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過去5年間の財政力指数(3か年平均)が0.4台で推移し、類似団体平均以下に留まっている主な原因は、長引く地方経済の景気低迷による個人所得の減少、土地価格の下落等による市税収入の減少の固定化傾向によるものである。28年度は、分子となる基準財政収入額が、27年度調定額を基礎とする法人市民税割の減等により減少となった。一方、分母となる基準財政需要額は、過疎債の償還額等の増により増加となった。これにより、単年度の財政力指数は0.42と前年度比0.01ポイントの減となったものの、3か年平均の財政力指数には増減の影響を与えるものではなく、前年度と変わらず横ばいとなった。今後も市税を中心とした歳入確保に努めるとともに、歳出の徹底的な見直しを行い財政基盤の強化を図る。
地方債残高が減少している中で類似団体平均と近い数値で推移してきたのは、急性期医療や周産期医療などの地域医療を維持するため、病院事業に対する繰出金が多額であることが主な原因である。新規事業の見直しによる地方債借入額抑制及び25年度以降の公債費繰上償還実施による後年度元利償還金減額により、28年度は89.1%と類似団体平均を若干下回ったが、給与改定等による人件費の増、障害者自立支援給付費の増による扶助費の増等の影響もあり前年度比1.2ポイントの増となった。このため、今後も病院事業の経営改善及び職員定員適正化計画の着実な実施により比率の改善を図る。
人口1人当たりの人件費・物件費等が146,213円と類似団体の平均より高いことについては、人口千人当たり職員数が8.82人と類似団体平均より多いこと、県の人事委員会勧告に準じた給与改定による人件費の増や行財政改革の一環として指定管理者による公共施設の管理を推し進めていることによる物件費の増等がその要因である。今後も職員定員適正化計画や公共施設総合管理計画に基づく経常経費の見直しによる人件費、物件費の抑制を図ることにより、数値の改善を図る。
職種区分間の異動(企業会計・税務職等間の異動)等により前年よりラスパイレス指数が減少し、類似団体の中では中位に位置している。現給保障期間の終了する2年後にはさらに減少するものと予想される。今後も地域の民間企業の給与水準との均衡を基本とし、給与の適正化を図る。
17年6月の合併以降、職員定員適正化計画に基づく職員削減に取り組み、人口千人当たりの職員数を合併前の大館市の水準(8.65人)以下にする目標を掲げ、これを21年度に達成していたが、複雑多様化する行政課題等に対応するため一定程度の職員確保を進めた結果、27年度に再び合併前の水準を超えることとなった。27年12月に策定した新しい定員適正化計画では、これまでの実績を踏まえ、人口減少後の規模に見合った職員数にすることを基本としつつも、事務量が増加していることや職員の年齢構成を平準化していくため、削減幅を縮小させた計画とした。今後も人員配置や事務事業の徹底的な見直しを行い、定員管理の適正化を図る。
実質公債費比率が9.4%と類似団体の平均より高いのは、昭和60年台から続く下水道事業、平成5年度以降に進めた老人福祉総合エリア整備事業、樹海ドーム整備事業等の社会資本整備と、平成19年度に実施した総合病院改築事業による地方債借入が主な原因であるが、近年の新規事業抑制による借入額の減少や繰上償還の実施による地方債残高(?31,544百万円→?30,623百万円)の減少等により、数値は改善している。今後は本庁舎の改築に伴う地方債の借入により比率の上昇が見込まれるが、新規事業の実施等について総点検を図り、財政の健全化を図る。
将来負担比率が74.2%と類似団体の平均より高いのは、昭和60年台から続く下水道事業、平成5年度以降に進めた老人福祉総合エリア整備事業、樹海ドーム整備事業等の社会資本整備と、平成19年度に実施した総合病院改築事業による地方債借入が主な原因である。近年の新規事業抑制による借入額の減少や繰上償還の実施による地方債残高(?31,544百万円→?30,623百万円)の減少、庁舎建設基金やふるさと応援寄附基金等の充当可能基金残高(?7,217百万円→?7,868百万円)の増加により、数値は改善している。今後は本庁舎の改築に伴う地方債の借入により比率の上昇が見込まれるが、新規事業の実施等について総点検を図り、財政の健全化を図る。
人件費は前年度比0.5ポイントの増、類似団体平均と比べて1.0ポイント増であった。前年度に比べ増となった要因は、給与改定や大型イベント実施に伴う時間外手当等の増加等によるものである。今後も、市職員定員適正化計画に基づく適正な人員配置や、第6次大館市行政改革大綱に基づく事務事業の見直しを行い、数値の改善を図る。
物件費は前年度と同じ比率であるが、類似団体平均と比べて0.5ポイントの増であった。類似団体平均を上回っている要因は、ニプロハチ公ドームや市民文化会館をはじめとした公共施設に指定管理者制度を導入し、歳出に占める委託料の割合が多いことによるものと考えられる。今後も指定管理者制度の活用を図りつつ、併せて物件費の適正化を図る。
扶助費は前年度比0.2ポイントの増、類似団体平均と比べて0.3ポイントの減であった。前年度に比べ増となった要因は、児童手当給付費が減少する一方、年金生活者等支援臨時福祉給付事業の皆増、子どものための教育・保育給付費負担金や障害者自立支援給付費の増加等によるものである。今後も生活保護費の資格認定や医療扶助の適正化等を実施することにより、数値の改善を図る。
その他については前年度比0.4ポイント増、類似団体平均と比べて0.6ポイントの増となっている。前年度と比べ増となった要因は、介護保険給付の増加に伴う介護保険特別会計への繰出金が増加したことによるものである。今後も保険料の適正化等により、数値の改善を図る。
補助費等は前年度比0.5ポイントの増、類似団体平均と比べて1.7ポイントの減であった。前年度に比べ増となった要因は、病院事業に対する補助金・負担金の増加等によるものである。今後も病院事業経営改革プランに基づく病院事業の経営改善や、下水道事業の総合戦略に基づく下水道供用区域の拡大による使用料収入の確保等により、補助費等の抑制を図る。
公債費は前年度比0.4ポイントの減、類似団体平均と比べて2.2ポイントの減であった。前年度に比べ減となった要因は、新規事業の総点検による地方債借入額の抑制や繰上償還を引き続き実施したことによるものである。今後も新規事業の実施等について総点検を図り、数値の改善を図る。
公債費以外については前年度比1.6ポイントの増、類似団体平均と比べて0.1ポイントの増となっている。これは人件費及び補助費等の比率が増加したことによるものである。今後も職員定員適正化計画や公共施設総合管理計画に基づく経常経費の見直しによる経常収支比率の改善を進めることで、数値の改善を図る。
将来負担比率、実質公債費比率とも類似団体内平均値より高くなっているが、これは平成5年度以降に進めた老人福祉総合エリア整備事業、樹海ドーム整備事業等の社会資本整備と、平成19年度に実施した総合病院改築事業による地方債借入が主な要因である。しかし、近年の新規事業抑制による借入額の減少や繰上償還の実施による地方債残高の減少、庁舎建設基金やふるさと応援寄附基金等の充当可能基金残高の増加により数値は改善し、類似団体内平均値との差も縮小している。今後整備される公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の統廃合及び更新等を行いつつ新規事業の実施等についての総点検を図り、財政の健全化を図る。
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