宮崎県高千穂町：末端給水事業の経営状況（2019年度）

経常収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	115.46	113.79	110.5	112.68	111.38	110.63	109.28	115.23	120.1	116.97
類似団体内平均値（％）	108.06	104.82	104.95	105.53	107.2	106.62	107.95	104.47	103.81	104.35

累積欠損金比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	23.31	26.83	26.81	28.31	13.46	12.59	12.44	16.4	25.66	21.69

流動比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	1666.82	1722.75	2374.27	2509.91	851.18	775.41	875.86	912.43	802.3	751.04
類似団体内平均値（％）	1129.91	1197.11	1002.64	1164.51	434.72	416.14	371.89	293.23	300.14	301.04

企業債残高対給水収益比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	207.0	191.1	181.07	176.94	170.12	158.88	150.97	141.38	132.89	124.52
類似団体内平均値（％）	540.94	532.3	520.3	498.27	495.76	487.22	483.11	542.3	566.65	551.62

料金回収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	110.31	109.02	106.11	103.47	106.32	105.35	104.25	109.55	114.75	113.08
類似団体内平均値（％）	93.43	90.17	90.69	90.64	93.66	92.76	93.28	87.51	84.76	87.11

給水原価

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（円）	130.03	132.0	135.23	139.29	135.24	137.24	139.07	131.75	126.39	128.55
類似団体内平均値（円）	203.25	210.28	211.08	213.52	208.21	208.73	208.29	218.41	227.28	223.98

施設利用率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	0.07	0.06	0.06	0.06	0.06	0.06	0.06	0.06	0.06	0.05
類似団体内平均値（％）	0.05	0.05	0.05	0.05	0.05	0.05	0.05	0.05	0.05	0.05

有収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	68.7	68.09	70.75	73.55	70.9	70.32	70.5	69.27	72.48	79.06
類似団体内平均値（％）	80.81	78.7	80.01	79.98	79.48	79.44	79.34	78.65	77.73	78.09

経営の健全性・効率性について

令和元年度の①「経常収支比率」は116.97％と黒字であり、また⑤「料金回収率」も113.08％であることから、給水に係る費用が給水収益によって賄われている概ね健全な経営状態と言えます。しかしながら、給水人口が減少することによる収益減や老朽管更新等に係る費用増など、今後の経営を圧迫する要素は存在しており、収支の推移に注意する必要があります。②「累積欠損金比率」は0％となっていますが、上記のとおり今後の推移に注意が必要です。③「流動比率」は751.04％であり、現在のところ支払い能力については問題ありません。④「企業債残高対給水収益比率」は、類似団体平均値よりも低く、平成22年度起債以降新たな借り入れは行っておりません。今後の収支のバランスの推移によっては起債計画を検討することになります。⑥「給水原価」は128.55円で、類似団体と比較しても低く良好な数値です。適切な数値が保てるよう財源の確保、施設・管路の更新計画が必要です。⑦「施設利用率」については、継続して60％を下回っており、将来における更新の際には、ダウンサイジングや統廃合を検討する必要があります。⑧「有収率」については、令和元年度で79.06％と類似団体平均並みの数値となっています。これは近年の配水管布設替や漏水修理などが実を結んだ結果と考えられます。

有形固定資産減価償却率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	46.45	48.01	49.53	51.02	52.49	54.15	55.37	56.86	57.91	59.21
類似団体内平均値（％）	33.21	34.24	35.18	36.43	46.12	47.44	48.41	45.22	45.85	47.31

管路経年化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	13.97	20.02	19.96	25.9	32.34	33.75	36.9	36.42	37.34	37.13
類似団体内平均値（％）	6.2	6.86	8.48	8.89	10.41	11.5	12.59	13.66	14.13	16.77

管路更新率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	0.28	0.59	0.99	1.31	0.43	0.33	1.39	0.86	0.6	0.18
類似団体内平均値（％）	0.79	0.82	0.66	0.64	0.56	0.41	0.46	0.41	0.52	0.47

老朽化の状況について

令和元年度の①「有形固定資産減価償却率」は類似団体平均値より高く、②「管路経年化率」に至っては類似団体平均値よりかなり高い状況にあります。また令和元年度の③「管路更新率」については、低い水準となっており、老朽化が徐々に進んでいる状態であると言えます。管路の更新については漏水が多い箇所を考慮し、地区ごとに行っていますが、加えて老朽箇所を考慮した管路更新も必要になります。そのために管路情報の精査を行い、財源確保や更新計画を検討していく必要があります。

全体総括

①「有形固定資産減価償却率」、②「管路経年化率」、③「管路更新率」から施設管路の老朽化と更新の遅れが読み取れます。資産情報を精査し、適切な更新計画の検討が求められます。①「経常収支比率」ここ数年黒字となっていますが、給水人口の減や施設更新費用等の増加などで状況が変わることも予想されます。さらに昨今の新型コロナウイルス感染症に伴い、町内施設等の水道使用量減も今後収益に影響を及ぼしてくると考えられるので注意が必要です。これらのことから、中長期的な財源の確保、更新計画について検討する必要があり、令和3年度中には経営戦略を策定する予定です。