北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

鹿児島県の水道事業鹿児島県の下水道事業鹿児島県の排水処理事業鹿児島県の交通事業鹿児島県の電気事業鹿児島県の病院事業鹿児島県の観光施設事業鹿児島県の駐車場整備事業鹿児島県の工業用水道事業
地方財政ダッシュボード

鹿児島県屋久島町の財政状況(2018年度)

🏠屋久島町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 簡易水道事業 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和元年9月末35.3%)に加え、町内に多額の税収を生む大企業がなく、離島であるが故にベッドタウンにもなり得えないこと等により財政基盤が弱く、また、各種事業の財源として辺地対策事業債や過疎対策事業債を多く活用しており、臨時財政対策債償還費も加えた多額の公債費が基準財政需要額を膨らませていること等により、類似団体平均をかなり下回っている。経常経費の徹底的な見直しと抑制、投資的事業の見直しと厳選を実施するとともに、徴収体制の強化による税収確保に努め、財政の健全化を図る。さらに、これまでに引き続き、屋久島町だいすき寄附金(ふるさと納税)の積極的なPRによる歳入確保を図る。なお、出張所を6箇所設置しているほか、福祉事務所も設置していることから類似団体に比べて多い職員数を抱えており、これまで定員管理による人件費の抑制に努めてきたところではあるが、これ以上の人員削減は行政運営上、厳しいものがある。本庁舎建設に合わせて組織再編を行ったところではあるが、さらに効率的かつスリムな組織機構に改革を進める。

経常収支比率の分析欄

財政基盤が弱く、税収増が見込めないことから、歳入は地方交付税に依存しており、普通交付税額が本比率に大きな影響を及ぼしている。平成30年度は、退職手当組合負担金の見直しにより人件費は減となったが、生活保護扶助費や子どものための教育・保育給付費などによる扶助費の増、物件費の増、補助費の増などにより経常経費総額が増加(対前年度比+3,797千円)し、臨時の財源充当額が減(同-117,897千円)となったことで、経常収支比率は前年度から2.2ポイント悪化した。大型事業に伴う新規地方債はやむを得ないが、できる限り地方債発行を抑制し、歳出予算の徹底した削減に努めるなど事務事業の見直しを進め、経常経費の削減を図り、比率の改善を目指す。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度から5,339円増加しており、類似団体平均、県内平均を大きく上回っている。これは次の要因によるものである。人件費については、本町の地理の特性であるが、島の周囲沿岸部に居住区域が点在しており、実質稼働距離が長いことから、行政サービス低下を招かないよう6箇所の出張所を設置し、職員を配置している。また、福祉事務所設置町であることから、生活保護業務に携わる職員を有しているため、類似団体平均よりも職員数が多い。物件費についても、この支所・出張所の管理経費をはじめ、公共施設を多数有しているため、多額となっている。指定管理者制度を導入し管理運営を委託している施設もあるが、離島で経済圏が狭いことからも、競争相手が少なく、理想とするコスト削減効果が望めない状況である。さらに、近年は、ごみ処理施設の維持管理経費が財政を圧迫する大きな要因の一つであることからも、廃棄物政策の見直しが必要となっている。

ラスパイレス指数の分析欄

ここ数年横ばいの状況であるが、類似団体平均よりわずかに高い数値となっている。本町の給与については国の制度に準じており、各年度の指数の増減は人事異動等に伴う職員構成の変動や年齢階層の変動の影響が大きいと考えている。小規模自治体のため、異動の人数が少なくても場合によっては数値の動きが顕著な場合がある。現状、全体の年齢構成としては高年齢層の職員が多く、今後も引き続き適正な定員管理を心掛け、全体の年齢層のバランスを勘案しながら、勧奨退職の励行、定年退職者数に見合った新規採用、適正な給与格付けを行うとともに、昇給・昇格については人事評価に基づくものとするよう努めていきたい。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本町は屋久島と口永良部島の二つの離島を行政区域としている。特に屋久島はその大部分が山岳地帯で占めらていることから、居住区域は島の周囲沿岸部となっており、行政区域が広範囲であるため、本庁舎のほか5出張所、口永良部島に1出張所を設置し、行政サービスに努めている。したがって、支所・出張所に配する職員も相当数必要なことや、福祉事務所設置町として生活保護業務を移管されていること等から、本指数は類似団体平均を上回っている。平成19年の合併以降、定年退職者及び早期退職者も多く、合併効果による職員数削減も自然減という形で年々減少してきた。しかしながら、今後となると、現職員の年齢構成から今後の職員数削減はこれまでのようにはいかないため、今後も組織再編等を図り、新規採用の抑制に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

平成22年度に策定した公債費負担適正化計画に基づき、新規地方債の発行抑制に努めてきた結果、平成24年度決算において18%を下回ることができ、平成30年度決算においては、前年度からさらに0.1ポイント低下した。しかしながら、依然として類似団体平均を大きく上回っているとともに、県内でも突出して悪い状況に変わりはない。さらに、光回線敷設事業やごみ処理施設建設事業などの大型事業による多額の新発債が見込まれるため、公共施設整備基金の活用や、年度ごとの新発債総額を最低限元金償還額以下に抑制するなど、普通建設事業の適正な計画・管理・縮小を行い、財政計画を綿密に立てることにより、適正な公債費管理に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均よりも高い比率となっている。これまで新規地方債の発行抑制と基金積立努力により年々改善されてきてたが、大型事業による新規地方債の発行が前年度を上回ったために将来負担比率も悪化する結果となった。これ以上の比率の上昇を抑える必要があるが、今後も光回線敷設事業やごみ処理施設建設事業といった大型事業による多額の新規地方債発行が見込まれており、悪化が予想されることから、公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

退職手当組合負担金の見直しにより前年度から0.3ポイント減少しており、類似団体平均を下回ってが、本庁舎に加えて6出張所、福祉事務所を設置している当町は、類似団体に比べて職員数が多く、経常人件費は高い状況にある。本庁舎建設及びそれに伴う組織再編を人件費削減の転換点とし、適正な職員定数管理に努めていきたい。

物件費の分析欄

前年度より0.2ポイント増加、類似団体平均及び県内平均を大きく上回っている。本庁舎のほか6出張所を抱えていることによる施設維持管理経費が大きいこと。稼働して十数年経過するごみ処理施設の維持管理経費に莫大な費用がかかっていること(環境に配慮したごみ処理に取り組んでいることにより、島外搬出費用を含めたリサイクル費用が膨大である)。公共施設を多く保有しているため、指定管理者制度を導入しているが、離島という地域事情から競争によるコスト削減につながらないこと、等が原因として挙げられる。これまで、徹底した経常経費削減に取り組んできたが、既に限界に近い。今後は、公共施設総合管理計画のもとにした個別計画の策定により、施設の統廃合や、譲渡・売却等を行い、適正規模の施設管理に努めたい。

扶助費の分析欄

生活保護医療扶助費や子どものための教育・保育給付費の増加、自立支援給付費の増加が顕著であり前年度から2.7ポイント増加した結果、類似団体平均を上回った。全国的にも扶助費は増加傾向にあり本町も同様の傾向となっているが、社会情勢に合わせたサービスを的確に行っていくとともに、訪問系サービス等の充実を図り、予防段階での取組みをしっかりと進めていく。

その他の分析欄

数値は前年度並みであった。類似団体平均を下回っているものの、本町は公債費並びに物件費の割合が高いことから、他の費目が総じて低く抑えられている状況にある。当町の特別会計運営は、総じて独立採算とは程遠い経営となっているため、一般会計繰入金に頼ったものとなっており、特に簡易水道事業は、水道使用料が適正負担とは言い難く、使用料等の適正化が今後の大きな課題である。収支バランスを見極め、適正な利用者負担による事業運営となるよう注視していく。

補助費等の分析欄

類似団体平均を下回っているものの、本町は公債費並びに物件費の割合が高いことから、他の費目が総じて低く抑えられている状況にある。公債費の占める割合が高い当町では、他の経常経費削減に努めなければならず、各種団体への補助金についてもこれまで見直しを実施してきたが、今後も継続的に行い、必要性の低い補助金は見直しや廃止を行う方針である。

公債費の分析欄

合併旧町に加えて広域連合の地方債残高を承継したことから公債費は高い水準で推移している。平成22年度には実質公債費比率が18%を超えたため、公債費負担適正化計画を策定し、新規地方債の発行抑制等により、公債費削減に取り組んできた。その成果もあり、公債費のピークであった平成20年度の2,147百万円から、平成30年度は1,585百万円まで減少(-562百万円)したが、新規地方債発行による将来償還金額の増加に伴い、公債費も今後は上昇が見込まれる。公債費は類似団体平均及び県内でも非常に高い水準にあることから、引き続き普通建設事業の厳選と新規地方債の発行抑制は必要であるが、光回線敷設事業やごみ処理施設建設事業など、多額の地方債に頼る大型事業も計画されていることから、財政計画を綿密に立て財政健全化に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体平均よりも6.5ポイント低い水準となっているが、本町は公債費の割合が突出しているためである。健全な財政運営に向けては、経常収支比率の高い公債費、物件費を抑えていくことが肝要である。長期的に公債費の水準を低減させ、短期的には物件費を抑えていくなど、適正水準に向けた取組みを図りたい。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費が増加しているのは、繰越予算の執行もあった本庁舎建設による普通建設事業費の増のほか、ふるさと納税に係る経費が多額となったことが要因である。・民生費が類似団体平均に比べ高止まりしているのは、福祉事務所設置町であることから生活保護業務等を移管されており、生活保護費や児童扶養手当などの扶助費支出があること要因である。・衛生費も類似団体平均に比べ高止まりしているが、これは、屋久島特有の費用と思われる山岳部における環境保全対策によるものと思われる。人力により山岳部のし尿搬出を継続的に行うことは、屋久島の観光面及び衛生面からも必須事項である。また、廃棄物対策についても、屋久島では環境に配慮した電気溶融によるごみ処理施設を有しており、この施設の維持管理経費に莫大な費用がかかっている。その維持管理費用を削減するために、燃えるごみを細分化していることから、その処理費用及び島外搬出費用が多額となっている。今後の財政運営を進める中で、ごみ処理施設の更新の在り方を検討することは必須である。・農林水産業費が減少しているのは、栗生漁港水産基盤機能保全事業の減、かごしま材利用事業の減など普通建設事業費の減が要因である。しかしながら、類似団体と比較して金額が高止まりしているので、長期的な事業の見直し等の検討が必要である。・消防費が類似団体に比べて高止まりしているのは、住民の居住区域が島の周囲沿岸部であり、消防・救急活動が非常に広範囲にわたることから消防分遣所を2箇所設置しているため、相当の人件費・物件費等(熊毛地区消防組合への負担金)が必要となることが要因である。・公債費については、平成19年度の合併前から既に旧町及び広域連合には多額の債務があり、これを承継しているが、翌20年度に公債費のピークを迎え平成22年度に実質公債費比率18%超えにより、公債費負担適正化計画を策定することとなった。計画策定後は、新規地方債の発行抑制に取り組んだことにより、2年で18%を下回ることとなった。その後も引き続き抑制に努めてきたが、平成30年度においては、新規地方債の発行分の償還が開始されたことにより微増となった。依然として類似団体平均と比べて突出している状況である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり875,337円となっている(類似団体平均578,231円/人)。本町は類似団体と比較し、財政規模も大きい部類にあるため一概に比較できないが、特徴的な要因を持つ費目を以下に分析する。・人件費は、ここ数年減少傾向にはあるが、これまで職員数の自然減により、削減効果が出ているところである。しかしながら、6出張所を有していること、福祉事務所設置により生活保護業務を移管されていること等により、類似団体より若干職員数が多くなっている。・物件費については、6出張所を有していることのほか、公共施設を多数保有していることによる維持管理経費が多額であること、特にごみ処理に要する維持管理経費は中でも膨大であり、町の財政に占めるウェイトは高いものがあると認識している。・扶助費については、福祉事務所設置町であることから、生活保護業務及び児童扶養手当支給事務等、類似団体と比較し増加要因がある。子どものための教育・保育給付費や身体障害者自立支援給付費など依然として増加傾向にある。・普通建設事業費については、完了する事業がある一方、本庁舎建設事業のほか、金岳小中学校改築事業、社会資本整備事業(道路・橋梁)など、大型事業施工のため増加している。・災害復旧費については、平成30年7月の台風による被害が甚大であり、港湾、町道、農道等復旧に係る事業費が増加した。・積立金については、ごみ処理施設更新や老朽化施設更新等に備えて財政調整基金・公共施設整備基金への積立てを行ってきたが、合併算定替えによる普通交付税の減額もあり、前年度までのように積み立てることができなかった。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政基盤が弱く、基金残高も少額であったため、平成19年度の合併以降、普通交付税が一本算定となる令和2年度以降の財政不安に備え、決算剰余金を中心に財政調整基金の積み立てに努めている。今後はこれまでのような積み立ては厳しいものがあるので、行財政改革の取組を一層推進して歳出削減に努めなければならない。実質収支は、普通建設事業の翌年度繰越増加により、これに伴う翌年度繰越財源が増加したことなどから1.12ポイント減少したが、事業厳選と歳出削減に取り組んでいることから黒字を確保している。実質単年度収支については、財政調整基金の取崩し額が増加したにも関わらず、積立金額が減少したことにより赤字となった。行財政改革の推進による歳出削減を図り、健全な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

多額の累積赤字を保有していたことで、経営健全化計画を策定していた簡易水道事業及び船舶事業において、平成23年度に資金不足の解消がされたことにより、赤字が解消されている。介護保険事業、国民健康保険事業以外の特別会計で黒字も赤字も発生していないのは、歳入歳出決算を同額になるよう繰入金を調整し、赤字額を一般会計が負担しているためである。今後も引き続き、町全体として健全な財政運営を図るよう取り組んでいくとともに、各公営企業及び公営事業の経営を精査し、過度な一般会計負担を解消していきたい。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成22年度に公債費負担適正化計画を策定以降、新規地方債の抑制により元利償還金が減少してきたため、分子の減少により実質公債費比率は減少してきたところであり、令和元年度決算までは元利償還金が1,500~1,600百万円台の横ばいで推移することから実質公債費比率も横ばいで推移する見込みである。今後は平成30年度に事業が完了した本庁舎建設や小学校改築、今後完成予定の船舶建造等の大型事業による元利償還金の増加要因に加え、普通交付税合併算定替えの減額による分母の減少が見込まれる。過去の大型事業による年間212百万円の元利償還は令和2年度で完済するが、新規地方債発行に係る償還も始まることから、計画的な財政運営により実質公債費比率の改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

これまでは平成19年度の合併以降、地方債残高が減少してきたことに加え、普通交付税が一本算定となる令和2年度以降の財政不安に備えて基金積立に努めてきたことにより、将来負担比率は着実に低下してきた。しかしながら、平成29年度から地方債残高が微増となり、平成30年度においては将来負担比率の分子も微増へと転じた。今後はごみ処理場更新や光回線整備をはじめとする大型事業に伴う多額の地方債発行を見込んでおり、地方債残高の増加によって分子が増となる一方、普通交付税が一本算定となることで減額が確実であることから分母が減少し、3~5年の短期的見通しとして、将来負担比率はやや増加する見込みである。これらの要因を踏まえ、今後も引き続き行財政改革による歳出削減や、新規地方債発行額を最低限元金償還額以下に抑えるなどにより、健全な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)「屋久島町だいすき基金」「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全基金」については寄附金を財源としているため、寄附金の増減により基金積立て額が変動。基金残高は前者が増、後者は減となった。また、徹底した歳出抑制により、財政調整基金をはじめ全体として基金残高は増加したものの、大型事業に係る財源の一部として取り崩した公共施設整備基金については、積立額を取り崩し額が上回ったことにより減少した。(今後の方針)平成19年度の決算時に財政調整基金が295百万円であったことから、公共施設の修繕や更新を先送りして基金を積み立ててきたが、それも限界となりつつある。財政調整基金については、ある程度の規模に達したこともあり、公債費を増やさないよう基金の活用も検討。また、特定目的基金を国県補助金や町債発行では賄えない分の財源として活用し、公共施設の更新や住民環境の向上に努める。

財政調整基金

(増減理由)純繰越金及び普通交付税の合併算定替特例措置の適用による。(今後の方針)普通交付税の合併算定替による特例措置が令和元年度で終了したことに加え、ごみ処理施設や学校施設の更新も控えていることから、今までのように積み立てることは難しい。今後は扶助費や補助費といった経常経費の増加が見込まれ、予算不足が顕著になることから、減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)前年度の純繰越金と決算剰余金にて19百万円積立てたことによる増加。(今後の方針)本町は類似他団体に比べて公債費の額が大きく、次年度以降も大型事業が控えていることから今後も多額の起債を予定している。公債費率改善のために減債基金での繰上償還も検討している。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の新設や改修などに要する経費の財源に充てることを目的として設置。大規模な施設整備や長寿命化整備などを行う場合に、国県補助金や町債発行では賄えない建設事業費の財源として活用。・屋久島町だいすき基金:本町へ寄附された「だいすき寄附金」(ふるさと納税)を適正に管理運用するために設置。環境保全対策事業や、活性化に関する事業の財源として活用。・岩崎育英奨学基金:育英奨学資金としての貸与又は青少年研修費として運用する事業の財源として活用。・未来を担う人材育成基金:主体的で活力ある町づくりを積極的に推進することを目的とし、幅広い視野と優秀な技術及び能力を有する人材を育成する事業の財源として活用。・中山間ふるさと・水と土保全基金:中山間地域における土地改良施設の機能を適正に発揮させるための集落共同活動の強化に対する支援事業を行うため事業の財源として活用。(増減理由)・公共施設整備基金:庁舎建設や学校改築等に多額の財源を要し、当基金を財源の一部として充当したことで減少。・屋久島町だいすき基金:基金活用事業の財源に充てた額よりも寄付金額が上回ったことで増加。・岩崎育英奨学基金、未来を担う人材育成基金、中山間ふるさと・水と土保全基金については充当事業が行われなかったために預金利子のみ増加。(今後の方針)・公共施設整備基金:令和3年度以降に更新のごみ処理施設整備事業を控えている他、経年劣化による小中学校の補強・建替え等を予定しており、財源として取り崩す予定。今後も公共施設の老朽化対応のために積立てと取崩しを行う。・屋久島町だいすき基金:平成27年度以降、寄附金の額が増えたこともあり、平成30年度からは基金活用事業の拡大を行っている。寄附金の額に応じて今後も活用を行う。・岩崎育英奨学基金:基金充当すべき事業が行われる際に財源として活用。・未来を担う人材育成基金:基金充当すべき事業が行われる際に財源として活用。・中山間ふるさと・水と土保全基金:基金充当すべき事業が行われる際に財源として活用。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年3月に策定した「屋久島町公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の更新や除却を進めているところではあるが、老朽化した施設が多く、類似団体と比べても高い数値となっている。現在、施設の個別計画を策定中であり、今後、数値の改善を図っていく予定となっている。

債務償還比率の分析欄

合併算定替による地方交付税の増額分や歳出抑制によって基金への積立を増やすことができたことで、類似団体並みの数値となっている。しかしながら、令和2年度から一本算定での交付税措置となったことや大型事業(光回線整備・ごみ処理施設更新等)の実施に伴い、将来負担率の増や基金積立の減少が予想されるため、今後も償還額より借入額が上回らないような努力が必要となる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

公債費が高いことに比例して将来負担比率が高い数値を示している。また2町合併前に建設した公共施設における財政負担が大きく、更新が遅れていることも関係している。今後は将来負担比率の数値を極端に上げる事無く施設の更新を行っていかなければならないため、財政とのバランスを取りながら改善に努めたい。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費率、将来負担比率ともに類似団体と比較して高い数値となっているが、グラフの推移をみると年々数値の改善されてきていることが読み取れる。策定済みの「公共施設等総合管理計画」及び策定中の個別計画を基に、歳出削減や新規地方債発行額の抑制などを行い、無理のない範囲で進めて行くことで数値の改善を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、幼稚園、橋りょう・トンネル、学校施設、公民館であり、他の施設については類似団体とほぼ同様の数値になっている。幼稚園については、近年、園児数の少ない状態が続いており、施設更新を行うのかどうかを検討中であるため、更新が進んでいない。橋りょう・トンネルについては、平成30年度の社会資本整備交付金事業にて橋りょうの長寿命化計画が策定され、老朽化の激しいものや実用頻度の高いものから更新していく予定である。学校施設については、年度ごとに各小中学校の校舎・屋内体育施設の改修を行ってきたが、多くの施設が経年劣化で傷んできており、補修や更新が追いついていない状態であった。現在、個別施設計画を策定中であるため、それを基に進めて行くことになる。公民館についても、年度ごとに2施設を目途として更新を進めている。屋根や外壁の改修を行い、長寿命化に努めている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が高い施設は、保健センター、消防施設、市民会館(総合センター)である。本町は合併町ということもあり、旧町時に建設した施設を有しているため、同様の施設が複数あり、更新が進まない状況である。地理的に特殊な事情(島の形状が理由で、沿岸部にしか居住できない)もあるために施設を統合・合理化することが難しい現状がある。しかしながら、施設の老朽化は進んでおり更新が必要なことから、現在策定中の施設の個別計画を基に更新する施設の選定を行う必要がある。保健センター、消防施設については優先順位を付け、年度ごとに改修・更新作業を行っていく。総合センターについては、今後の方針について検討し、それに基づいて更新作業を進めていきたい。また、庁舎については、新庁舎建設が令和元年度に完成したことで更新が進んだが、それに併せて既存施設の除却を進める必要もあるため、年次的な処理を進めていく。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額53,978百万円で、そのうち固定資産が50,383百万円で93.3%を占めている。固定資産のうち96.0%に当たる有形固定資産の減価償却率が65.9%となっている。これらの資産の老朽化対策のため、令和2年度末に策定予定の公共施設等個別計画に基づき、適正な管理に努める。また負債総額は13,375百万円で、そのうち地方債が81.8%を占めている。今後も大型事業(ごみ処理施設整備事業・光ケーブル敷設整備事業)による多額の新発債が見込まれるため、普通建設事業の適正な計画・管理・縮小を行い、財政計画を綿密に立てることにより、適正な公債費管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用9,667百万円となり、そのうち人件費等の業務費用は6,172百万円、補助金等や社会保障給付等の移転費用は3,495百万円となっており、業務費用の方が移転費用よりも多い状況となっている。業務費用の中でも金額が大きいものは減価償却費(2,476百万円)を含む物件費等であり、経常費用の45.2%を占めている。今後は令和2年度末に策定予定の公共施設等個別計画に基づき、施設の統廃合や、譲渡・売却等を行い、適正規模の施設管理に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(8,723百万円)が純行政コスト(9,268百万円)を下回っており、本年度の差額は▲545百万円となり、純資産残高は▲521百万円の減少となった。全体会計では、国民健康保険特別会計、介護保険事業特別会計の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等の財源が2,843百万円多くなっているが、財源が純行政コストを下回っていることから、本年度差額は▲476百万円となり、純資産残高は451百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,326百万円であったが、投資活動収支は、平成30年度末でほぼ完了した本庁舎建設事業のほか、金岳小中学校改築事業、屋久杉自然館空調改修事業、ぽんたん館改修事業等の新規整備、更新整備ともに増加したことから▲1,468百万円となった。また財務活動収支は、地方債発行収入が地方債償還支出を上回ったことから151百万円となった。業務活動収支・投資活動収支・財務活動収支のバランスから本町は「積極投資タイプ」となっているため、今後は将来負担のリスクを考慮し、新規地方債発行を最低限公債費以下に抑制するなど、事業計画の見直しや財政計画を綿密に立てることにより、適正な財務活動収支のバランスをとる必要がある。本年度末資金残高は前年度(464百万円)から10百万円増加し、474百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく上回っている。要因の1つとして事業用資産の土地(5,136百万円)および、インフラ資産の土地(219百万円)が他団体と比較して多いことが考えられる。また本町は合併後11年が経過しているが、合併前の旧町ごとに整備されている公共施設等の集約化が進んでいないことが要因であると考えられる。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っていることから公共施設総合管理計画をもとにした個別計画の策定により、施設の統廃合や、譲渡・売却等を行い、適正規模の施設管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、将来世代負担比率については、新庁舎整備事業等の大型事業により地方債残高が増加し、類似団体平均よりも少し高めになっている。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体を大きく上回っており、また昨年度に比べても増加している。純行政コストの内、人件費、物件費等については本町の地理的な特性から6か所の支所・出張所を設置していることや、集約化が進んでいない公共施設の維持管理経費が多額であることが要因であると考えられる。今後は令和元年5月から始まった本庁舎体制により職員の集約や、機構改革も行われたことから、これまで以上に行財政改革を取り組み、コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体を大きく上回っている。負債の約82%に当たる地方債については、新規地方債の発行抑制等により年々改善されているが、今後も大型事業(ごみ処理施設整備事業・光家ケーブル敷設事業等)による多額の新発債が見込まれるため、普通建設事業の適正な計画・管理・縮小を行い、財政計画を綿密に立てることにより、適正な公債費管理に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、公共施設総合管理計画をもとにした個別計画の策定により、施設の統廃合や、譲渡・売却等を行い、適正規模の施設管理に努め、経常費用の物件費等の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,