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地方財政ダッシュボード

鹿児島県屋久島町の財政状況(2020年度)

🏠屋久島町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和3年3月末36.68%)に加え、零細企業が多いなど財政基盤が弱く、また、各種公共事業の財源として辺地対策事業債や過疎対策事業債などの起債を多く活用しており、多額の公債費が基準財政需要額を増大させていることから類似団体平均をかなり下回っている。今後も継続して経常経費の徹底的な抑制と投資的事業の厳選、徴収体制の強化による税収確保に努めて財政の健全化を図る。また、合併の際の住民サービス向上施策として、出張所6箇所設置しているほか、福祉事務所を設置するなど類似団体に比べて職員数を多く抱えている。事務の効率化に努め、行政サービスを低下させないように適切な定員管理に基づく人件費の抑制に努める。

経常収支比率の分析欄

会計年度任用職員制度への移行により物件費の減及び人件費の増があり、また、公営企業会計制度の導入により繰出金の減及び補助費等の増があった。経常収支比率については、3.6ポイント改善して類似団体を下回ることとなり、要因としては大規模事業の起債の償還が終了したことにより公債費が減少したことによる。今後は、庁舎建設や光回線敷設事業などの償還が始まることから、公債費の増加による比率の悪化が予想される。新規地方債はやむを得ないが、可能な限り地方債発行を抑制するとともに、事務事業の見直しを進めて歳出予算の徹底した削減に努めるなど経常経費の削減を図って比率の改善を目指す。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度から31,219円増加しており、類似団体平均及び県平均を大きく上回っている。これは、人件費については、本町は島の周囲沿岸部に居住区域が点在しており、実質稼働距離が長いことから、行政サービス低下を招かないよう6箇所の出張所に職員を配置していること。また、福祉事務所を設置して生活保護業務に携わる職員を有しているため類似団体平均よりも職員数が多いこと。物件費についても、6出張所の維持管理経費をはじめ、公共施設を多数有しているために多額となっている。さらに、し尿処理施設やごみ処理施設が経年劣化しており、その維持管理経費が財政を圧迫する大きな要因の一つとなっていることなどから廃棄物政策の見直しが必要となっている。

ラスパイレス指数の分析欄

ここ数年は横ばいの状況が続いており、類似団体平均よりわずかに高い数値であったが、令和2年度はわずかに類似団体を下回った。本町の給与は国の制度に準じており、各年度の増減は職員構成や年齢階層の変動の影響が大きいと考えている。小規模自治体のため、経験年数階層内の分布が変わった場合によっては数値の動きが顕著な場合がある。現状、全体の年齢構成としては高年齢層の職員が多く、今後も引き続き適正な定員管理を心掛け、全体の年齢層のバランスを勘案しながら、退職者数に見合った新規採用、適正な給与格付けを行うとともに、昇給・昇格を人事評価に基づくものとするよう努めていきたい。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本町は屋久島と口永良部島の二つの離島を行政区域としており、屋久島の居住区域は島の周囲沿岸部のみで行政区域が広範囲であるため本庁舎のほか5出張所、口永良部島に1出張所を設置している。したがって、出張所に配置する職員も相当数必要なことや、福祉事務所設置町として生活保護業務を移管されていることなどから、本指数は類似団体平均を上回っている。平成19年の合併以降、職員数削減は自然減という形で年々減少傾向にあったが、今後は現職員の年齢構成から職員数削減はこれまでのようには進まないため、事務の効率化を図りながら人員の抑制に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

平成22年度に策定した公債費負担適正化計画に基づき、新規地方債の発行抑制に努め、平成24年度決算で18%を下回り、令和2年度決算でも13.1%と前年度から0.8ポイント減少した。これは庁舎建設や光回線敷設事業などの大規模事業が終了したことによるもので、今後、ごみ処理施設建設事業などによる多額の新発債が見込まれるため、上昇に転じることが予想される。現状においても類似団体平均を大きく上回っており、県内でも突出していることから、公共施設整備基金の活用や当該年度の起債額を元金償還額以下に抑制するなど、普通建設事業の適正な計画・管理・縮小を行い、綿密な財政計画による適正な公債費管理に努める。

将来負担比率の分析欄

新規地方債の発行抑制に努めるとともに、経常経費の見直し及び投資的事業の厳選などの歳出抑制を行って財政健全化に努めてきたところであり、その効果として、年度によって若干の増減はあるものの、概ね改善がなされてきた。しかし、依然として、類似団体と比較すると高い比率となっていることから、引き続き取り組むこととする。今回の大幅な減少(10.7ポイント減)は、ごみ処理施設の償還や畑地帯総合整備事業償還助成金が終了したことによるものである。今後新たなごみ処理施設建設や各種公共施設の改修といった大型事業による多額の新規地方債発行が見込まれていることから、今後も公債費等義務的経費の削減に留意しながら財政健全化の推進に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

類似団体平均を下回っているが前年度から3.0ポイント増加しており、引き続き注意を払う必要がある。当町は本庁舎に加えて6出張所、福祉事務所を設置していることもあり、類似団体に比べて職員数が多く、経常人件費は高い状況にある。また、令和2年度から会計年度任用職員制度が施行されたことによる影響も大きいと考えられる。今後も組織再編や人員配置の見直し等を行い、適正な職員定数管理に努めていきたい。

物件費の分析欄

前年度より2.6ポイント減少しているが、類似団体平均及び県平均を上回っている。これは本庁舎のほか6出張所を抱えていることや、稼働して十数年以上が経過するごみ処理施設及びし尿処理施設の維持管理経費が年々増加傾向にあること等が原因として挙げられる。これまで継続して経常経費削減に取り組んでいるが、今後も公共施設総合管理計画に基づいた個別計画の実践により、施設の統廃合や譲渡・売却等を進めて適正規模の施設管理による物件費の削減に努めたい。

扶助費の分析欄

生活保護医療扶助費や子どものための教育・保育給付費の増加、自立支援給付費の増加が顕著であるものの、前年度からは0.7ポイント減少。全国的にも扶助費は増加傾向にあり本町も同様の傾向となっているが、社会情勢に合わせたサービスを的確に行っていくとともに、訪問系サービス等の充実を図り、予防段階での取組みをしっかりと進めていく。

その他の分析欄

昨年度と比較して2.1ポイント減少し、類似団体平均と比較して5.0ポイントの差となっている。本町は公債費並びに物件費の割合が高いことから、他の費目が総じて低く抑えられている状況にある。また、本町の特別会計運営は、総じて独立採算とは程遠い経営となっているため、一般会計繰入金に頼ったものとなっている。事務事業の見直しによる歳出削減に努めるなど効率的な事業運営となるよう注視していく必要がある。

補助費等の分析欄

類似団体平均より低い値となっているものの、これは本町では公債費並びに物件費の割合が高いことから、他の費目が総じて低く抑えられていることに起因する。公債費の占める割合が高い当町では、他の経常経費の削減に努めなければならず、各種団体への補助金等については、これまで精査及び見直しを実施してきたところであり、今後も継続的に行うこととして必要性の低い補助金は見直しや廃止を行う方針である。

公債費の分析欄

平成19年10月の合併後、公債費は平成20年度にピークとなった。さらに平成22年度には実質公債費比率が18%を超えたため、公債費負担適正化計画を策定し、新規地方債の発行抑制等による一層の公債費削減に取り組んできた。その成果もあり公債費は減少を続け、令和2年度には類似団体と5.6ポイント差までになった。しかし、今後はごみ処理施設建設事業や学校施設大規模改修事業など、多額の地方債を必要とする大型事業も計画されていることから、長期定な視点に立った財政計画により財政健全化に努める。

公債費以外の分析欄

昨年度と同値となっているものの、類似団体平均との差は6.0ポイントに縮まっている。健全な財政運営に向けて公債費の抑制に努めており、その効果が徐々にではあるが現れているものと考える。今後も柔軟な財政運営を目指し、経常収支比率増加の要因となる公債費や物件費を抑えていくことが肝要との認識の下、長期的に公債費の水準を低減させ、短期的には物件費を抑えていくなど、適正水準に向けた取組みを継続することとする。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費の増額については、新型コロナウイルス感染症対策の特別定額給付金事業の影響が最も大きく、その他、屋久島町だいすき基金(ふるさと納税)や財政調整基金への積立額が増加したことによるものである。・民生費が類似団体平均に比べて高止まりしている要因は、福祉事務所設置町であることから生活保護業務等を移管されており、生活保護費や児童扶養手当などの扶助費支出があることによる。・衛生費も類似団体平均に比べ高止まりしているが、これは、世界自然遺産登録されていることによる自然環境(山岳部)保全対策による影響が大きく、人力による山岳部からのし尿搬出を継続的に行うことは、屋久島の観光面及び衛生面からも重要である。また、廃棄物対策についても、ゼロエミッションの観点からごみの仕分けの細分化に取り組み、生ごみの堆肥化に取り組むとともに、プラスチック類や紙類など再資源化が可能であるものは島外へ搬出して再資源化を図っていることなどから、その処理費用及び島外搬出費用が多額となっている。・農林水産業費については、類似団体の約2倍となっている。これは本町が離島地域であることから、事業者の費用負担軽減策として実施している林産品及び軽工業品等の戦略産品の輸送費支援や、農水産物の輸送コスト支援事業などが大きく影響している。・商工費が大幅に増加しているのは、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた本町の基幹産業である観光産業等への支援策として、商品券の発行や飲食店応援事業などを実施したことなどによる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり1,032,596円となっている。本町は2町合併により誕生した町であり、また、離島という地理的条件等により、類似団体と比較して住民一人当たりのコストは高い傾向にあることが推察される。以下に特徴的な要因を持つ費目を分析する。・人件費については、定員管理の観点から新規採用者数を前年度退職者数より抑制したが、会計年度任用職員制度移行により増額となった。また、合併で懸念される住民サービスの低下を招かないよう6出張所を設置していることや福祉事務所を設置して生活保護業務を移管されていること等により類似団体より職員数は多くなっている。・物件費については、公共施設を多数保有していることにより維持管理経費が多額であることや、公共施設個別計画等に基づく公共施設の除却費用が影響している。また、ごみ処理施設やし尿処理施設に要する維持管理経費が年々増加傾向にあり、抑制に努めてはいるものの町の財政において占める割合は高い。・扶助費については、福祉事務所設置町であることから、生活保護業務及び児童扶養手当支給事務等、類似団体と比較して突出している。子どものための教育・保育給付費や身体障害者自立支援給付費など依然として増加傾向にある。・普通建設事業費については、本庁舎建設関連工事の完了や光ブロードバンド整備事業費の減など大型事業の影響により減少傾向にある。今後は、ごみ処理施設建設事業や社会資本整備事業(道路・橋梁)などの大型事業施工のため増加が予想される。・災害復旧費については、平成30年7月の台風で被災した永田港の継続事業となっている復旧に加え、令和2年度に被災した湯泊港の復旧による影響が大きい。台風や豪雨が激甚化・頻発化していることから、今後も年度間の大きな増減が予想される。・積立金については、屋久島町だいすき基金(ふるさと納税)への積立てが堅調に伸びていることや、ごみ処理施設更新や老朽化施設更新等に備えて財政調整基金及び公共施設整備基金への積立てに努めていることなどから積立金は増加傾向にある。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

平成19年10月の合併当時、財政調整基金残高は標準財政規模の5.3%程度であったが、これまで歳入確保や歳出削減に努めた結果、令和2年度には40%を超えるに至った。今後も継続して行財政改革の取組を一層推進し、安定した財政運営に努めることとする。実質収支は5.26%で0.61ポイント減少したところではあるが、適正とされる3~5%に近い値にあることから、今後も継続して健全な財政運営に努めることとする。実質単年度収支については、2年ぶりにプラスに転じたが、新型感染症により事業実施が困難となり歳出が抑制されたことなどが影響していると考えられることから、新型感染症の収束後を見据えた適切な財政運営に心がけることとする。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和2年度は特別会計事業のうち、上水道事業、農業集落排水事業及び船舶事業が地方公営企業法適用初年度である。上水道事業は、屋久島内の簡易水道事業が統合したものであり、口永良部島内の簡易水道事業は従前どおり法非適事業として実施している。両事業とも比率としては0.00%となっており、健全経営のように見られるが、実際には一般会計からの繰入金で赤字を解消していることによるものであり、また、同表示(0.00%)となっている他の特別会計についても、同様に一般会計からの繰入金により歳入歳出決算額の調整がなされている。また、その他の黒字となっている介護保険事業、国民健康保険事業、船舶事業、また、赤字となってしまった農業集落排水事業についても、例年、一般会計から事務費分の繰入れや赤字補てんを実施している状況にある。公営企業会計については、独立採算による事業実施を望むところではあるが、事業規模から考えると非常に困難であるといわざるを得ない。今後も引き続き、一般会計をはじめとして町全体で健全な財政運営を図るよう取り組んでいくとともに、各公営企業及び公営事業については経営を精査し、過度な一般会計負担の解消に努めることとする。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

平成22年度に公債費負担適正化計画を策定以降、新規地方債の抑制により元利償還金が減少してきたため、分子の減少により実質公債費比率は減少してきた。また、ここ数年の決算においては元利償還金が1,500~1,600百万円台の横ばいで推移してきたが、令和2年度は大型事業の償還が終了したことにより、200百万円超の減額となった。今後は平成30年度に事業が完了した本庁舎建設や小学校改築、令和7年度稼働を目指すごみ処理施設等の大型事業による元利償還金の増加要因が見込まれる。分母となる普通交付税については、一本算定で見込んでいた大幅な減額とはなっていないものの、今後の状況は不透明であることから、長期的視点に立った計画的な財政運営により実質公債費比率の改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

平成19年10月の合併以降、これまで歳入確保の努力と徹底した歳出削減により地方債残高の減少に努めるとともに、普通交付税が一本算定となる令和2年度以降の財政不安に備えて基金の積立てに取り組んできたことにより、将来負担比率は着実に改善してきた。そして、令和2年度については、ここ数年120億円程度で推移していた地方債残高が、初めて120億円を切るとともに、さらには当該年度の歳出総額を下回るに至った。今後はごみ処理場更新や光回線整備をはじめとする大型事業に伴う多額の地方債発行を見込んでおり、地方債残高の増加によって分子が増となる一方、普通交付税が一本算定となるなど見通しが不透明であることから分母の減少も予想され、3~5年の短期的な見通しとしては、将来負担比率はやや増加することも見込まれる。これらの要因を踏まえ、今後も引き続き行財政改革による歳出削減や、新規地方債発行額を元金償還額以下に抑えることなどにより、健全な財政運営に努めることとする。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、約43.7億円となっており、前年度から約3.8億円の増となっている。これは財政調整基金で約2.1億円、だいすき基金で0.9億円、公共施設整備基金で約0.6億円の積立てが増加したことが主な要因である。・歳入確保の努力と事務事業の精査や事業の選択などの歳出削減により、決算剰余金を中心として財政調整基金や公共施設整備基金への積立てを行った結果、財政調整基金は財源不足を賄うために当初予算編成で取崩した額を積立額が上回ったことにより増加した。・「屋久島町だいすき基金」は寄附金を財源としているため、寄附金の増減により基金の積立て額が変動するものの、ここ数年は増加傾向にある。(今後の方針)・財政調整基金は、合併時の平成19年度決算では約3.0億円であったが、令和2年度には約24.7億円となった。ある程度の規模に達していることから、これまで財政安定化を最優先にして公共施設の大規模改修や更新などを先送りしてきたことなどを踏まえ、各種基金の現在高を注視しながら、基金の活用を図っていくこととする。また、特定目的基金については、国県補助金や地方債では賄えない部分の財源として活用し、住民生活向上のための環境整備等に努める。

財政調整基金

(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、約24.6億円となっており、前年度から約2.1億円の増加となっている。・当初予算編成においては、取崩しを行っての編成としたが、新型感染症の影響によって事業の執行が予定通りに進まず、歳出が抑制されたことなどにより、結果として積立額が取崩額を上回ったことにより増加となった。(今後の方針)・新型感染症の影響などによる景気低迷による税収減や災害が頻発化・激甚化している状況に備えるとともに、これまで先送りしてきた公共施設等の大規模改修や更新、住民生活向上のための環境整備等について、基金残高に注視しながらの活用を図る。・基金残高については、人口減少や少子高齢化等により扶助費や補助費といった経常経費の増加が予想され、年度間の財源の不均衡の調整の必要が見込まれるものの、これまで同様の歳入確保と歳出削減に努めて毎年度24億円程度(12,000人×200千円)の残高を引き続き確保していく。

減債基金

(増減理由)・令和2年度末の基金残高は約3.1億円であり、前年度と同額となっている。・繰上償還などを実施せず、また、積立ては預金利子分のみとしたことによる。(今後の方針)・平成19年度の合併以降、事業の厳選などによる地方債残高の削減及び公債費の抑制に努めており、さらに、事業実施にあたっては、辺地債や過疎債などの交付税措置の割合が高く、公的資金が利用できる地方債を主として利用しており、今後も同様の方針により取り組んでいく。・公債費の償還については、公的資金が主であることから金利変動等のリスクは比較的小さく、また、平成20年度をピークとして年々減少傾向にある。満期一括償還方式の地方債の発行をしていない現状を踏まえ、毎年度3億円程度(標準財政規模の5%)を確保することとし、公債費比率改善や過度な後年度負担とすることのないように状況に応じて繰上償還を検討する。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の新設や改修などに要する経費の財源に充てることを目的として設置。大規模な施設整備や長寿命化整備などを行う場合に、国県補助金や町債発行では賄えない建設事業費の財源として活用。・屋久島町だいすき基金:本町へ寄附された「だいすき寄附金」(ふるさと納税)を適正に管理運用するために設置。環境保全対策事業や、活性化に関する事業の財源として活用。・岩崎育英奨学基金:育英奨学資金としての貸与又は青少年研修費として運用する事業の財源として活用。・未来を担う人材育成基金:主体的で活力ある町づくりを積極的に推進することを目的とし、幅広い視野と優秀な技術及び能力を有する人材を育成する事業の財源として活用。・中山間ふるさと・水と土保全基金:中山間地域における土地改良施設の機能を適正に発揮させるための集落共同活動の強化に対する支援事業を行うため事業の財源として活用。(増減理由)・公共施設整備基金:公共施設改修等のための財源として予定したが、次年度以降の建設事業を考慮して積立てを行ったことから増加。・屋久島町だいすき基金:基金活用事業の財源に充当した額よりも寄付金額が上回ったことで増加。・岩崎育英奨学基金、未来を担う人材育成基金、中山間ふるさと・水と土保全基金については、充当事業が行われなかったために預金利子のみ増加。(今後の方針)・屋久島町だいすき基金:全国から寄せられる好意に応えるべく、基金活用事業の積極的な拡大を行っていく。寄附金の額に応じて今後も活用を行う。・岩崎育英奨学基金:基金充当すべき事業を実施する際に財源として活用。・未来を担う人材育成基金:基金充当すべき事業を実施する際に財源として活用。・中山間ふるさと・水と土保全基金:基金充当すべき事業を実施する際に財源として活用。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年3月に屋久島町公共施設等総合管理計画を策定(平成30年改訂)して施設の適切な維持管理に努めており、さらに、令和3年3月には公共施設個別計画を策定し、延べ床面積を令和6年までに7.7%削減(計画期間内合計16%)する目標を掲げるなどして老朽化した施設や類似施設の集約化や複合化、除却への取り組みを進めている。有形固定資産減価償却率については上昇傾向にあるものの、今後計画実行への不断の取り組みにより、その伸びは緩やかになることが見込まれている。

債務償還比率の分析欄

実施事業の厳選による地方債発行抑制などの歳出管理による将来負担額の減少や、合併算定替期間における地方交付税の増額分などの基金への積極的な積立てなどの歳入管理の効果による充当可能財源の増加などにより類似団体平均を下回った。今後は、ごみ処理施設やし尿処理施設の更新などの大型事業の実施を予定しており、将来負担額の増加や基金などの充当可能財源の減少が予想されることから、これまで以上に効率的かつ効果的な財政運営に努めて、過度な数値上昇の抑制に努める必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、平成19年10月の合併以降から取り組んできた事業の厳選による地方債発行抑制や長期的視点に立った基金への積立てなどの効果によって年々減少傾向にあり、令和2年度は類似団体を下回ることとなった。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体を上回っており、さらには上昇傾向にある。主な要因としては、旧町で整備した施設を維持補修しながら継続利用していることなどが考えられる。今後は、これまで同様に地方債発行抑制や公共施設整備のための基金造成を行って将来負担比率の上昇を抑えるとともに、公共施設個別計画に基づいて、延べ床面積を令和6年までに7.7%削減する目標達成に向けた施設の集約化・複合化、さらには老朽化した施設の除却により有形固定資産減価償却率の上昇を抑えるよう努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、類似団体と比較して依然として高い状況にあるものの年々減少傾向にあり、将来負担比率については類似団体を下回った。これは、平成19年10月の合併から歳出抑制の一環として、事業を厳選して地方債発行額を公債費未満に抑えるよう努めてきたことなどによるものであると考えられる。なお、今後は令和元年5月に開庁した本庁舎の償還(元金)が令和2年度から始まったことによる公債費の増や、ごみ処理施設及びし尿処理施設の整備を予定していることなどによる地方債発行増、さらには基金の取崩しなどにより実質公債費比率及び将来負担比率ともに上昇していくことが考えられるため、これまで以上に長期的視点に立った公債費の適正化等に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

人口一人当たりに対する各種施設の延長や面積、有形固定資産(償却資産)額等の状況については、幼稚園を除いていずれも類似団体を上回っており、これまでに実施した積極的なインフラ整備の効果によるものである。一方、有形固定資産減価償却率は、すべての項目で類似団体を上回り、老朽化が進んでいることがうかがえる。今後は、各施設がそれぞれ定める長寿命化計画に基づいて適切に更新、整備を図るとともに、学校施設や公営住宅の大規模改修、公民館施設の避難所施設としての機能強化を含めた改修等による老朽化対策に取り組んで有形固定資産減価償却率の上昇の抑制に努める。なお、幼稚園については、民間の保育園(所)等が充実しており、町立幼稚園は1園の設置であることから一人当たりの面積は極めて低い数値となっている。また、有形固定資産減価償却率についても類似団体を下回っている状況にあるが、園児数の減少によりここ数年は毎年10人程度の状況が続いていることなど、施設の更新等にあたっては今後の施設の存続を含めた難しい判断が必要となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎については、平成30年度に本庁舎が完成し、令和元年5月に開庁したことから有形固定資産減価償却率及び一人当たり面積とも類似団体を上回った。しかし、庁舎を除く各種施設における有形固定資産減価償却率は、類似団体を下回っていることから老朽化が進んでいることがうかがえる。これは、島の沿岸部地域が居住可能という本町の地域特性などを考慮し、旧町において整備された施設は類似する施設であっても適切な維持管理に努めながら有効活用を図ってきたことが影響している。今後は、屋久島町公共施設等総合管理計画及び公共施設個別計画等に基づいて、有効利用が可能な施設については財政負担を抑えながらの計画的な更新・整備を行うとともに、老朽施設及び類似施設の集約化、複合化及び除却などの適切な実施により類似団体と同水準を目標として取り組んでいくこととする。また、一人当たり面積についても類似団体の水準を参考としつつ、本町の地域特性を踏まえた適切な水準を模索しながら施設整備を図ることとする。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額51,036百万円で、そのうち固定資産が47,518百万円で93.1%を占めている。固定資産のうち94.4%に当たる有形固定資産の減価償却率が69.3%となっており、これらの資産の老朽化対策のため、令和2年度に策定した「公共施設個別計画」に基づき、適正な管理に努める。また、負債総額は12,573百万円で、そのうち地方債が84.1%を占めている。今後もごみ処理施設や、し尿処理施設整備事業など大型事業による多額の地方債の発行が見込まれるため、普通建設事業の適正な計画・管理・縮小を行い、財政計画を綿密に立てることにより、適正な公債費管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用12,008百万円となり、前年度比1,560百万円の増加(+13%)となった。そのうち人件費等の業務費用は6,577百万円、補助金等や社会保障給付費等の移転費用は5,431百万円となり、業務費用の方が移転費用よりも多い状況となっている。その業務費用の中でも金額が大きいものは減価償却費(2,522百万円)を含む物件費等であり、経常費用の39.6%を占めている。今後は、令和2年度に策定した「公共施設個別計画」に基づき、施設の統廃合や、譲渡・売却等を行い、適正規模の施設管理に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(10,868百万円)が純行政コスト(12,056百万円)を下回っており、本年度差額は1,188百万円(前年度▲120百万円、▲10%)、本年度純資産変動額は1,173百万円となり、本年度末純資産残高は38,463百万円となった。全体会計では、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等の財源が3,136百万円多くなっているが、財源が純行政コストを下回っていることから本年度差額は1,064百万円、本年度純資産変動額は▲60百万円となり、本年度末純資産残高は39,880百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,615百万円となったが、投資活動収支については、栗生漁港機能保全工事や荒川トンネル補修工事等の各種施設整備に取り組んだことで▲756百万円となった。また、財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから▲376百万円となったが、今後も将来負担のリスクを考慮し、新規地方債発行額を償還額以下に抑制するなど、事業計画の見直しや財政計画を綿密に立てることにより、適正な財務活動収支のバランスをとる必要がある。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額については、類似団体平均値を大きく上回っている。要因の一つとして本町の地理的要因から、道路・橋梁・港湾・漁港等のインフラ資産が他団体と比較して多いことが考えられる。また、合併前に旧町ごとに整備した公共施設等の集約化が進んでいないことも要因であると考えられる。有形固定資産減価償却率については、特に事業用資産において築40年以上経過しているものが約4割を占めていることから類似団体より高い水準にある。また、これらの公共施設等の老朽化に伴い、前年度より1.8%上昇している。今後は公共施設等総合管理計画及び公共施設個別計画に基づき施設の統廃合や、譲渡・売却等を行い、適正規模の施設管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率については、類似団体平均と同程度であるが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から3.0%減少している。また、将来世代負担比率についても、類似団体平均と同程度となっている。これは、本町は類似団体の中でも地方債残高が比較的多くなっているが、同様に有形・無形固定資産も多いことが要因であると考えられる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を大きく上回っており、昨年度に比べても増加している。純行政コストの内、人件費、物件費等については本町の地理的な特性から6か所の出張所を設置していることや、集約化が進んでいない公共施設の維持管理経費等が多額であることが要因であると考えらる。また令和2年度に大きく伸びた要因としては、移転費用の補助金等に、特別定額給付金事業(1,223百万円)等の新型コロナウイルス感染症対策に係る各種事業が計上されたことによるものと考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額については、類似団体を大きく上回っている。負債の約84%に当たる地方債については、新規地方債の発行抑制等により徐々に改善されているが、今後も大型事業(ごみ処理施設や、し尿処理施設整備事業等)による多額の地方債の発行が見込まれるため、普通建設事業の適正な計画・管理・縮小を行い、財政計画を綿密に立てることにより、適正な公債費管理に努める。基礎的財政収支については、業務活動収支の黒字により投資活動収支の赤字分を補っているたため1,307百万円となっている。また投資活動収支の赤字の要因は、公共施設等整備費支出に地方債を発行し充当しているためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。使用料を徴収している公共施設においては、使用料の見直し等を行い、受益者負担の適正化に努める。また、令和2年度において、経常費用が伸びている要因としては、「3.行政コストの状況」にも記載した、移転費用の補助金等に特別定額給付金事業(1,223百万円)等の新型コロナウイルス感染症対策に係る各種事業が計上されたことによるものと考えられる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,