経営の健全性・効率性について
当市の下水道事業は、供用開始時期が他都市に比べ遅く、平成元年以降に短期間に管渠整備を行ったことから、多額の企業債残高を抱えている状況です。①収益的収支比率毎年微増ですが、増加傾向にあり、その要因は企業債の償還期間が満了を迎え、企業債償還金が減少したことによるものです。④企業債残高対事業規模比率他類似団体に比べ数値が上回っていますが、昨年までと比較すると平均値との差が減少しており、改善傾向にあります。ただし、平成27年度決算でも企業債償還金が多くを占め、経営を圧迫しています。⑤経費回収率(維持管理費・資本費)同人口規模の都市と比べると低い水準にあります。これは、資本費に属する支払利息及び償還金の負担が多くなっています。使用料収入によって、回収すべき経費(特に資本費)を賄いきれていない状況です。⑥汚水処理原価汚水1㎥あたりの処理経費で、150円以上は一般会計からの繰入金で賄っています。⑧水洗化率類似団体より高い状態です。今後も継続して普及啓発を行います。
老朽化の状況について
平成元年以降に急激に整備を行い、整備後20年を経過している管路施設が多くなっています。下水道管渠の耐用年数を50年と想定した場合、25年後あたりから改築更新のピークを迎えることとなるため、改築更新の平準化及び改築更新するためにストックマネジメント計画等を策定し、改築更新を進めていく予定です。
全体総括
当市の下水道事業は、「1経営の健全性・効率性について」にも記したとおり、短期間に管渠整備を行ったことから、多額の企業債残高を抱えています。今後5年間で償還期間が満了を迎える企業債は約129億円あり、経営状況が改善すると考えられますが、企業債の償還を一般会計からの繰入金に依存していることから、企業会計として独立採算での経営は難しい状況です。経営状況を改善するため、使用料の単価改定を平成29年4月に予定しております。また、平成31年度地方公営企業法適用に向け、資産状況の把握、財務分析表の作成など必要な財務諸表を作成する中で、抜本的な経営改善を検討してまいります。