経営の健全性・効率性について
経営状況は、依然として多額な一般会計繰入金により賄っている状況である。県内においても低い部類にある使用料設定による使用料収入により、経費回収率は、類似団体平均値の約1/3で20%にも満たない低い水準となっている。汚水処理原価については、今後の管渠整備の進捗や水洗化率の向上に伴い減少傾向になると思われるが、収益的収支比率及び経費回収率が低いことから、経費削減や使用料改定等の対策を講じることが必要と思われる。施設利用率と水洗化率においては、管渠整備とそれに伴う接続処理人口の増加により、今年度は僅かではあるが類似団体平均値を上回った。
老朽化の状況について
土木建築・付帯設備に関しては、平成14年度の供用開始から15年しか経過しておらず標準耐用年数までの期間は十分残っているが、管理機械設備や水処理設備の一部においては、発錆が散見されたりしている。電気設備においては、標準耐用年数を経過したものについては、故障が発生し修繕をしている状況になっているので、今後は、ストックマネジメント計画を策定しストックマネジメント支援制度による交付金を活用するなどして、計画的な更新等も含め適正な維持管理が必要と思われる。管渠に関しては、平成8年度の管渠整備から起算しても経過年は、21年程度となっており標準耐用年数までの期間は十分残っているので、現段階で管渠の改築の必要性は無い。
全体総括
収益的収支比率及び経費回収率の経営指標は、共に大変低い数値となっている。特に経費回収率においては、類似団体平均値よりも大きく下回っていることから、今後は、適正な使用料収入の確保のために経営戦略の策定や使用料改定を検討し、水洗化率の向上及び維持管理経費の削減等の取組を行いながら経営改善を図っていく必要がある。