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地方財政ダッシュボード

沖縄県中城村の財政状況(2022年度)

🏠中城村

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、平成30年度の0.61から令和4年度の0.62まで、多少の増減はあるものの、概ね安定的な傾向にある。これは、堅調な人口増加や宅地開発等による村民税及び固定資産税の課税客体の増収傾向によるものである。しかし、物価高騰の影響など厳しい状況も影響し、対前年度比では0.01ポイント下回り、類似団体平均に対しても0.04ポイント下回っている状況である。今後も更なる課税客体の適切な把握に取り組み、財政基盤の強化に努めていく必要がある。

経常収支比率の分析欄

前年度より3.8ポイント増加となっている。主な要因としては会計年度任用職員に係る報酬や共済組合負担金等の増により1.1ポイント増加し、その他、物件費で0.9ポイント、扶助費で0.7ポイント増加していることなどが影響している。類似団体平均値や全国平均と比較すると大幅に下回っており、数値的には良好であるが、今後は通常の行政運営へ向けて経常経費の増加が予想されるため、引続き自主財源確保の取り組みと併せて、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人あたりの人件費・物件費等は、前年比2,659円の増で、類似団体の平均に比べ14,755円下回っている。人件費(退職金を除く)は職員数増による職員給の増や職員手当増に加え、会計年度任用職員に係る費用の増加(期末手当)により、人件費総額が増加している。物件費についても教育施設整備に係る委託費等の増により、対前年比62,441千円プラスとなった。今後も教育施設整備やまちづくりに係る委託費等が増加していくことから、引続き歳出削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度と同水準で推移しているものの、類似団体平均値比較は、2.8ポイント上回っており、依然として高い状況である。その要因として、本村の職員の平均年齢、経験年齢が低く若年層職員の中間管理職への登用しなければならない職員構成となっているのが原因となっており、集中改革プラン実施前の職員採用を行わなかった事が要因となり、国や他の団体との職員数のバランスが異なる状況となっている。今後は職員採用における適正なる計画に努める必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均値より1.52人下回っており、対前年度比においても0.09人減となっている。これまで、集中改革プランの明示どおりに組織編制及び組織改革に取り組んできた成果であるが、全国及び県平均値より大幅に下回っている状況で、村内の人口増加に職員数の増が追い付いていない現状があり、今後の多様な住民サービスへの対応を考えると、職員定数の適正化は急務であると同時に、より効率的な組織体制の見直しを図らなければならない。

実質公債費比率の分析欄

前年度より0.4ポイント改善しており、類似団体平均を比較しても0.9ポイント下回っている。数値減少の主な要因は、標準財政規模の増加と、元利償還額が減少したことが挙げられる。しかし、今後は公立小中学校の建替や移転整備に伴う多額の公債費の発行があり、大幅な上昇が見込まれることから全庁的に事業の必要性や優先性などをこれまで以上に十分に精査し、健全な行財政運営に努めていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

前年度と比較して135.7ポイントの大幅増となり、類似団体の中でも最高値となっている。これは、公立小学校を2校同時に建て替えるために新たに発生した債務負担行為額6,738,700千円が大きく影響しており、急激な上昇を招いている。今後の財政運営においても非常に大きな負担となることから、今後の動向を常に注視し、中長期的な財政計画を基に持続可能な予算編成に全力で努めていく必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

前年度より1.1ポイント増加となっており、平成30年度よ以前より常に類似団体平均値よりも下回って推移している。職員数の増もあり人件費自体は増加しているが、類似団体などと比較して職員数が少ない状況が影響している。人件費については、今後も増加していくものと想定されるが、人口増加や行政サービスの拡大による財政規模の増も鑑み、バランスの取れた人員配置に努める必要がある。

物件費の分析欄

前年度より1.0ポイント上昇しているが、類似団体平均値よりは4.8ポイント下回っている。しかし、今後は、物価高騰により各種委託費や施設の維持管理経費も上昇し、それに伴い物件費も増加することが見込まれることから、引き続き需用費や委託料等の抑制に努める必要がある。

扶助費の分析欄

前年度より0.7ポイント上昇しており、依然として類似団体平均値より4.6ポイント上回る13.9%となった。主な要因としては、障害福祉サービス費及び教育・保育給付費の増大に加え新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した給付金事業等が影響している。今後も、障害福祉や子育て支援に関する事業等により増加が見込まれるため、新規事業の必要性の検討及び財源確保に努める。

その他の分析欄

前年度より0.5ポイント上昇しているが、類似団体平均値及び県平均値は下回っている状況でる。主な要因としては、国民健康保険特別会計等への繰出金が18,704千円の増になったことが挙げられる。特別会計への繰出金については、依然として多額となっていることから医療費の適正化や収納率の向上更には、下水道料金の増改定などを図り、一般会計の負担を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

前年度より0.6ポイント増となっている。これは前年度と比較して新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した補助事業が増加したことが影響している。今年度は類似団体平均値を下回ったが、県平均よりは4.9ポイントも上回っている。今後は種補助団体等へ交付している補助金も含め、その目的を十分精査し、見直し及び廃止も含めて引き続き検討する必要がある。

公債費の分析欄

対前年度比0.1ポイント減少、類似団体平均値より3.7ポイント下回った。主な要因は元利償還金が前年度比13,009千円減となったことが挙げられる。しかし、今後は教育施設整備事業債の新規発行や既に発行済みの新庁舎建設事業債の償還が開始されることにより、公債費が大幅に増えていくことが予想されるため、後年度に及ぼす影響も考えながら公債費の抑制に努める必要がある。

公債費以外の分析欄

対前年度比は3.9ポイント増加し、類似団体平均値及び県平均値を下回っている状況であるが、扶助費については他の類似団体と比較して高い水準にあるため、継続して経費の削減と自主財源確保に努める。また、経常収支比率に直接影響する各性質における計上経費については、これまで以上に適正な執行を管理していく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

構成項目別では、歳出決算総額の住民一人当たり455,721円の約48.4%を占める民生費が220,724円と最も高く、総務費が71,354円、教育費が49,569円、衛生費が38,450円と次いでいる。民生費に占める主なものとしては、認可保育園等に対する施設型給付費があり、待機児童対策に伴う新規園の増加により年々増加している。また、障害福祉サービス費等給付事業などの社会福祉費や、介護保険特別会計事業など老人福祉費も増加傾向にある。総務費は、公共施設整備基金積立金の大幅減に加え寄付額の減によるふるさと納税関係経費の減少が大きく影響し前年対比17,956円の減となっているが、全体に対する割合は依然大きい。今後は学校施設の建替事業が予定されており、教育費については高い水準で推移していくものと見込まれることに伴い、公債費も増大していくものと考えられるため、各事業の緊急性及び必要性を精査のうえ、公債費が将来の財政運営に影響を及ぼすことの無いよう努めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり約455,721円となっている。主な構成項目では、約33.3%を占める扶助費が151,629円と最も高く、物件費が65,664円、人件費が63,408円、普通建設事業費が46,645円と次いでいる。扶助費は類似団体と比較しても依然と高い状況であるが、その要因には、障害福祉サービスの給付対象者が増加していることや子育て支援関係の給付費等の増が挙げられ、これらの費用は例年継続して高い水準を維持する見込となっている。物件費の主なものについては、住民票等のコンビニ交付システム構築委託や教育施設整備に係る委託費等により前年度比62,441千円の増が挙げあられる。人件費については、職員数の増に伴う職員給の増及び会計年度任用職員数の増による報酬の増により前年度対比で44,364千円の増となっている。今後は学校施設の建替事業が予定されており、普通建設事業費や公債費が増大する見込みとなっている事から、自主財源確保の取り組みと併せて経費の削減に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政規模に対し、財政調整基金残高は前年度比0.35%増となった、主な要因は、昨年度に引き地方創生臨時特別交付金の活用により、一般財源の抑制が図られたため、財政調整基金の取崩額よりも積立額が上回ったことが挙げられる。その結果、実質収支額も8.78%となっており、前年度比2.3ポイント増となった。しかし、今後は公立小中学校の建替整備があり、基金残高は大幅に減少することが見込まれる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度において、各会計は黒字となっている。しかしながら、水道事業会計及び土地区画整理事業特別会計を除く特別会計では、依然として一般会計からの多額の繰出金により収支が黒字となっている状況である。特に繰出額の多い国民健康保険事業特別会計については、高齢化などに伴う医療費の増加が今後も続く見込みであり、保険料の増改定や村民の健康づくりによる医療費の低減、保険料の徴収率向上などが必要であり、下水道事業においても同様に使用料金を増改定するなどして、自主財源の増と合わせて、歳出の抑制を強化していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金については、減少傾向となっている(前年対比-17百万円)が、令和2年度まで行われた新庁舎建設事業により、地方債残高が増加している。加えて、今後は学校施設の建替事業が予定されていることから、地方債残高については、急激に増加し、村の財政状況を圧迫することが見込まれているため、他の新規事業に係る起債については、交付税措置のある地方債などの活用を図るとともに、公営企業を含め事業精査を行い地方債発行の抑制に努める必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度については、新規で公立小学校整備事業に係る債務負担行為(債務負担額6,739百万円)が発生したことにより、将来負担比率の分子は急激に増加した。さらに令和6年度には公立中学校の移転整備事業に係る多額の債務負担行為も発生する見込みがあるため、これらの大型事業費の学校施設建替事業が開始されることにより、充当可能基金の取り崩し及び地方債現在高も急増することが見込まれており、将来負担比率の増加が懸念されるため、中長期的な財政計画を策定し、より一層、健全な財政運営に努める必要性が高い。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)基金全体として、前年度より309百万円の増となった主な要因は、公共施設整備基金に例年どおり150百万円積立たことに加え、チバリヨー中城ごさまる応援基金に約118百万積立したことによる。その他、一般廃棄物処理施設建設基金にも今後の新しいごみ処理施設の建設計画に沿って47百万円積み増ししている。(今後の方針)今後は公立小中学校の建替整備が開始されることから、基金の状況について減少傾向になっていくことが見込まれている。そのため、急激な減少を緩和するためにも、少しでも積み立てができるように一般財源の歳出抑制に努める。その他、ふるさと納税で得た寄付金を積立てるチバリヨー中城ごさまる応援基金についても、積立額を増加させられるように努めると同時に企業版ふるさと納税についても積立ができるような体制づくりを強化していく。

財政調整基金

(増減理由)人件費や物件費の増により、経常経費の歳出が増加し積立金へ計上できる一般財源が減少したため、積立額から取崩額を差し引いた額は約2百万円となり年度末現在高は微増にとどまっている。(今後の方針)今後、学校施設の建替を予定しており、工事費の高騰などの不測の事態に備えるため、可能な限り財政調整基金への積み立てを行う。

減債基金

(増減理由)今年度については、増減なし。(今後の方針)今後、公債費が財政を圧迫する場合、繰上償還等を検討する。また、償還額が多額になっていく場合は、取崩を行い公債費に充当していくことも予測される。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設整備事業に要する経費への充当・廃棄物処理施設整備基金:新一般廃棄物処理施設建設事業に要する経費への充当・庁舎建設基金:庁舎建設事業に要する経費への充当(庁舎建設が完了するため、今後、廃止予定。)・チバリヨー中城ごさまる応援基金:『中城城跡の保全』・『児童の健全育成・教育環境整備』等の施策の推進・人材育成基金:活力と魅力に満ちた村づくりに資する人材育成事業の推進(増減理由)・公共施設整備基金:今後予定される大型ハード事業を見越して、積立(150百万円)を行ったため。・廃棄物処理施設建設基金:新しいごみ処理施設建設に向けて積立(47百万円)を行ったため。・庁舎建設基金:約8百万円を庁舎整備に充当したために微減。・チバリヨー中城ごさまる応援基金:前年度ふるさと納税寄付実績額(経費差引後)の積立を行った。・人材育成基金:前年度人材育成寄付実績額の積立を行った。(今後の方針)・公共施設整備基金及び廃棄物処理施設建設基金は、毎年度一定額を積立予定。令和7年度頃からは公立小中学校建替事業に伴い取崩を行っていく可能性がある。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

・有形固定資産減価償却率は53.9%であり、資産の老朽化の度合いについては類似団体と比較して低い水準にある。しかし、村道や上下水道などのインフラ資産においては、今後も急速に老朽化が進むことが予想されるため、施設更新等が急務である。一方、令和2年度には新庁舎が完成し、今後は学校施設の建て替えも予定しているため、それらの事業がスムーズに進めば、有形固定資産減価償却率の減少要因となり、資産全体の老朽化率も抑制される見込みである。

債務償還比率の分析欄

・債務償還可能年数は254.6%で類似団体平均407.7%を大きく下回っており、昨年度に比べても170.7%改善しているため、債務償還能力は向上していると言える。しかし、今後は庁舎建替えで発行した起債の元金返済や学校施設の建替えなどで新たに多額の起債新規発行が予定されているため、数値の急激な悪化も予測される。そのため、充当可能財源の確保などの対策が必要であり、コスト削減と新たな財源の検討が必要である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

・令和3年度については村有地の売却にて得た収益を基金へ積立したことにより、将来負担率は大幅に減少した。しかし、それでも類似団体平均値を上回っており、更に今後は、小学校(2校)・中学校(1校)の建て替えが予定されているため、将来負担比率は急激に増加すると見込まれている。一方で、有形固定資産減価償却率は令和2年度に完了した新庁舎整備をはじめ新たな施設更新により、類似団体よりも低下する要因もあると考えられる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

・将来負担比率については、上記のとおりである。実質公債費比率については、年々減少傾向ではあるが今後は、新庁舎建設時に発行した起債の元金償還が始まることに加え、小学校増改築事業や中学校移転事業などの大規模な建設事業が控えており、将来負担比率及び実質公債費比率ともに増加が見込まれるため、事業の必要性や優先性などを十分に精査し、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

・類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっているのは、認定こども園・幼稚園・保育所である。その中でも特に老朽化が進んでいる幼稚園については、令和5年度に新規で認定こども園を新設し民営化する予定である。幼稚園については解体する予定であり、数値の改善が見込まれている。・児童館については、平成20年度に新しい施設を建設したため、有形固定資産減価償却率が低くなっている・学校施設については、今後、小学校(2校)と中学校(1校)の建替を実施する予定であり、有形固定資産減価償却率は改善する見込みである。・港湾・漁港については、類似団体とほぼ同値となっており平均的な状況であると推察できる。しかし、今後、長寿命化工事を実施するなど、数値改善への継続的な取組が必要である。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

・類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている【一般廃棄物処理施設】については、今後、他市村との施設統合を予定しているため、それまでは高い水準が継続するが、統合後は改善する見込みである。・消防施設の有形固定資産減価償却率については、消防支所の新規整備により劇的に改善している。加えて、本庁舎についても建替が予定されており、今後、さらに改善していくことが見込まれる。・庁舎に関しても令和2年度に新庁舎整備が完了し、令和3年度には旧庁舎の解体も行われたことから、有形固定資産減価償却率は大幅に改善しているが、一人当たりの面積については、旧庁舎解体により減少する形となっている。・図書館については、平成27年度に新しい施設を建設したことにより数値的には良好である。・体育館については、類似団体と比べ有形固定減価償却率が高くなっているため、早急に個別施設計画等を策定し、老朽化対策に取り組んでいく必要がある。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等ベースで約25,092百万円資産を形成している。その資産のうち、93.9%は有形固定資産(事業用資産、インフラ試算、物品)、無形固定資産、投資その他の資産(投資及び出資金、基金など)で形成されている。また、基金は固定資産、流動資産合わせて約2,800百万円所有しており、資産総額の11.2%を占めている。一方で、将来世代が負担すべき負債は約5,630百万円で、資産総額に対して22.4%となっている。負債の多くを占めるのは、地方債が約5,500百万円である。また、地方債の中には、国からの地方交付税措置を受ける臨時財政対策債が約2,800百万円ある。純資産(約19,461百万円)は形成した資産に対して負担の必要がない金額を指しており、資産総額に対して77.6%となっている。今後は、公立小中学校の建替事業など大型事業が実施予定であることから、資産・負債ともに増加していく見込みとなっているため、その動向に注視していく必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

毎年継続的に発生する費用である経常費用は約9,849百万円となっている。内訳は、業務費用と移転費用に分かれており人件費や物件費などの業務費用が約4,109百万円で41.7%、補助金や他会計への繰出金など外部へ支出される移転費用が約5,740百万円で58.3%となっている。また、貸借対照表で計上している有形固定資産や無形固定資産の1年間の価値の目減り分である減価償却費は約1,000百万円計上されている。一方で、サービスの対価として徴収する使用料や手数料、受取利息などの経常収益は約363百万円となっており、経常費用に対して3.7%となっている。この数字は将来的には受益者負担が適正かどうかを検討する場合の一つの材料として使用することが考えられるため、施設使用料や事務手数料が他の自治体と比較してどのような状況となっているかなども含め、検証していく必要性が大きい部分である。臨時的に発生した損益を含めて、最終的な行政コスト(純行政コスト)は約9,486百万円となっており、対前年比で約497百万円増加している。これは、主に保育施設運営や物価高騰対策に要した補助金等が増加した結果となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コストが昨年度と比較して約500百万円増加した一方で、財源については約233百万円の増加にとどまったことにより本年度純資産変動額が85百万円となり昨年度から△264百万円と厳しい結果となった。要因としては、財源である国県等補助金が246百万円増加したのに対し、税収等については△13百万円となったことが挙げられる。そのため、引き続き、税徴収方法の改善などに取組み税収等の増加を図るとともに、純行政コストの徹底した見直し等により削減に努める必要がある。全体及び連結会計もほぼ一般会計等による影響が大きい状況である。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

経常的な業務活動収支においては、約833百万円の黒字となっている。それに対し、投資活動収支は約410百万円の赤字となっている。主な投資活動支出として、公共施設等整備支出で約390百万円、基金の積立支出が約560百万円ある。主な投資活動収入として、公共施設整備および積立に係る補助金が約280百万円、基金の取崩が約250百万円あることから、約半分を基金からの繰入に頼っているという厳しい状況である。財務活動収支は村債の償還と発行が大きく関わっており、約280百万円の赤字となっている。これは、村債を発行した額が償還額よりも少なかったためであり、貸借対照表の負債である地方債の総額の減少につながっている点である。しかし、今後は村債の発行額も増加していくことが見込まれているため、各活動における動向を注視していく必要がある。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

昨年度に引き続き、住民1人当たりの資産額が類似団体平均を下回っているが、道路や河川等について、取得価格が不明であるため、備忘価格1円で評価しているものが大半を占めているためである。また、当村においては人口が急増しており、過去5年間で1,125人増となっていることも影響していると分析できる。歳入額対資産比率については、資産額の微減に対し歳入総額が微増となったことから、当該値は微減となっている。資産自体に大きな変化はなく、類似団体との差も横ばいである。有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下まわっているが、年々上昇している状況である。当該値については、今後、公立小中学校の建替事業が予定されているため、改善していくものと推察される。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、直近5年間において類似団体平均より若干上回っている程度であり、世代間負担の状況は平均的であると推察できる。しかし、令和2年度に新庁舎建設事業が完了し地方債発行総額が増加していることに加え、今後予定される村立小・中学校の建替及び移転事業に伴い、地方債残高が一気に増加していく見込みとなっていることから、資産と負債の比率をはじめ将来世代負担比率についても、地方債残高の急増などにより一気に増加していく見込みとなっている。したがって、新規に発行する地方債については、より精査し元利償還金に対する交付税措置など財源措置のあるメニューを最大限活用することに加え、償還中の地方債においては、より低利率の金融機関に借換えを検討するなどして、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

当該年度は昨年度と比較して、人口の増加に伴い純行政コストも増加したことにより、住民一人当たりの行政コストも増加し、類似団体との平均値の差も拡大してきている。翌年度以降も人口は増加していく見込みであり、民生費や衛生費における扶助費や補助金等は今後も増加傾向を維持する見込みとなっている。そのような状況下で、一般財源による財政負担も大きくなることから、より計画的な事業執行と行政コストに対する意識改革を職員をはじめ村全体で強化していく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

当該年度については、大きな額の地方債の発行はなく、人口も増加傾向にあるため、住民一人当たりの負債額は減少している。しかし、依然として負債の大半を占めるのが地方債(約5,5100百万円)となっており、前年度より減少はしているが、今後は更に地方償還額よりも発行額が上回る見込みとなっていることから、住民一人当たりの負債額も増加する見込みとなっている。これは、再三にわたり記述している公立小中学校等の同時建替えが大きく起因しているが、老朽化した学校施設の整備は必須事業であるため、今後は中長期の財政計画をもとに、徹底した無駄なコストの削減とより効率的な予算執行により、負債の増加を最小限に注力することが重要である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

当該年度は直近5年間で初めて類似団体平均を下回る状況となった。これは、類似団体が使用料等の見直し等により受益者負担を上昇させてきた一方で、当村がその取り組みに遅れをとっているとも言うことができ、これらの取り組みに早急に着手する必要性が高いと言える。しかし、近年の物価高騰も含め受益者負担を安易に増加させることは、行政サービスにおいて逆に不利益になる危険性もあるため、慎重に検討し取り組まなければならない。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,