経営の健全性・効率性について
接続補助金の支給等により接続世帯数が増加したが、節水型の水洗便所や食洗器等の普及により下水使用量はあまり増加していない。汚水処理原価は、処理方法の研究により節電を行っているが限界となっている。これは、濃い流入水により処理しにくくなったためと思われる。また、汚水処理費の料金は水道局の料金に合わせていることから、小さい施設の処理単価では損失が多くなり、一般会計からの受け入れにより資金不足額を補てんしている状況で,今後も増加する傾向にあると思われる。H24~H26の収益的収支比率は90%から94.97%の間で推移しており、指標においては健全経営に近い数字となっているところである。しかし、経費回収率は、H24~H26で67.11%~68.81%で推移しており、効率性の一層の向上のため、施設の統廃合や下水道への接続も検討している。
老朽化の状況について
処理施設は19施設におよび、最も古いのものは昭和54年の供用開始で37年を経過している。また、設置後20年以上経過しているものが9施設、10年以上では16施設あり、全体の84%で機械電気設備の更新は急務となっている。また、管渠についても同様で管更生や改修等必要になるものと思われる。
全体総括
汚水処理費を下水道使用料で賄える料金設定となっていないことなどから、現状基準外繰入金を受け入れることにより資金不足額を補てんしている状況にある。当該状況を是正すべく、使用料水準の適正化を図るとともに、効果的な水洗化率の向上策や経費節減に向けた取り組みを引き続き実施することや、今後、見込まれる各施設の機能強化等を含めた長期的な事業・収支計画を策定し、投資採算性を踏まえた事業運営を行う必要がある。