の修繕費が増加傾向にあります。今後、確実に施設の老朽化による修繕費が増えてくることから、施設の現状を把握し対策を講じていく必要があります。
全体総括
幸手市の農業集落排水は、水洗化率が90%を超えており、今後の収益について大幅な増加は見込めない状況です。そのなかで、経費回収率や汚水処理原価等の経営状況を示す数値については、類似団体平均値と比較すると良くない状態が依然続いております。また、今後施設の老朽化が進むことで、その対策や対応が必要になってくるため、さらに資金運用が難しくなってくることが予想されます。このような経営状況を改善していく為に、このグラフで示されている値を正確に把握・分析し、その理由や対策を考えていく必要があります。また、経営状況の悪化を防ぐため、経費削減等について一層努めていく必要があります。