東京都足立区の財政状況(2011年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2011年度)
財政力
平成22年度と同じ0.34で維持しているが、類似団体中下位に位置し、全国平均をも下回っている。特別区税収入は、長引く景気低迷の影響で特別区民税が3年連続の減収となった反面、特別区たばこ税の増収により、対前年比0.2%の微増となった。しかし、依然として全歳入の約38%を財政調整交付金に依存しており、財政基盤は脆弱である。都営住宅等公営住宅を多数抱え、類似団体と比べ低所得世帯が多い当区の解消し難い構造的な問題に起因している。加えてリーマンショック以後生活保護世帯の増加が著しい状況にある。特別区民税の現年分の徴収強化や担税力のある世帯の定着促進など歳入の確保に努めるとともに、事務事業の見直しや生活保護費の適正化などによって、財政基盤の安定・強化を図っていく。
財政構造の弾力性
長引く景気低迷の影響で、歳入面では特別区民税が3年連続の減収、歳出面では生活保護受給世帯の増や待機児童対策経費等による扶助費や特別会計繰出金などの社会保障関連経費が増加している。そのため、前年度比で1.2ポイント上昇し、類似団体平均を上回っている。近年では平成11年度(89.1)に次ぐ高い数値となっており、財政構造の硬直化がさらに進んだといえる。区税等の徴収強化や担税力ある区民・世帯の定着促進等による歳入の確保と、生活保護費の適正化など扶助費の増加率を少しでも抑える工夫、さらには行政評価に基づく徹底した事務事業の見直しに不断に取り組むことにより、事業の「選択と集中」を一層強化し経費縮減を図っていく。今後も着実に収支の改善を図ることにより、適正水準への回復に努めていく。
人件費・物件費等の状況
平成3年度以降、「定員管理適正化計画」「定員適正化指針」に基づく定数管理に努め、指定管理者制度の導入や技能系職員の退職不補充、外郭団体の整理統合等により、平成2年度に比し2千人超の常勤職員定数の削減を達成するなど効果を上げてきた。これにより、類似団体平均を大きく下回り、類似団体中では2位に位置している。さらに、新たな「第二次定員適正化指針」に基づき、平成21年度から平成28年度の8年間で対20年度比8%を削減することを目標に取り組みを着実に推進している。公共サービス供給における官から民への展開をより多様な視点で図りながら、今後も適正な定数管理と人件費の抑制に努める。
給与水準(国との比較)
前年度比で8.5ポイントと大幅に増加したが、これは、国家公務員の時限的な給与改定特例法による削減措置の影響によるものである。削減措置が無いとした場合の指数は100.9(対前年度0.2ポイント増)となっている。その中でも依然として、類似団体中下位に位置している。同一の給料表に基づく類似団体の中にあって、比較的、早期に主任主事や係長職及び管理職への合格・昇任が遂げられていることが結果的に指数を押し上げたものと推察される。今後も特殊勤務手当の見直し、時間外勤務手当の抑制等に取り組み、適正な給与費支出に努めていく。
定員管理の状況
平成3年度から15年度にかけて、三次にわたる「定員管理適正化計画」に取り組み、1,377人の定数を削減した。また、16年度から21年度の取り組みでは「定員適正化指針」を改定し、21年度までに対15年度比で682人の定数削減を達成している。22年度からは、「第二次定員適正化指針」を策定し、民間委託や技能労務系職員の退職不補充といった従来手法の限界を見極めつつ、さらなる外部化の推進、多角的な人的資源の活用等に取り組んでいる。本指針では28年度までに対20年度比で293人の定数削減を目標とし、22年度から23年度の2年間では78人を削減した。その結果、引き続き類似団体内では最上位(最小)に位置している。今後も社会の変化に対応した適正なサービス水準の確保、維持のための体制整備を図り、効果的な行政運営に努めていく。
公債費負担の状況
起債の抑制により起債残高が減小し、前年度比で1.0ポイント改善しているが、依然として類似団体平均を上回っている。区債元金の償還に加え、老朽化した学校等各公共施設の更新時期の到来等により、新規の起債による比率上昇も見込まれるが、今後も起債額が元本償還額を上回らないように努めていく。引き続き適債事業を精査するとともに、アセットマネジメントによる施設見直しや起債抑制を図り、適正水準を維持していく。
将来負担の状況
将来負担額は区債残高・債務負担行為・退職手当支給予定額等の合計で1,331億円であった。一方、基金残高等将来負担額から控除される充当可能財源等は2,933億円と将来負担額を大きく上回り、差引き1,602億円のマイナスとなり、将来負担比率は算定されなかった。健全な状態にある。今後は、鉄道立体化事業の本格着工により、債務負担行為額の増大が見込まれる。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2011年度)
人件費
平成3年度以降、「定員管理適正化計画」「定員適正化指針」に基づく定数管理に努め、指定管理者制度の導入や技能系職員の退職不補充、外郭団体の整理統合等により、平成2年度に比して2千人超の常勤職員定数の削減を達成するなど効果を挙げてきた。平成23年度は非常勤職員報酬・共済費及び給与費の減等により前年度より0.2ポイント減少し、類似団体平均を大きく下回り、類似団体中2位に位置する。今後も、「第二次適正化指針」に不断に取り組み、適正な定数管理と人件費抑制に努める。
物件費
平成23年度は、機器・ライセンス賃借料等電算経費の増等により、経常的経費充当一般財源等が7億8000万円余増加したため、経常収支比率は前年度と比較し、0.5ポイント増加した。類似団体内では5位と低い水準となっているが、年々増加傾向にあるため、行政評価を活用した事務事業の見直し等により、「選択と集中」を進め、事業の重点化を図っていく。
扶助費
平成23年度の扶助費は876億円で、歳出全体の36.9%を占め、前年度に比べ46億円(5.5%)増加した。リーマンショック以後の生活保護世帯の増加や障がい者自立支援給付費、子ども手当の増加、待機児童対策に伴う私立保育園運営費助成等の増加などが主な要因となっている。このため、扶助費の経常収支比率も類似団体中、江戸川区、板橋区に次ぐ高さとなっている。今後も高齢者の増加に伴い、さらなる社会保障関係の扶助費の増加が見込まれるが、生活保護の適正化や事務事業の見直し等により歳出抑制に努めていく。
その他
維持補修費は、前年度に比べ、街路灯維持、公園・親水施設維持など経常的経費充当一般財源等が1億1,900万円余増加し、経常収支比率も微増となった。特別会計への繰出金は、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計合わせて17億4,000万円余増加したが、国保会計へは3億8,000万円減少したため0.2ポイントの減少となった。、
補助費等
平成23年度は、認証保育所等運営経費助成の増とまちづくり公社等外郭団体運営助成の減等の差引により、経常的経費充当一般財源等は、前年度に比べ、金額ベースでは3億円余減小し、経常収支比率は、微減となった。平成21年度に補助金の見直しを実施したが、今後も行政評価を通じ、透明性の向上を図るとともに、適格性を確認し、見直しを続けていく。
公債費
23年度は、満期一括償還による一時的な増により実質公債費比率は1ポイント改善したが、経常収支比率は1.4ポイント増加し、引き続き類似団体平均を上回っている。区債残高は着実に減小しているが、依然として、類似団体中上位の残高を抱えている。また、区立学校をはじめとした公共施設が本格的な更新時期を迎えるため、今後は新規起債需要による比率上昇も見込まれるが、建設資金積立基金等特定目的基金の活用による財源対策を効果的に講じるとともに、アセットマネジメントを活用し、施設更新にかかる起債抑制を図り、適正水準を維持するように努力する。
公債費以外
公債費以外の経常収支比率は、類似団体内では、上位に位置している。これは、事務事業見直しなどによる不断の行政改革の成果と考えられる。数値は前年に比べわずかに改善したものの、政状況の硬直化がさらに進んでいるため、今後はより一層新たな歳入の確保とともに、歳出抑制を図り、見直しを行っていく。
実質収支比率等に係る経年分析(2011年度)
分析欄
長引く景気低迷による税収の減小と、今後の老朽化した施設の更新など行政需要の増加による財源不足に備え、着実に財政調整基金への積立を行っている。標準財政規模が約60億円減少し、また震災の影響による繰越額が多かった前年度に対し、8億円余繰越額が減少したことなどにより実質収支比率は上昇した。実質収支比率は適正水準である3~5%を超えたが、まだ適正な水準の範囲内といえる。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2011年度)
分析欄
長引く景気低迷により、平成23年度も特別区民税収入は減少しているものの(影響額対前年度7億円程度標準財政規模比0.4%)、歳入・歳出・形式収支ともに横ばいで推移した。震災の影響による繰越額が多かった前年度に対し、8億円余繰越額が減少したことなどにより黒字額が増加した。
実質公債費比率(分子)の構造(2011年度)
分析欄
新発債を抑制した結果、着実に地方債の現在高が減少している。平成22年度に比べ、1.0ポイント減少した。
将来負担比率(分子)の構造(2011年度)
分析欄
償還額と新規発行額のバランスをとり、新発債を抑制した結果、着実に地方債の現在高が減少している。将来負担額は区債残高・債務負担行為・退職手当支給予定額等の合計で1,331億円であった。一方、基金残高等将来負担額から控除される額の合計は2,933億円で、差引き1,602億円のマイナスとなり、将来負担比率は算定されなかった。
よくある質問
このページで何が分かりますか?
東京都足立区の2011年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
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